サキどり↑「雷さまにご用心 対策最前線」 2015.06.23


今日の「サキどり」はこれからの季節気になる雷のお話。
国会議事堂に…。
(落雷)この一撃で石の屋根が破損。
修理費なんと4,800万円!通勤電車にも…。
(落雷)緊急停止です。
帰宅の足は大混乱!雷は家電製品の故障や火事そして時に人の命も脅かします。
被害額は年間およそ1,000億円。
決して他人事ではないんです!でも街で対策を聞いてみると…。
皆さ〜ん油断大敵ですよ!そこで雷から暮らしを守るあの手この手を大特集!雷の発生を30分前に予測する驚異の天気予報に…大仏様を守る画期的な避雷針とは!?
(落雷)雷さまが活発になるこの季節対策の最前線をサキどります!いやびっくりですよね。
電車に直撃?はい。
いつでも誰にでも起こりえるこの怖さ。
怖いですよね。
びっくりしましたね。
番組でアンケートを行ったんです。
答えて頂いた1,300人のうち経験がありと答えたのは233人。
えっ2割近く?すごいですね。
中にはこんな怖いケースもあったんです。
ご本人が外出中の事雷がおうちを直撃。
こりゃ大変だ!電気メーターから出火してしまったんですね。
火事になっちゃうでしょう!そうなんです。
「大変どうしよう」と言っている時奇跡が起きます。
な…何が?なんと近所の方が偶然見つけてこうしてバケツリレーをして消火して下さったんです。
いやよかったですね!ちょっとちょっとちょっと…!それは私の話でしょう。
そうです。
びっくりです。
(2人)よろしくお願い致します。
こんにちは。
いや大変でしたね。
もう15〜16年以上前ですけども家族で夕方出かけてましてね。
すっごい雨と雷で「うわ〜。
これはきっとどこかで被害出てるね」なんて言いながらうちへ帰ったらうちだけ電気がついてない。
停電。
どうしたんだろうと思ったら近所の人が「いやいやいや大和田さん落ちましたよあそこに。
今一応火消しときましたから」って…。
驚きですね!びっくりしましたよ。
そんな事が起こるなんて思ってもいませんからね。
こうした雷の被害大和田さんのような直撃というケースだけではないんです。
こんな怖い事もあるんです。
えっ?雷の被害に遭ったという方を訪ね東京・町田市へ。
こんにちは。
こんにちは。
小橋裕さんが被害を受けたのは2年前の9月の事でした。
大きな音で雷だとは思いましたが直撃ではなかったので特に気にしませんでした。
ところが…。
煙が?煙が。
台所には煙と焦げた臭いが充満。
しかし火元が分かりません。
(サイレン)小橋さんは119番に通報。
駆けつけた消防隊員は台所の壁を剥がして徹底的に調べました。
ようやく分かった火元は思ってもみない場所でした。
出火の原因は雷。
それがガス管に穴を開け火が壁の中に燃え広がったのです。
妻のタミエさんはどうして雷が家に入り込み火事になったのか分からなかったといいます。
ほかにないですから。
不思議な気持ちで…。
しかも被害は台所の火事だけではありませんでした。
オーブンや給湯器パソコンなどの家電製品にも及び被害総額は70万円に上りました。
小橋さんの家で一体何が起きたのか?雷対策を専門とする企業を訪ねました。
こんにちは。
施設の中では家や周りの電線などを丸ごと再現。
雷が与える被害の研究をしています。
技術者の方に小橋さん宅の被害状況を詳しく説明。
雷が家の中に入り出火した原因を推測してもらいました。
雷が落ちるとその周辺にある送電線など金属製のケーブルに誘導雷サージという強い電流が発生。
それが電線を通って住宅に流れ込み家電製品を壊してしまうのです。
小橋さん宅の火事の原因もこの異常電流だと考えられます。
落雷で誘導雷サージが発生。
強い電流が電線から進入し給湯器を経て床下に抜けたのではないか。
その時ガス管に穴が開き出火したという訳です。
どうすれば誘導雷サージから大切な財産を守れるのか。
その対策を教えて頂きました。
う〜ん。
でも雷が来た!と同時にパソコンのコンセントと通信線テレビのアンテナ線を抜いて更に2階上がってエアコンのコンセント。
あっそうそうファックスの電源も抜かなくっちゃ!というのは大変。
そこで…誘導雷サージから暮らしを守るとっておきの方法をスタジオでご紹介します!という事でこちらにすてきなお部屋をご用意してみました。
テレビ…さまざまなね家電製品ありますよね。
さあ実はこのお部屋には電源から入ってくる誘導雷サージそれを全てまとめてブロックしてくれる対策が既に施されております。
ここ。
どれかお探し下さい。
簡単でしょう。
これでしょう。
ブレーカーで。
ここにだって全部の電気が来てそれぞれこう配る訳でしょ。
この大本の中にそういうのを仕込んどけばいちいち全部抜かなくても大丈夫という。
…とは違うんだよきっとね。
いやいやいや…。
片山さんの顔は違うよって顔でしたね今ね。
正解。
見てみましょう。
本当?大当たり!分電盤の中にありますこれ。
ちっちゃい。
そう。
これ避雷器というものなんですね。
この避雷器を設置する事で電源からの誘導雷サージをブロックしてくれるという訳なんですね。
これ取り付けるには専門の業者の方を呼んで工事が必要になるんです。
ただこのようにもともと取り付けるスペースがあるもの。
もしくはないものとあるんですね。
ないとどうなる?工事が必要になるので4〜5万円ほどはかかってしまうと…。
どうですか?そのぐらいの。
つけたいつけたい…。
でもインターネット回線から誘導雷サージが来てしまう可能性も。
来てしまう?ビリビリッと来る?ありますよね。
ええ。
そんな時には避雷器あるんですね。
これどうやって使うかといいますとまあ抜きますよね。
そしてこの避雷器にLANを接続しまして…。
これで壁の…。
はい。
これでOK。
これで大切なPCを守る事ができます。
いいですね。
という訳でここからはゲストをもう一方お呼び致します。
雷の専門家小林文明さんです。
(一同)よろしくお願いします。
実際に雷というのはどうなんですか?回数はどのぐらい落ちてるんですか?日本に。
把握できてるんですか?例えば一夏で100万回ぐらい。
え!?100万。
例えば東京なんかでも最近は例えばゲリラ豪雨とかね積乱雲に伴う極端な現象が増えている。
雷もそれに伴ってやっぱり増えている。
こんなデータがあるんです。
東京で1年間に雷が観測された日数を示したものなんですね。
(大和田)明らかに増えてるよね。
そうですね。
だから多分地球規模での温暖化とそれから東京周辺というのは都市の温暖化ヒートアイランドっていいますよね。
これによって対流活動が活発になると。
結果雷も増えたんじゃないかというのが一つ考えられています。
まさに各家庭に今やコンピューターがありインターネットの世界があり被害が大きくなる可能性がより増えたって事ですよね。
もう今は本当に通信とかIT化によって高度なものがほんのちょっとしたさっき出てきた雷のサージですよねこれでやられるというのは結構今大きな問題だと思います。
それだけ対策もちゃんとしなきゃいけないよって事ですね。
新たな対策が求められている中どんな雷対策が今行われているのか最前線を取材してきました。
どこまで来てるんでしょうか。
(落雷)雷対策といえば避雷針。
1749年にアメリカ人のベンジャミン・フランクリンが考案しました。
今も空を見上げると建物を雷から守っているのは260年も前の発明品。
しかし避雷針とて完璧ではありません。
横浜にある球技場です。
4年前ナイター照明に設置された避雷針に雷が落ちました。
すると雷の異常電流が照明の制御機器にまで流れ込んでしまったのです。
修理費は1,000万円。
ところがその翌年にもまた同じ被害が発生。
なんとかならないの?そんな中「サキどり」はちょっと変わった避雷針があるという情報をキャッチ。
茨城県牛久市へ向かいました。
迎えてくれたのは…
(取材者)避雷針はどこに設置されてるんですか?よ〜く見てみると…ありました。
5年前石崎さんが設置したそうです。
地上から120メートル丸いおわんのような避雷針。
ユニークなのは形だけではありません。
え?雷を寄せつけないってどういう事?雷雲は通常地面に近い下の方はマイナスの電気を帯びています。
そこで避雷針は雷を誘導し落としやすくするためにプラスの電気を帯びるように作られています。
ところが石崎さんの避雷針はマイナス。
雲と避雷針マイナス同士が反発し合う事で落雷しにくくなるというのです。
長年避雷針の開発に取り組んできた石崎さん。
10年前この避雷針に出会い大きな可能性を感じました。
この技術を開発したのは雷が多いヨーロッパの小国アンドラ公国の企業です。
石崎さんはすぐに現地を訪ね製品の共同開発を申し出ました。
その後は互いに情報を共有しながら避雷針の改良や実証実験を続けてきました。
石崎さんたちの研究成果新型の避雷針は今では全国580か所に設置されています。
2度の雷被害を受けたあの横浜市の球技場もその一つです。
石崎さんは避雷針の効果を調べながら更なる研究を進めています。
(落雷)雷による被害を防ぐ。
その方法は避雷針だけではありません。
全く異なる防災技術の開発が急ピッチで進められています。
それは雷やゲリラ豪雨発生の予測。
リーダーは気象学者の三好建正さんです。
予測と一口に言ってもこれまでの天気予報のイメージとは全く異なります。
ねらうのは雷やゲリラ豪雨の発生を30分前に知らせる事。
しかも100メートル四方というごく小さな区間をピンポイントで予測します。
この予測技術を確立する鍵となるのが雷を落とす積乱雲発生の兆候をいち早くキャッチする事です。
そこで三好さんは雲を観測する最先端の技術に注目しました。
その一つが去年10月に打ち上げられた…画面右側がひまわり8号の映像です。
従来に比べ観測回数が格段に多くなり積乱雲の発生をすぐさまキャッチできるようになりました。
更にもう一つ。
三好さんが期待を寄せるのが大阪大学が開発した最新式の気象レーダーです。
中では大きな板がぐるんぐるん回っています。
これが…これまでとは何が違うのでしょうか。
従来の気象レーダーは一度に調べる範囲が狭く観測に時間がかかりました。
しかし最新式のレーダーは広い範囲を一気に調べる事ができ観測スピードが劇的に速くなったのです。
こうした観測機器から集められる情報の量は従来の50倍から100倍。
これらのデータを生かしきるには計算のスピードが勝負。
そこで活躍するのがこちら。
世界屈指の計算力を誇るスーパーコンピューター「京」。
膨大なデータも素早く計算分析する事ができます。
研究が始まって3年。
成果は少しずつ出始めています。
これはある観測データを基にしたシミュレーション映像。
積乱雲が成長する過程を描き出しました。
開発の目標は5年後。
そうオリンピックイヤー。
雷の発生が30分前に分かれば屋外競技の安全を守る大きな力となります。
更に航空機運航の安全確保。
集中豪雨の際には避難指示などの判断もより的確に行えます。
先生どうご覧になりますかこの技術。
高度化したレーダーのデータで今の天気っていうのは現在でも分かるようになってきてる。
ですから昔からよく「雲をつかむような話」という言葉が…。
今は雲をつかめる。
ただし先がなかなか難しい訳ですね。
5分後10分後と予測が。
そのためには大気のビッグデータですよね。
こういうものを使っていかに的確に予測するかというここが多分今課題だと思います。
ですからやはり雷から自分で身を守る事これが大切になってきます。
という事で皆さんこちらの言葉ご存じでしょうか。
う〜ん聞き慣れないですね。
(大和田)初めて聞きましたけど漢字見ると天を観て気持ちを望む?どうなんですかね。
要するに予測するって事ですよね。
ほぼ当たりなんですけれども空を観察して天気予報ですよね。
天気の変化を予測すると。
という事で今からある空の映像を見て頂きます。
その空を見てその空が危険かどうかを判断してどう行動するのか教えて下さい。
皆さんも考えて下さい。
さあこちらの映像。
とある年の7月午後2時台ですね。
(大和田)穏やかなね。
神奈川県横須賀市から東京方面の空を見ています。
(大和田)ちょっと暑そうだなって感じがしますけどね。
1時間後です。
1時間後でこう?この雲を見てどうしますか?これやっぱり傘持って出た方がいいですよね。
ちょっと夕立気を付けようなって感じですよね。
どんなところポイントなんでしょうか?
(小林)かなとこというんですけれども朝顔状に広がっててこういうのが見えると積乱雲が発達しているというのが分かります。
じゃあこの雲が見えた場合はどのように判断したらいいんですか?この積乱雲の全体が見えたらまあ当然の事ながらどっちに行くか分かんない。
だけど近い所で何か起こってるだろうと。
つまりひょっとしたらこっちへ来るよっていう心構えはしとかなきゃいけないって事ですね。
こういう状況の中で。
更に1時間後。
うわっこんなに?撮影地点にまで積乱雲が広がってきました。
黒いもん雲が。
さあどうしますか?これは出かけない方がいいですかね?ちょっと今日はやめとこうぜって感じだよね。
空を観察して3時間。
3時間でこうなる?ここまで空もようが変わりました。
急変ですね。
小林さんこちらの雲は?
(小林)何か線のように見えますよね。
これが我々ガストフロント突風前線と言ってるんですけれど。
アーチ状とかアーク状の雲と言ってるんです。
そういう雲が出来るんですね。
それがその突風のサイン。
もっと言うと竜巻がそこで起こったり雷とか豪雨が起こるよと。
(大和田)これから起こるよという合図。
(小林)ですから確実に自分の方に近づいてくるという雲ですからもうこれが見えたら真っ先に避難退避行動して頂きたいというそういう雲です。
これ小林さん日付…この日ですよね。
これ獏さん覚えてません?この日。
いや何?何かあった?すごい…えっ何?あの獏さんのご自宅に雷が直撃した日。
まさにその日なんです。
そうなの?その日なの?ああそう。
知らなかった。
いや〜すごかったよあの日は本当に。
あの下にいたんだよだから僕はね。
(小林)ですからこの日はね雨も大変だったんですけど雷もこの1つの雲のシステムで1万回。
今まで経験した事ないような雷の音と風でしたよ。
何か感慨深いね。
あの下でね。
うちに落ちたんだよ。
ですからよく黒い雲を見たら注意しましょうって今言いますけどもね雲って白か黒ですよね。
あの黒い雲ってまさにこのガストフロントの雲なんですね。
何か雷雨が来る前って割とザワザワザワザワって空気が動くのはありますよね風が吹くっていうか。
もちろん目と耳とにおいも。
におい?においも違うんです。
雨の前のにおい。
もわっとした草むらのにおいとか都会であればアスファルトのにおいとか来ますね。
ほこりっぽい。
あ〜。
そういったものを感じたら私たちどう行動したらいいんでしょうか?とにかく安全な建物の中に逃げる。
あるいは車の中に逃げる。
そういう行動をとって頂きたい。
でも近くに例えば建物がない。
ちょっとだだっ広い所に来てしまいました。
車にも戻れません。
これどうすればいいんですか?まあ本当に最後の最後ですよね。
もう何にもない。
山のりょう線とかですね本当に大平原とかそういう所であればもう最後祈るしかないんですが。
え〜?
(小林)だけどその雷から身を守る基本姿勢というのが1つあるんです。
雷しゃがみと言ってるんですが。
え?雷しゃがみ。
雷座りではない座っちゃ駄目なんですね。
しゃがむという。
大事な事はですね普通に立ってますと地面の電流が足から足に流れるんですね。
だから一番大事な事はまず足を閉じる。
当然高い所に落ちますからなるべく低くちっちゃくなって下さい。
ちっちゃくなれちっちゃくなれでちっちゃくなった。
近くに落ちますと鼓膜が破れます。
ですからできれば親指で耳を栓をして下さい。
で頭を抱えて頭を低くしてちっちゃくなって下さい。
これが雷から身を守るための基本姿勢になります。
怖いなあ。
(小林)雷が通過するまでこれを続けていなくちゃいけないと。
なかなか長時間するのきついですね。
長時間は無理ですね。
そうですね。
ストレッチとかダイエットにはいいんですが。
万が一逃げ遅れたら雷しゃがみをやってくわばらくわばらと。
(大和田)くわばらと唱えると。
いろんな事今日ご紹介しましたけどこれ小林さん何からまず私たち意識して雷と向き合っていけばいいんでしょうか?やっぱりスマホばっかり見て空見ないっていうのは現代人なので。
できれば空も見て五感で感じてちょっと怪しいなっていうその雰囲気ですよね。
これで行動できるようになると結構皆さん天気に対しては強くなるんじゃないかと思います。
子どもの頃はあれですよね。
蚊帳をつって中で入って「遠くのくわばら遠くのくわばらって言え」って言われてましたけどね今蚊帳がないからね無理だね。
そうですね。
いや〜うちのPCは守られてますよと思うような範囲じゃなかったんですね雷のこの怖さ。
そうなんですよ。
ちゃんと対策おのおのしとかないと駄目なんですよね。
そして空を見る。
空の事ちゃんと注意深く見てなかったなと反省しましたね。
データも生かして対策もして「備えあれば」ですよね。
ですね。
はい。
という事で選曲はELECTRICLIGHTORCHESTRA「DON’TBRINGMEDOWN」。
2015/06/23(火) 01:30〜02:00
NHK総合1・神戸
サキどり↑「雷さまにご用心 対策最前線」[字][再]

これからの季節、用心したい「雷」。家電の故障や火事、時に人命も脅かす怖い存在だ。家ですぐに実践できる対策、被害を防ぐ避雷針や雷予測の研究の最前線を紹介する。

詳細情報
番組内容
これからの季節、用心したい「雷」。家電の故障や火事、時に人命も脅かす怖い存在だ。特に被害が多いのは「誘導雷サージ」。電線などを伝って家の中に入り込み、様々な被害を引き起こす“厄介者”への備えを伝授する。また、雷に備える様々な研究開発も進む。雷を引き寄せる従来の避雷針とは逆に、雷を抑制するという避雷針の開発に挑む研究者や、雷を落とす積乱雲の発生を、ピンポイントで予測するという研究の現状を紹介する。
出演者
【ゲスト】大和田獏,防衛大学校教授…小林文明,【キャスター】ジョン・カビラ,片山千恵子

ジャンル :
情報/ワイドショー – その他
ニュース/報道 – 経済・市況
バラエティ – その他

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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