(最終回)新・科捜研の女4 2015.06.22


うわっ!
(乾健児)銃創に間違いないですね。
(榊マリコ)背中から撃たれて左胸から抜けてる。
(乾)銃創に火薬の跡は…ありませんね。
50センチ以上離れて撃たれたって事ね。
クライムライトお願いします。
(土門美貴)はい。
(乾)血液反応…被害者を貫通した弾ですね。
これは…殴られた跡かしら。
(土門薫)撃たれる前に殴られたそうだ。
(鳴海亮)殴ったのは私です。
薬物対策課の鳴海刑事。
同じく安堂刑事だ。
(安堂由紀夫)さっきここで覚せい剤の取引があったんです。
(日野和正)じゃあこれがその覚せい剤?でこいつがその売人。
二見組の松田和久だ。
(安堂)俺と鳴海先輩が踏み込んだらナイフで抵抗されて…。
ナイフで抵抗されて…殴って…。
それでこれは?俺が撃ちました。
仕方なかったんだ。
こうしなければ俺がやられてた。
おい!何してる!?
(鳴海・安堂)待て!
(松田)おらー!抵抗はやめろ!ナイフを捨てるんだ!
(鳴海)おらー!貴様…!
(松田)うらあ!おらー!うっ!うあ…。
これがその安堂刑事の銃だ。
急所は外したつもりだったんですがとにかく必死で。
(風丘早月)あのーなぜ薬物対策課の課長さんがここに?
(原秀実)ヤクの売人とはいえうちの刑事が誤って撃ってしまったホトケですから。
詳しく伺いたいと思いまして。
(早月)鑑定書が出来たら連絡しますけど。
計測終わりました。
風丘先生解剖お願いします。
左肺の上部と心臓が破裂してましたよね?気づいてた?解剖室ではあの課長さんがいたんで言いづらかったんだけど弾が貫通して内圧が上昇したのね。
つまり弾は背中から左肺の上部を通って心臓へ…。
うん。
どう見ても的確に急所を撃ち抜かれてる。
急所は外したつもりだったんですが…。
(早月)もしあれが誤って撃ってしまった結果だとしたら被害者はよほど運が悪かったって事になるけど?
(携帯電話の振動音)ちょっとごめんなさい…。
(携帯電話の振動音)はい榊。
ああ土門さん今どこ?母さんが!?困ります。
すみません。
(榊伊知郎)マリコ!どういう事だ母さんが切りつけられたって。

(伊知郎)母さん!大丈夫だ。
ケガはされてません。
(榊いずみ)ええ!?でも見てよほら。
こんなよほら!何?切られたのは着物だけ?そうよもうお気に入りだったのに〜。
ああ…よかったあ。
もう京都に来るなら連絡ぐらいしなさいよ。
だって!いつも相手にしてくれないじゃないの。
マリちゃんだってお父さんだって仕事仕事で忙しいって。
(捜査官)あのそれで犯人の髪型なんですが…。
あはいはい。
あの髪は短めであっそうそう…。
犯人が逃げてるんで似顔絵に協力してもらっています。
でもよかった…そんなにショック受けてないみたい。
元々のん気な性格だからな。
おい。
気を抜くなよ。
…え?人は突然の出来事にはショックを感じにくいものだ。
後になって急に恐怖を感じるかもしれん。
ねえ…これ家から着てきた?京都に着いてから着替えたのよ。
じゃあ…着替えてすぐ被害に遭った感じ?そうなのよ。
もうやんなっちゃう。
(伊知郎)土ではないねえ。
母さんこれ脱いで。
科捜研に戻って鑑定してみる。
あらやだ!仕事に戻る気?ごめん…。
夕飯は一緒に食べよう。
いいお店連れてくから。

(乾)グルテニングリアジン…なんですか?これ。
(日野)あグルテン?小麦粉の成分だね。
タンパク質の含有量からして準強力粉よ。
パンとかラーメンに使う小麦粉だ。
(美貴)それが…お母さんの着物に?襲われた時に付いたのかもしれない。
(日野)じゃあ犯人はパンとかラーメンを作る職人?でもその手のお店は京都には特に多いですよ。
(伊知郎)お邪魔しまーす。
こんばんはー。
マリちゃんここダメ…。
え?すごくおいしいのよ?母さん鶏好きでしょ?あの…においがする…。
あのにおい?お…同じにおいがした…。
同じにおいって…。
鶏のだしのにおい?今鶏のスープのラーメン屋を探してもらってる。
鶏のスープのラーメン?通り魔に接触した母の着物から小麦粉が採取されたでしょ?ラーメンに使われる。
うん。
探しましたよラーメン屋さん。
鶏のスープっていうとこれだけ。
よしあたってみる。
「今後はこのような事故が起きぬよう努めていき慎重に職務を遂行すべく徹底するよう関係各署に通達いたしました」事故ってなんですか!?刑事2人だけで踏み込んだんですよね!?捜査手法に問題があったんじゃないですか!?どうなってるんです!?答えてくださいよ!
(佐久間誠)えー現在刑事部の科学捜査研究所で原因を科学的に究明している最中であり結果については改めてまた会見させて頂きます。
では。
ちょちょっと待ってください!そんな事でいいんですか!?撃たれた売人が所持していたこれね鑑定の結果やはり覚せい剤だった。
被害者の傷です。
角度を計測したところ背中から左胸をやや上から下に撃たれていた事がわかりました。
上から下に?ええ。
現場にいた刑事の話では…売人が立ち上がって鳴海刑事に襲いかかった時安堂刑事が発砲したって事だったけどその売人より安堂刑事の方が背は低いのよ。
普通に撃てば弾が上から下に抜ける事はないと思うんだけど。
ですよね。
でも上から下に撃たないと地面にめり込んでた弾の説明もつかないんですよ。
弾道の鑑定は?結果から言うとマリコさんの鑑定と一緒でした。
売人を貫通した弾は斜め上から下に向かってました。
(伊知郎)総合して考えるとやっぱりちょっと変だね。
ええ。
売人は地面に膝をついた状態で2メートルほど離れたところから斜め上より撃たれた。
そう考えないとつじつまが合いません。
(伊知郎)これが科捜研の鑑定結果なんですが。
…そうだったかもしれません。
なんせ現場は混乱してて俺が松田を殴った後やつが立ち上がる前に安堂が撃ったのかもしれません。
確かですか?今思えば確かにそうでした。
だがやつはまだナイフで抵抗しようとしてた。
安堂が撃ってくれなければ俺はどうなっていたか…。
発砲は適正だった…それに変わりないって事だな?もちろんです。
ええ!?じゃあ…。
鑑定どおり供述が変わったよ。
何?それでもちょっと変なんです…。
現場の位置関係をねもう一度鑑定し直してみたんだけど。
(乾)売人は2メートルほど離れて撃たれたんですよね?ええ。
それは銃創から見て間違いない。
(乾)だとするとここが売人が撃たれた場所。
そこから2メートル後ろだと撃った刑事はここ。
でもその刑事が威嚇射撃をしたのが…ここなんです。
つまり安堂刑事は威嚇射撃をした後わざわざ相手から遠ざかって発砲した事になる。
変だとは思っていたんだ。
え?安堂は売人を撃った後すぐに緊急配備を要請している。
ああ現場から逃げた男がいたのよね?うん…。
売人と取引をしていた男だ。
それが配備には引っかからなかった。
本当にそんな男がいたのか?そんな男いなかったって言うの?…だとしたら鳴海と安堂はあそこで売人と何をしていたんだ?そしてどうして売人を撃ったんだ…。
お悪いな。
(杉崎幸太)っていうか本当は手続き必要なんですからね。
急ぎなんだすぐ返す。
恩にきるよ。
ちょっとメシでもおごってくださいよ!ほんとに。
あああと土門先輩ってうちの刑事が撃っちゃったっていう売人調べてるんですよね松田っていう。
うん。
そいつすんげー借金あるの知ってます?借金?捜査一課の調べではそんな情報出てないぞ。
やっぱりね。
非合法な借金なんですよ。
松田は最近覚せい剤の取引に失敗したみたいで…。
(国持三郎)君んとこの科捜研が出したこれね見たよ。
(佐久間)銃の傷の鑑定書弾道の鑑定書ですね。
これはマスコミには公表しない。
いいね?あいや…私は会見で約束しました。
発砲事故の原因を究明し公表すると。
それについては薬物対策課長がうまく説明する。
京都府警がこれまでに押収した覚せい剤のリストだ。
これは覚せい剤の指紋みたいなもんだよな?覚せい剤によって不純物の割合が違うからこれで同じ覚せい剤かどうか判断出来るの。
売人が撃たれた現場にもあったよな?覚せい剤が。
あったけど…まさか土門さん。
それと同じものがこの中にあるかどうか調べてくれ。
現場にあった覚せい剤は売人が取引してたもの…。
この中にあるはずないじゃない。
もしあったとしたら?押収された覚せい剤が売人に流されてるって事?きっとそれが鳴海と安堂だ。
おお杉崎。
お前んとこ行こうと思ってたんだ。
おいおい!お前この売人の事詳しかったな?
(杉崎)ああの…先輩すみませんあのちょっと忙しいんで!
(伊知郎)あ榊君!薬物対策課から科捜研にファイルが届いてないかって。
ファイル…?うちが過去に押収した覚せい剤のリストです。
預かってないよねえそんなの。
ええ…。
そうですか…。
勝手に持ち出されたようなので。
…勝手に?正式な手続きをせずにという意味です。
もしそれを使って何かの鑑定を依頼されるような事があっても絶対に引き受けないようお願いします。
もちろんです。
違法に持ち出された資料を使ったりしません。
それを聞いて安心しました。
こちらお返しします。
これは…マスコミ発表に使うはずでは?必要なくなりました。
必要なくなったってどうして?さあ…本部長のご判断ですから。
失礼します。
どうやら私たちは警察の意にそぐわない鑑定結果を出してしまったようだね…。
みんなにはこの件にかかわらないよう私から伝えておく。
ななんや!?あいたたた!あいた…。
何すんのや!売人捕まえんの…現行犯だけやろ!俺は覚せい剤担当じゃない!こいつの事を訊きたいだけだ。
ああ…。
こいつデカから覚せい剤を流されていた可能性がある。
やっぱり…。
ほんであんな安うさばけとったんかい。
ほー知ってるようだな。
こいつに覚せい剤を流していたデカは?知らん。
そんな噂聞いただけや。
じゃあこいつと親しかった仲間は?こいつの仲間やったらシャブ…。
(安堂)土門巡査部長。
違法捜査をやめるよう本部長からの命令です。
違法捜査だと?立派な違法捜査ですよ。
すでに終わった事件を調べるのは。
やっぱり…。
(携帯電話の振動音)はい榊。
やー…あの売人の遺体にちょっと気になる事が出てきて。
マリコさんに見てほしいんだけどこれから来られる?ああ!ああ…。
大丈夫ですか?ケガは?大丈夫です…。
助かりました。
今の車まるであなたを殺そうとしてたみたいですね。
ええ…どうして…。
ナンバー確認しましたか?いえ…そんな余裕なくて。
じゃあ絶望的だ。
ナンバー不明のありふれた色の車を見つけるなんて…。
でもよかった。
優秀な科学者に死なれるところでした。
我々にとって素晴らしい鑑定を出してくれた人ですから。
礼を言います。
だからこれ以上…。
余計な真似すんな。

(早月)爪が割れちゃってるじゃない。
何があったの?うん…ちょっと…。
ちょっとってケガじゃないけど?転んじゃって…。
誰にやられたの?私は法医学者よそれくらいの事わかる。
そう…言えないんだ。
迷惑…かける事になるかもしれないから…。
まさか…警察に?呼び出しといてなんだけどこのまま帰って。
…え?手当てが済んだら送ってくから。
でも先生遺体に何か気になる事があるって…。
それ…あなたは聞かない方がいいかも。
それはダメ。
私も法医学者。
死んだ人の言葉を聞けるのは私たちだけなの。
いいえ何があっても聞く義務があるのよ。
以前…私に同じ事言ったわね。
でも先生は法医学者です。
死んだ人の言葉を聞く義務がある。
そっかー。
あなたはそういう人だった。
松田さんの右下顎第一小臼歯?えぐれちゃってるでしょ?一般的に利き腕の反対側の歯を磨く時過剰な力がかかってこうなりやすいの。
でね遺体の歯なんだけど右側に比べて左側の歯の方が虫歯や…ほら歯周病が多いでしょ?利き手の反対側の歯は磨きやすい。
利き手側は磨きにくい。
左利きの可能性が高いって事?でも凶器のナイフは右手に握られていた。
ええ…。
(携帯電話の振動音)ちょっとごめんなさい。
(携帯電話の振動音)はい榊。
え!?…もちろんすぐ行く!…わかった。
似顔絵に似た男が見つかったって。
これありがとう。
ああ!鑑定書お願い!はい愛想なし。
ありがとうございます。
このラーメン屋だ。
どうした?その手。
なんでもない…。
え…?あ…このにおい…。
やっぱり…。
ひと月前から住み込みで働いている山内という男が似てるそうだ。
あの売人が左利きだった?そうなの。
でもナイフを右手に持っていたでしょ?偽装されていたという事か?松田さんの遺留品を鑑定してみないとはっきりした事は言えないけど…可能性は高いと思う。
やつが持っていた覚せい剤の方はどうだった?過去に押収された覚せい剤の中に…一致するものがあった。
やっぱり…。
土門さん。
うん。
被疑者の免許証です。
ほお〜。
似顔絵とそっくり…。
お前のお袋大した記憶力だ。
これ毛髪です。
この部屋から出来るだけ集めました。
結構な量ですね…。
お預かりします。
はい。
ん〜?なんだか…一式脱ぎ捨てたって感じだなぁ。
血痕は…。
ないわねぇ…。
なんだ…これまだ動いてるじゃないか。
それにこれもまだ新しい。
もしかして…。
ん?ねえポンプやパケを探して。
鑑識さん被疑者は薬物を所持してる可能性があります。
注射器小さなビニール袋炙りに使うスプーンやカミソリなどを重点的に探してください。
(鑑識一同)はい。
お願いします。
土門さん。
ああ…。
これは…。
あ…。
おはようございます。
あおはよう。
おはよう。
榊君ゆうべうちに帰らなかったけど…。
どうしたの?なんでもありません。
徹夜で何を鑑定してたんだ?ゆうべ通り魔が特定されその住居が見つかりました。
聞いてる。
家宅捜索も済んだそうだね。
じゃあ…通り魔事件の方を鑑定してたんですね…?そうか…。
いや…お前の事だから売人が撃たれた事件の鑑定にまだこだわってるんじゃないかと思ってさ。
通り魔の家から押収されたものです。
鑑定の結果覚せい剤でした。
この覚せい剤の不純物プロファイルです。
これと…。
この覚せい剤が一致しました。
(伊知郎)これがあの…売人が所持していた覚せい剤…。
きっと…通り魔に覚せい剤を売ったのはこの売人です。
(日野)通り魔が…売人の撃たれた事件とつながったって事?つながったのはそれだけじゃないの。
京都府警が過去に押収した覚せい剤のリストです。
まさか…。
違法に持ち出された資料を使って鑑定したのか?その中の1つが一致しました。
通り魔と売人が持っていた覚せい剤と…。
(日野)なんで警察が押収した覚せい剤売人が持ってるの?それで…これに付着していた指紋を調べました。
指紋は3人分ありました。
1人目はこの覚せい剤を所持していた山内のもの。
2人目は彼にこれを売ったと思われる売人のもの。
3人目は…この人の指紋です。
薬物対策課の鳴海刑事です。
え…えぇ?どういう事?これ…。
そんなまさか…。
その「まさか」よ。
京都府警が過去に押収した覚せい剤を…鳴海刑事が売人に横流ししそれが通り魔の手に渡ってしまった。
所長。
明らかに…警察の意にそぐわない鑑定結果だな。
だから…目をつぶりますか?ねえ…私たちが今まで科学でつかみ取ってきた真実は…目をつぶっていいようなものだった?だったら…私たちはなんのために鑑定してるの?これ…発表したら…警察組織を敵に回す事になるよ。
組織の人間だから…組織の不正が正せるんじゃない?科学者が真実に目をつぶる。
それは…科学者が誇りを捨てるって事じゃないかしら?土門さんの推理したとおりだった。
うん…。
それであの売人は殺されたのかもしれないな。
ヤツは最近取引に失敗してでかい借金を抱えていた。
え…?あ…。
それで…鳴海たちが押収した覚せい剤を流していた事をネタにゆすったとしたら…。
だからあの日鳴海たちは松田を呼び出し…。
正当な捜査行為に見せるため現場を偽装した。
このまま…闇に葬られてしまうのかしら…。
いや…逃げている通り魔を逮捕さえ出来れば…そいつに覚せい剤が流れたルートを公にする事が出来るはずだ。
なら…薬対課に気付かれる前になんとかしないと…。
ああ。
なんとしてでも見つけ出すわ。
おっ。
風丘先生…どうして…?「どうして」?歯の鑑定書書けって言ったの誰よ?ああ…そうでした。
あ…で鑑定書は?科捜研置いてきた。
ありがとう。
すぐに確認します。
あとバウムクーヘンも置いてきたから。
え…?あ…いつもすいません。
ごちそうさまです。
ううん。
こちらこそ。
ごめんね…。
え…?ちょっと…しゃべりすぎちゃったかも…。
は…?
(乾)マリコさん風丘先生からあの売人の歯の鑑定書…。
これも頂いたよ。
聞いたよ風丘先生から。
その…ケガの事。
え…?すまない…。
私の判断が間違っていた。
父さん…。
それにやっぱりこれは見て見ぬふり出来ません。
私…科捜研に入ってまだ3年ですけどすごく誇りに思ってます。
やっぱり…その誇り捨てたくないです。
これ…山内の部屋にあった毛髪鑑定するんだろ?だけどすごい量だから後回しにしてて。
な〜に。
みんなでやればすぐだよ。
ね?はい。
うん。
そういう事。
やろう。
(一同)はい。
お願いします。
はい。
見つかった毛髪は86本。
そのほぼすべてが同じDNAで山内本人の毛髪だと思います。
その山内以外に3人だけ別人のDNAが確認出来ました。
これはラーメン屋さんのご主人のものでした。
これはその奥さんのものでした。
でも…これだけは今のところ…わかってません。
今DNAのデータベースで調べてもらってます。
マリコ君1本だけ不明だったDNA。
前科があったよ。
(日野)「覚せい剤取締法違反
(所持・使用)」で前科3犯。
覚せい剤の常習者ですね。
山内の部屋にこの渡辺って男の指紋は?ありませんでした。
って事はこの男の毛髪は山内がどこかで付着させてきて自分の部屋に落とした可能性が高いな。
渡辺さんですね。
(渡辺)なんだよ?ここに山内裕也がいるな?こら!
(山内のうめき声)
(山内裕也)シャブはひと月前にやめたはずやったのに…。
フラッシュバックが出たのね。
覚せい剤を絶った後に時々出るという幻聴や幻覚だな。
彼の場合はきっと監視妄想に襲われた。
監視妄想?監視されてるかもしれないっていう一種の被害妄想。
なんでわかんのや?自分に発信機や盗聴器が仕掛けられてるかもしれないって…身に着けているものをいっぺんに捨ててしまう。
典型的な症状なの。
お前この男知ってるな?この売人からシャブ買うてました。
今の供述を調書にする。
署名捺印するんだ。
山内裕也覚せい剤取締法違反の容疑で逮捕する。
おい勝手なマネするな。
こいつは通り魔事件の被疑者だ。
通り魔事件についてもこちらで取り調べる。
それが上の決定です。
行くぞ。
鳴海さん…。
つまりその2人の刑事が横流しした覚せい剤のせいで通り魔事件が発生したというのか?科学鑑定がそれを証明してます。
取り調べの結果被疑者の供述からも裏付けられました。
(ため息)薬対課をどうするつもりだ?覚せい剤の袋に鳴海刑事の指紋が付いていた事は隠ぺいする気です。
それを見逃すおつもりですか?
(ため息)このままじゃ…またもみ消されてしまうかもしれないな。
今度こそ…そんな事させない。
どうする気だ?覚せい剤が流れたルートを証明する鑑定書を書く。
そんな鑑定書いくらでも握りつぶされてしまう。
だったら…握りつぶされないところに持ってって。
ん?出来るわよね?土門さんなら。
(佐久間)覚せい剤に君の指紋が付いていた。
しかもそれは過去にうちが押収したはずの覚せい剤だというじゃないか。
それが押収済みの覚せい剤なら私の指紋は押収した時に付いたんだと思います。
ふざけるな!一致したのはこの覚せい剤だ。
5年前に押収されて廃棄処分されたはずのものだ。
(原)5年前なら君らはまだうちの刑事ではなかったな。
取引の摘発現場で売人を死なせた。
それだけでも大事なんだ。
それをなんとか事故で処理しようとしたのに…。
これが露呈すれば本部長のキャリアもおしまいです。
ここはひとつ私や彼らの処分を内々で済ませて…。
バカな…。
隠し通せると思ってるのか?覚せい剤に付いていたこいつの指紋。
それさえ知られなければ十分に伏せる事が出来ます。
この期に及んで何を言ってるんだ?いや…そうしよう。
本部長…。
そうせざるを得ない。
わかるだろう?君も組織の人間だ。
失礼します。
なんだ?ノックもなしに。
鑑定書をお届けに参りました。
(国持)鑑定書?なんの?通り魔が所持していた覚せい剤は売人の松田から得たものでありひいては京都府警が過去に押収したものでした。
そしてそれに鳴海刑事の指紋が付着していた。
それらを科学的に裏付けた鑑定書のコピーです。
送検資料に加えてください。
何を言ってる?こんなものなくても山内の送検ぐらい出来る。
それは…鑑定書のコピーだと申し上げたはずです。
原本は先ほど京都地検に届けました。
隠ぺいしても山内を送検した途端検察官がそれについて山内を取り調べるでしょう。
君たちはどうかしてる!俺にはあなた方のほうがどうかしてるように見える。
山内の送検前に…真実を発表すべきではないですか?警察が隠したそれを検察に暴かれるような事になったら事は京都府警の話だけでは済まなくなりますよ。
土門覚せい剤取締法違反で鳴海刑事を逮捕だ。
はい。
もう2〜3日ゆっくりしていけばいいのに。
やっぱり…警察は頼りになるわねぇ。
2人はそういうお仕事してたのよね。
わかってたはずだったんだけど我が身に降りかかって初めて実感するなんて…。
あそうそう。
これありがと。
こんなにキレイに傷が治るなんて。
京都には腕のいい職人さんがいるから。
あぁ。
あぁ…あの…ホームまで送っていくよ。
お仕事に行く時間でしょ2人とも。
大事なお仕事なんだから。
ね?はい。
じゃあね。
気を付けて。
よいしょ…。
お…よいしょ。
またね。
「二度とこのような事を起こさないように警察内の規律を正すとともに今回の不祥事について謝罪させて頂きます」千本通りでひき逃げ事件だ。
被害者は?病院に運ばれる途中死亡。
遺体は洛北医大。
担当は風丘先生ね。
解剖に立ち会ってきます。
美貴ちゃん。
はい。
現場周辺からNシステムの映像検索。
はい。
街頭カメラやオービスも調べます。
日野君乾君は現場のタイヤ痕で車種を特定。
了解。
はい。
急ブレーキだとタイヤ痕残るはずだよね。
でもABS搭載の車だったら残らないかも。
あ…所長も現場で車の塗膜片の採取を。
おう。
2015/06/22(月) 16:00〜16:58
ABCテレビ1
[終]新・科捜研の女4[再][字]

「マリコ殉職!?葬られた弾道鑑定」

詳細情報
◇番組内容
京都の科捜研研究員(沢口靖子)が主人公のミステリー!科学を武器に微細証拠から真相を解明していきます。様々な科学捜査をお楽しみに!
◇出演者
沢口靖子、内藤剛志、若村麻由美、加藤貴子、斉藤暁、泉政行、小野武彦、田中健 ほか

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz

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