NHKニュース7 2015.06.22


国交正常化からきょうで50年。
交流を深める一方で、摩擦も生じてきた日本と韓国。
両国で記念行事が開催されました。
こんばんは、ニュース7です。
今夜はまず、国会の動きからお伝えします。
安全保障関連法案が最大の焦点の後半国会。
政府・与党は、法案を確実に成立させるため、こちら、あさって6月24日までの今の国会の会期を延長する方針で、このあと開かれる衆議院本会議で議決される見通しです。
その延長の幅ですが、こちら、7月、さらに8月を越えまして、9月27日まで。
延長幅は、95日間とする方針です。
この95日間という延長幅、通常国会としては過去最長となります。
国会の会期延長に向けて、具体的な延長幅の調整を続けていた、政府・与党。
きょう午後、安倍総理大臣と公明党の山口代表が会談。
安倍総理大臣は、平和安全法制の議論を丁寧に行うべきだという声に耳を傾け、9月27日まで会期を延長したいと述べ、会期を95日間延長する方針を伝え、山口代表も了承しました。
これを受け、与野党の幹事長らによる会談が行われ、与党側が会期を95日間延長する方針を伝えました。
これに対し民主党などは、90日を越える延長は非常識だなどとして、反対する考えを示しましたが、次世代の党と新党改革は、会期の延長に賛成する考えを示しました。
反対した野党からは。
また維新の党は、政府・与党が会期延長の方針を決めたことなどを踏まえ、今週の決定を目指していた、安全保障関連法案への独自の対案について、最終的な取りまとめを来週以降に先送りする方針を確認しました。
会期の延長は、今夜開かれる衆議院本会議で、自民、公明両党などの賛成多数で議決される見通しです。
今回の95日間という延長幅は、通常国会としては過去最長となります。
では政治部の吉川記者に聞きます。
吉川さん、政府・与党が決めたこの延長幅には、どんなねらいがあるんでしょうか。
3か月を超える大幅延長を決断したのは、最重要法案と位置づける、安全保障関連法案を成立させるためです。
その一方で、法案の審議は政府・与党の当初の想定より遅れていまして、衆議院通過の時期が依然、不透明であるうえ、衆議院と同じ程度の審議時間が必要だとする、自民党の参議院側の意向にも配慮せざるをえなかったという事情もあります。
通常国会として、戦後最長の延長幅とすることで、法案審議を尽くす姿勢を強調するねらいもありまして、安倍総理大臣は公明党の山口代表との会談で、審議時間を十分取って、しっかり議論するという意思を国民に示し、理解を得ていきたいと述べ、その決意を伝えました。
さらに、法案が参議院に送られてから、60日たっても採決されない場合は、衆議院で3分の2以上の賛成多数で再可決できるとした、憲法の規定も念頭にありまして、大幅な会期延長で法案の成立を確実に担保したいというねらいもあるものと見られます。
この安全保障関連法案の審議ですが、その政府・与党のねらいどおり進むと見ていいんでしょうか。
なかなか容易ではなさそうです。
政府・与党は論点がほぼ出尽くしたとして、審議を促進し、来月初めにも法案の衆議院通過を図りたい考えです。
このため、与党内には維新の党が党独自の対案を各党に示して、協議を呼びかけるとしていることを受けて、維新の党の協力を取り付けることに期待感が出ていました。
ただ、その維新の党は、きょう、対案の取りまとめの時期を来週以降に先送りする方針を決め、日程はずれ込む見通しです。
またきょうの衆議院の特別委員会でも、参考人として出席した、元内閣法制局長官が、憲法9条に違反していると述べるなど、法案に対しては憲法違反だという指摘が相次いでいます。
こうした状況を背景に、民主党などは法案の撤回を求める動きを、今後さらに強める構えで、延長国会でも激しい攻防が繰り広げられる見通しです。
次です。
昭和40年6月22日、日本と韓国は国交を正常化しました。
それからきょうで50年です。
東京で開かれた記念行事には安倍総理大臣が、ソウルでの行事にはパク・クネ大統領が出席しました。
安倍総理大臣は、両国の協力強化は、アジア太平洋地域の平和と安定にとって掛けがえのないものだと述べ、早期の首脳会談の実現を念頭に、日韓関係の改善に意欲を示しました。
きょう夕方、東京都内で開かれた、韓国政府主催の記念行事。
安倍総理大臣は、早期の首脳会談の実現を念頭に、日韓関係の改善に意欲を示しました。
そしてソウルでは、先ほどから、日本大使館が主催する記念行事が開かれています。
国交正常化からきょうで50年を迎えた日本と韓国。
この間、さまざまなことがありました。
昭和48年、後の大統領、キム・デジュン氏が、東京のホテルで韓国の情報機関に拉致された、いわゆる金大中事件。
いわゆる従軍慰安婦の問題への関心が高まり、平成5年、日本政府は謝罪と反省を示した河野官房長官談話を発表。
その2年後には、過去の植民地支配と侵略に対して痛切な反省を表明した、総理大臣談話、いわゆる村山談話を発表しました。
平成14年にはサッカーワールドカップを、日韓共同で開催。
そして平成15年に放送され、日本で大ヒットしたのが。
ドラマ、冬のソナタ。
両国関係は、文化やスポーツでも緊密さを増しました。
しかし、平成24年に当時のイ・ミョンバク大統領が、島根県の竹島に上陸したことなどから、両国の関係は悪化。
おととしの2月にパク政権が発足して以降、日韓首脳会談は一度も行われていません。
こうした中、歩み寄りが見られたのが、昨夜の外相会談でした。
韓国が反対していた、明治日本の産業革命遺産の世界遺産への登録を巡り、両国が協力することで一致しました。
昨夜の会談で、日本側は、朝鮮半島の人々が強制徴用された施設があるとする韓国側の主張に、一定の配慮をする意向を示したうえで、どのように対応するかは、日本側が検討すると伝えたということです。
そして韓国が推薦している百済の歴史地区とともに、世界遺産への登録を目指して協力していくことで一致しました。
世界遺産の登録を目指す自治体の一つ、長崎市です。
きょう、観光客の受け入れ態勢を確認するモニターツアーが行われ、参加した市民から、日韓両国の歩み寄りを歓迎する声が聞かれました。
きょう午後、NHKのインタビューに応えた韓国のユン外相は、国交正常化50年というこの機会を、関係改善のきっかけにしたいと強調しました。
そして、いわゆる従軍慰安婦の問題について、日韓の政府間協議で解決が図られれば、それを最終決着とし、韓国側から再び問題として提起することはないという考えを示しました。
一方、岸田外務大臣は。
そしてきょうはこんな動きも。
全国で記念切手が発売されました。
日本の着物姿の女性と、民族衣装を着た韓国の女性が並んだデザインです。
都内の大学では、日韓両国の学生たちが、未来に向かって何をすべきか意見を交わしました。
水族館の人気者の復活はなるのでしょうか。
展示していたマグロが大量に死に、僅か1匹になってしまった、東京の葛西臨海水族園。
新たにマグロ77匹を入れて、飼育を再開し、きょうから展示を始めました。
再びマグロの群れのダイナミックな動きが見られるか、期待が集まっています。
きのう、東京の葛西臨海水族園に到着したクロマグロ。
職員が2人がかりで、走って運び入れます。
慎重に水槽の中へ。
たった1匹となっていた水槽に。
少し小ぶり、体長90センチほどの77匹が加わりました。
そして、きょうから展示を再開。
およそ半年ぶりに葛西臨海水族園で見ることができるようになった、群れで泳ぐマグロの姿です。
多いときにはクロマグロなどの回遊魚190匹が泳いでいたドーナツ型の巨大水槽。
去年12月以降、次々と死んでいき、3月下旬には、とうとうマグロ1匹だけとなりました。
なぜ短期間のうちに大量に死んだのか。
ウイルスや、水槽周辺で行われた工事の振動や騒音によるストレスが指摘されていますが、詳しい原因は今も分からず、調査が続いています。
原因が分からない中、水族園では、マグロの飼育を再開できるか判断するため、段階的に、種類の近い魚を水槽に入れて、観察を続けてきました。
3月にアカシュモクザメ、4月にはタカサゴ、先月はマグロと同じサバ科の、ハガツオやスマを入れていきます。
その結果、スマのおよそ半数が水槽に衝突して死んだものの、環境面の異常によって死ぬ魚はなかったため、マグロの飼育再開に踏み切ったのです。
水族園では今回、マグロが衝突しないように格子状に黄色のテープを貼りました。
それでも訪れた人は。
水族園では慣れたころにテープを外すことにしています。
次は、いわゆる骨太の方針と新たな成長戦略です。
財政健全化と日本経済の生産性向上に向けた、政府の方針の素案が示されました。
こちら、骨太の方針に盛り込まれたのが、高齢化による社会保障費の伸びを抑えることです。
一方、新たな成長戦略では、設備や技術、それに人材への投資を積極的に行うよう求めています。
この2つの素案。
政府は来週にも閣議決定することにしています。
政府の経済財政諮問会議で示された、いわゆる骨太の方針の素案。
基礎的財政収支を2020年度までに黒字化する目標を達成するため、今後5年間の経済・財政再生計画が盛り込まれ、中間年度に当たる2018年度の時点で、基礎的財政収支の赤字を、GDP・国内総生産と比べて、現在の3.3%から1%程度に縮小することを目指すと明記しています。
そして来年度から3年間を、集中改革期間と位置づけ、歳出規模が最も大きい社会保障費については、安倍政権発足後の実績を踏まえ、高齢化による伸びを今後3年間で、合わせて1兆5000億円程度に抑えることを目指すことが盛り込まれました。
政府がもう一つ示した素案、新たな成長戦略です。
日本経済の生産性の向上に向けて、設備や技術、それに人材への投資を積極的に行うよう求めています。
具体的には、すべての国立大学を世界トップクラスの研究をする大学など3つに分類し、各大学への交付金の配分にめりはりをつける方針を打ち出しています。
またこの素案が示された産業競争力会議の中で、安倍総理大臣は、民間企業の投資を後押しするため、政府と経済界の代表らからなる会議を、新たに設置する考えを示しました。
骨太の方針と、新たな成長戦略。
政府は来週にも閣議決定することにしています。
重い肺炎などを引き起こすMERSコロナウイルス。
韓国で新たに2人が死亡して、死者は27人、感染者は172人となりました。
日本と韓国を結ぶ空の便への影響も広がっています。
青森空港です。
ソウル近郊のインチョン空港とを結ぶ定期便が、週3往復運航されています。
しかし、利用客のキャンセルが相次いで、需要が見込めないとして、大韓航空は来月1日から半月余りの間、定期便の運休を決めました。
影響はほかの空港でも。
全国10の空港で、アシアナ航空が合わせて104便、大韓航空が合わせて92便の運休を決めています。
きょうも新たに死亡する人が出ました。
韓国の保健福祉省は、ウイルスに感染して治療を受けていた、87歳と84歳の男性が死亡したと発表しました。
また新たに3人の感染が確認され、感染者は172人、死亡した人は27人となりました。
塩崎厚生労働大臣は夕方、日本医師会の横倉会長と会談しました。
塩崎大臣は、全国の診療所や病院で、感染の疑いのある患者が出た場合は、直ちに保健所に連絡するなどの措置を徹底するよう、改めて要請しました。
ニュースを続けます。
来年、三重県で開かれるサミット・主要国首脳会議。
警備対策委員会の初めての会合が開かれました。
警察庁は今後、会場予定地の志摩市にある賢島や、その周辺を視察するなどして、警察官の人員や、装備資機材といった警備計画などを作成し、各地の警察本部と連携して準備を進めていくことにしています。
政府がきょうの閣議で決定した、ことしの少子化社会対策白書。
20代から30代の男女の結婚観について尋ねたところ、必ずしたほうがよいが14%、できればしたほうがよいが54.1%、無理してしなくてもよいが29.3%、しなくてよいが1.7%でした。
一方、未婚で恋人がいない人に、交際への不安を尋ねたところ、そもそも出会いの場所がないが55.5%で最も多く、次いで、自分は魅力がないのではないかと思うが34.2%でした。
芸術の分野で優れた業績を上げた人たちに贈られる、日本芸術院賞の授賞式が、天皇皇后両陛下も出席されて、東京で行われました。
71回目となることしの日本芸術院賞には、8人が選ばれ、特に優れた業績に贈られる恩賜賞は、詩人の吉増剛造さんと、能楽の柿原崇志さんの2人が受賞しました。
このあと受賞者は皇居に招かれ、両陛下や皇太子さま、それに秋篠宮ご夫妻と懇談しました。
2万6000人余りを追悼しました。
国の誤った政策で強制的に隔離され、差別に苦しみながら亡くなった、ハンセン病の元患者の人たちを追悼する式典。
元患者の人や遺族など、およそ170人が参列し、全員で黙とうをささげました。
全国14のハンセン病の療養所には、先月1日の時点で合わせて1700人余りが暮らしていますが、平均年齢は83歳を超え、高齢化が一層進んでいます。
2020年東京オリンピックの追加種目の採用を目指す競技団体の、1次選考の結果が発表され、8つの競技団体が最終選考に進みました。
最終選考に進んだのは、野球・ソフトボール、空手、スカッシュ、スポーツクライミング、サーフィン、武術太極拳など8つです。
選考について組織委員会は。
追加種目については、26団体から申請を受け、IOCが重視する若者への人気や、開催国での人気などの基準をもとに選考した結果、8つの競技団体が1次選考を通過しました。
最終選考に進んだ各競技団体は。
正直ほっとしているところであります。
大きな期待と小さな不安の中で、一応、これから3か月を過ごすことになると思いますけれども、頑張っていきたいと思います。
組織委員会は今後、採用された際の競技会場、種目の数、参加する選手数、トップ選手の参加の有無など、実施にあたってのより細かい点について聞き取りを行い、9月中に理事会を開いて追加種目を決定し、9月30日までにIOCに提案する予定です。
気象情報は寺川さんです。
こんばんは。
こちら、スイカの季節がやって来ました。
愛知県では、小玉スイカの収穫が最盛期です。
きょうは一年のうちで最も昼が長い夏至です。
昼が長いといっても、夏至の時期は、梅雨前線の影響で雲が広がって、あまり実感はないかもしれません。
あすはこの梅雨前線、やや北上してきます。
そして上空には強い寒気が流れ込んできて、再び大気の状態、非常に不安定となりそうです。
あすはどの辺りで注意が必要となりますか?
特に近畿から東北付近、雷雨や竜巻などの突風、ひょうの降るおそれがあります。
雨の予想です。
あすの朝は西日本や内陸など、ところどころで雷雨となるでしょう。
そして日中は、あちらこちらで雨雲が湧いてきそうです。
特に夜は、関東甲信で雨雲が発達をして、関東の南部、平野でも雷雨となるおそれがあります。
ではあすの全国の天気です。
お伝えしましたように、今の国会の会期について、政府・与党は、安全保障関連法案を確実に成立させるため、9月27日まで95日間、延長する方針を決めました。
2015/06/22(月) 19:00〜19:30
NHK総合1・神戸
NHKニュース7[二][字]

▽会期延長で安保攻防は ▽日韓関係50年の節目で 【キャスター】武田真一,【サブキャスター】桑子真帆,【気象キャスター】寺川奈津美

詳細情報
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【キャスター】武田真一,【サブキャスター】桑子真帆,【気象キャスター】寺川奈津美

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