花燃ゆ(25)「風になる友」池田屋事件で新撰組と死闘! 2015.06.21


久坂玄瑞らは下関で攘夷を決行。
しかし過激な攘夷を嫌う勢力は会津薩摩の力を借り長州を京から追放した。
(晋作)こんどん底の長州を復活させるために俺たちが立つ。
高杉晋作は京で久坂らと共に再起を誓い合った。
しかし…。
萩に戻った晋作は脱藩の罪で捕らえられ野山獄に投じられる事となった。
突然重役に取り立てられたと思うたら今度は獄の罪人か。
まことに面白い!・
(久子)お若い方。
壁の文字には傷をつけないで下さいね。
そこは吉田寅次郎様のいらっしゃった牢です。
先生…。
(文)高杉さん。
京で久坂に会うたぞ。
無事でしたか?
(晋作)ああ。
久坂と稔麿は京に潜伏し復権の時を見定めると。
何か私に力になれる事はございませんか?これを京の久坂に。
急ぎ藩に京の情勢を報告し来島の暴走を止めるよう手紙を書いた。
分かりました。
すぐに届けます。
すまんの。
久坂と稔麿が命を懸けて潜伏しとる時に…。
そねな事…。
(足音)
(雅)らしくないですわよ晋様。
雅…。
ようご無事で帰られました。
お子ができました。
子が?お手を。
あなたのお父上はご立派な志を貫こうとなさってます。
獄につながれようと恥じる事など何一つありませんよ。
そうでしょう?お父上様。
ああ。
そうじゃ。
そうじゃ。
(久米次郎)母上!おっ。
ほれ味見。
ほぉべたほろけます!久坂家の養子となった久米次郎は久坂家が家を構えるまでとの約束で引き続き寿が小田村家で養育していた。
(寿)文。
話が。
はい。
(寿)美鶴様に空き家を紹介して頂きました。
ちと手狭ですがうちからも近いし久坂家を構えるんにええかと。
さすが姉上…。
あんたがぼやぼやしとるからよ。
久米次郎を養子にしたからにはいつまでも実家に甘えて居候しとる場合やないでしょう。
はい…。
母上!
(2人)はい。
兄上が久米次郎をいじめました。
ちいと投げられただけですぐ泣きよる。
久米次郎。
あんたは久坂家の跡取りですよ。
じゃあ強うならんといけんね。
ほれ!兄上を投げ飛ばしてきんさい!
(篤太郎)行くぞ。
とても姉上にはかないません。
当たり前です。
新入りは謙虚に学びなさい。
ええと思いますよ。
女が夢をみても。
えっ?久坂様と久米次郎と暮らす家の事考えてごらんなさい。
長州藩士は京への立ち入りを禁止されていたが唯一長州藩邸の中は幕府も手を出す事ができず尊皇攘夷派の脱藩浪士たちの住みかとなっていた。
(桂)久坂。
高杉からの手紙じゃ。
野山獄に投獄されたそうじゃ。
(玄瑞)高杉が獄へ?ああ。
藩内の進発派を抑えられる者はもはや周布様だけじゃ。
時が来る前に来島様に動かれては…。
ここのところ京でも長州を支持する浪士たちが騒ぎだしとる。
今騒ぎを起こされては困る。
俺は宮部鼎蔵殿に会ってくる。
はっ。
私は周布様に急ぎ書状を。
(稔麿)久坂さん!どねぇした?ようやく動きました。
動いた?会津薩摩の結束が崩れたんです。
朝廷に従えんと申すか!?薩摩に帰らせてもらう!帰るなり何なりお好きにされよ!
(稔麿)我らを阻む薩摩らの備えが手薄になりました。
これで朝廷を味方につける事も。
稔麿…今か?はい。
今です久坂さん。
必ずお殿様を説得する。
僕は京に残ります。
久坂さんが戻ってくるまでに志士たちをまとめます。
頼んだぞ。
そねな難しい顔せんと。
4人で誓うたじゃありませんか。
今こそ猛々しくいきましょう。
おお!
(滝)久坂さん何て?山口に戻るから親子3人で会いたいと。
(亀)あら〜。
兵を率いて京に向かうと。
戦になるっちゅう事でしょうか?
(百合之助)早う支度して行っておやり。
ほら。
差し入れを詰めます。
久坂さんのお好きなお漬物も。
着物も!あっ替えの草履も!
(梅太郎)久坂殿に手紙を書く。
待っちょれ。

(テーマ音楽)・「愚かなる吾れのことをも」・「友とめづ人はわがとも友と」・「吾れをも友とめづ人は」・「わがとも友とめでよ人々」・「吾れをも」・「友とめづ人は」・「わがとも友と」・「めでよ人々」・「燃ゆ」長崎の伊之助は戦に備え武器を調達すべくトーマス・グラバーと面会していた。
(伊之助)小銃に大砲弾薬最新式のものを買い入れたい。
(トーマス・グラバー)敵である長州に武器を売る国があると思いますか?いくらお望みですか?50万ドル。
(剛蔵)50…!?軍艦5艘は買えるぞ!吹っかけおって。
交渉を続けましょう。
いつまた異国が攻めてくるか分かりません。
日本国内で孤立した今何としても長州を守る手だてを考えなくては。
分かっちょる。
しっかしまさかお前が藩の中枢から外されようとは…。
くさっとる暇はありません。
どこにいようとも今やるべき事をやらねば。
母上は行かれんのですか?私は行きませんよ。
お父上が山口でお待ちですよ。
嫌です。
久米次郎。
これからあなたの母は私です。
父上は久坂の叔父上です。
お父上あなたに会いとうて待っちょるんよ。
(敬親)久坂。
どういう事じゃ?兵を率いて京へ向かうはあくまで長州の覚悟を示すため。
我らを阻む薩摩らの備えが手薄になった今なら戦にならず朝廷を味方につける事ができます。
必ずや長州の汚名をすすぎ日本国の政に復帰させます。
殿!今こそ立つ時でございます。
(福原)ご決断を!元徳。
お前はどう思う?進発を叫ぶ者たちも京へ向かえば気が晴れましょう。
戦をしに行くのではない。
あくまで長州の汚名をすすぐため。
ならば今この機会を逃すべきではないと。
殿!そうせい。
(一同)はっ!一方京の稔麿は…。
皇族の中川宮が八月十八日の政変を企てたと?間違いありません。
天子様の大和行幸を阻止しようと薩摩会津と共に長州藩を京から締め出したのです。
あの時我ら長州のえん罪を天子様に吹き込んだんは中川宮やったという事か。
回想天子様の大和行幸は延期!三条実美ら七卿は参内を禁ず!何言うちょる!?
(薩摩藩士)控えんか!かしこくも天子様のご沙汰じゃ!その日は元治元年6月5日。
尊皇攘夷派の浪士たちが京の旅館池田屋に集まっていた。
中川宮を討つ?三条公からも激励の文を頂いた。
諸藩の有志は皆長州の味方だ。
お待ち下さい!近いうちに長州から兵が出ます。
その前に京で事を起こしては天子様への嘆願もかなわんようになる。
どうか久坂が兵を率いて京に着くまでお待ち下さい!久坂玄瑞が…。
松陰先生が最も期待を寄せた男です。
宮部殿は松陰先生のご盟友でしたな。
ああ。
一緒に東北を視察して回った。
まさかわしらとの約束を守るべく脱藩までするとは…。
全くむちゃをしおる!先生らしい。
先生が死の直前に残されたお歌です。
「愚かな私を友と思うてくれる人がおるならば私の友も同じように大事にしてほしい」。
ならばここにおる者は皆友じゃな。
うん。
おお。
(足音)宮部殿!古高俊太郎が新選組に捕らえられました!何!?企てが露見する前に古高を奪還せねば!どうする!?僕が新選組を探ってきます!あっ!
(近藤勇)答えろ!長州の者たちと何をしようとしていた?あ…。
(沖田)近藤さん。
待ちくたびれました。
ほかのやつを捕らえてきます。
久米次郎!おなかすいたでしょう。
宿の女将さんがおいしいお汁…。
えっ?久米次郎…。
久米次郎。
久米次郎!久米次郎!あっ…久米次郎…。
待たせたな。
お帰りなさいませ。
まだまだですね…。
母となれるよう努めます。
お殿様からお許しが出た。
数日中に兵を率いて京に向かう。
戦になるんですか?あくまで天子様への嘆願のためじゃ。
戦にはせん。
心配すんな。
よかった。
ずっと…戦になったらどねぇしようって…よかった…。
せわぁない。
あっみんなから手紙を預かってまいりました。
はい。
(玄瑞)お父上から…。
(百合之助)「久坂殿。
父としてお主を誇りに思う。
大義を果たし無事帰ったあかつきにはまあとりあえず風呂にでも入ってそのあと孟子でも論じながら一杯やろう」。
(滝)「久坂様。
どうかご無事で。
どねな時も母は萩であなたを待っちょりますからね。
あっあまり文とケンカせんようにね」。
(亀)「久坂様。
近頃2階の押し入れの立てつけが悪うて男手が足りずに難儀しちょります。
旦那様もお父上もまるで頼りにならんけぇ早よ帰ってきてつかぁさい」。
(梅太郎)「久坂殿。
ちいとしかないが路銀を送る。
遠慮はするな。
破天荒な弟の扱いには慣れちょる。
頼りない兄じゃが存分に頼ってくれ」。
実の兄以上に…実の親以上に甘えさせてもろうた。
皆うれしいんですよそれが。
家族なんですから。
お前が俺に家族をくれたんじゃな。
母上…。
(小声で)起きてしまいますから。
庠序学校…。
村塾で孟子を習っとるの。
「庠序学校を設け為してもってこれを教う」。
久米次郎。
久坂の家を頼むぞ。
京都炎上じゃと?新選組のやつらが町で触れ回っちょります。
我らが京の町を焼き混乱に乗じて天子様を長州にさらおうとしとると。
また途方もないでっちあげを!新選組が迫っとります。
ここにとどまっとっては危ない。
宮部さんたちに知らせてきます。
御用改めである!近藤さん。
下をお願いします。
(小声で)宮部さんたちに知らせてきます。
(小声で)待て。
藩邸に助けを求めに。
ああ〜!回想
(稔麿)「愚かなる吾れをも友とめづ人はわがとも友とめでよ人々」。
(宮部)ここにおる者は皆友じゃな。
うわ〜!どねぇした?桂さんは藩邸へ。
僕は戻ります。
何を言う!間に合わん!宮部さんたちがやられてしまう!今戻ればむだ死にじゃ!行きます。
吉田!桂さん。
僕は先生に背を向けたんです。
あれが先生との最後やった。
ずっと負い目があった。
やから僕は表舞台には出んと。
皆を支える目には見えん風でええと。
じゃがそれはしまいじゃ。
僕はもう逃げん!待て!桂さん。
あなたは新しい国をつくる人です。
後を頼みます。
吉田!何か今日はえろう風が冷たいのう。
ええ。
(九一)久坂さん!入江さん…皆さん。
どねぇしたんですか?京で一大事が起きました!一大事?
(九一)京の池田屋で長州に味方する志士たちが新選組に襲撃されました。
肥後の宮部鼎蔵様は自刃。
稔麿は…。
会津…。
通せ。
お主長州の者だな?長州め。
京の町を焼き天子様をさらい奉るなど!町を焼き民を巻き込むなんぞ志ある長州男児はそねなひきょうなまねはせん!うわ〜!ああ〜!高杉さん…入江さん…久坂さん…。
見たか…。
回想松陰先生が果たさんとした志を我らで!猛々しく!俺は死なん…。
お前らがおる。
志は…死なん。
稔麿さんが…。
稔麿が…死んだ?
(前原)志半ばで…悔しかろうに。
(寺島)許せん…会津め。
(赤禰)長州を京から追い出したばかりじゃ飽き足らず!
(靖)敵を討ちましょう。
稔麿さんの!
(品川)そうじゃ会津を討つんじゃ!
(彦介)わしらでやるんじゃ。
戦じゃ!戦じゃ!戦じゃ久坂さん!頭を冷やせ!忘れたか!?我らは戦をしに京に行くんではない!いっときの情につられては事を仕損じる。
稔麿の死もむだになる。
来島様を抑えねば。
ご重役のところへ行ってくる。
入江。
出立を前に皆が暴発せんように頼む。
はい。
(すみ)今日は3人並んで寝よう。
子どもの頃みたいに。
すみ。
これを。
塾生からの香典じゃ。
稔麿のお身内に。
はい必ず。
戦にはならんですよね?帰ってきてくれますよね。
約束はできん。
俺は松陰先生を守れんかった。
じゃから今度は守る。
命を懸けて久坂さんを守る。
靖。
俺に何かあったらお前は生きるんやぞ。
はい。
志はいつも兄上と共に。
さあ夜通しすみの好きな怪談話でもしてやるか!怪談は嫌いや言うたでしょ!ご重役の方々はどうでした?進発派が激高しておった。
戦も辞さずと。
せわぁない。
俺が止める。
冷たい男やと思うか?友より政と。
あなたのお立場では心の内隠さねばならん事もおありでしょう。
稔麿の事を考えとった。
昔から熱うて頑固で誠実で志高くまっすぐに国を思うて…。
俺の力になるために京に来た。
俺の代わりに死んだようなもんじゃ。
許せん。
許せん…憎い…。
あいつらが憎い!敵を取る。
戦になっても構わん!この命と引き換えにしても殺す。
俺が殺しちゃる!敵じゃ…稔麿の敵じゃ…。
稔麿さんらしいですね。
最後までお仲間を思うて…。
あの人はいっつも優しく家族思いで弱い者と同じ目の高さで国をようしたいと…。
どうか描いてつかぁさい。
あなたと稔麿さんがつくろうとした国の姿を。
私には夢があるんです。
夢?いつかあなたと久米次郎と構える久坂の家です。
こぢんまりとした家でええから離れには塾を。
塾?ええ。
あなたが教えるんですよ。
読み書きや学問を。
久米次郎や近所の子たちや学びたい人たちに。
人に教えるんは向いとらん。
フフッ…寅兄も最初はそう言うとりました。
あなたはきっといい先生になります。
一人じゃ務まらん。
一人やなくてもええやないですか。
いつだって戸は開けておいて皆さんにも手伝うてもらいましょう。
ケンカが起こったら仲裁役は入江に任せよう。
文字を教えるんは敏に。
あっ高杉さんにも手伝うてもらわんと。
あいつは使えん。
まあ三味線でも弾いてもらうか。
久米次郎の下に弟や妹もおるかもしれんな。
おったらええですね。
杉家に負けんくらいたくさんの子が。
あなたに似た聞かん気の男の子や…。
お前に似た出しゃばりな娘っ子や…黒船に乗り込むような破天荒なやつもおるかもしれん。
ええですねにぎやかで。
誰でも自由に志を立てられる。
絵描きになりたい者は絵描きに。
武士になりたい者は武士に。
お前がばあさんになっても相変わらず握り飯握って人と笑うて暮らせるような…そねな世の中が…そねな国がつくれたら…。
つくれます。
あなたなら。
ああ。
そこにあなたはおりますか?ああ。
ああおる。
俺は死なん。
せわぁない。
俺はお前と共に生きる。
一つ頼みがある。
はい。
お前の笑うた顔を見て行きたい。
フフッ…やり過ぎじゃ。
(笑い声)せわぁない。
きっとすべてうまくいきます。
これからもそうしとけ。
元治元年6月。
久坂ら総勢1,500名の長州勢が京に向かって出発した。
旦那様。
久坂玄瑞様!行ってらっしゃいませ…。
ただまっすぐに御所を目指す!帰ってくるからね。
必ず。
そしたら親子3人で暮らそう。
京都三条小橋のたもとにあった旅館池田屋。
攘夷派の志士たちが30人以上集まっていたところを新選組が襲撃しました。
死闘は2時間にも及び多くの志士が討ち死にしました。
この時24歳という若さで命を散らした吉田稔麿。
松下村塾四天王の一人と称された逸材でした
稔麿の遺品となった紙入れ。
そこには奇才と呼ばれた稔麿の自分に対する戒めの言葉が書かれています
稔麿が詠んだとされる辞世の句には志半ばで倒れる無念さがにじみ出ています。
非業の最期を遂げた吉田稔麿。
その死は長州藩に伝えられ大きな衝撃と悲しみを与えたのです
2015/06/21(日) 20:00〜20:45
NHK総合1・神戸
花燃ゆ(25)「風になる友」池田屋事件で新撰組と死闘![解][字][デ]

養子を迎え母となった文(井上真央)は夫の玄瑞(東出昌大)と再会し、親子三人での生活を夢見る。しかし京都で吉田稔麿(瀬戸康史)が新選組に襲われたと知らせが入り…。

詳細情報
番組内容
脱藩した罪で、高杉晋作(高良健吾)が野山獄に投獄される。そこはかつて吉田松陰(伊勢谷友介)が在りし日を過ごした牢だった。そして晋作の罪の余波で、小田村伊之助(大沢たかお)も長崎に左遷される。その頃、伊之助と寿(優香)の次男・久米次郎を養子に迎え、母となった文(井上真央)は、夫・久坂玄瑞(東出昌大)との親子三人での生活を思い描く。だが、そこに吉田稔麿(瀬戸康史)が新選組に襲われたという知らせが来て…
出演者
【出演】井上真央,大沢たかお,東出昌大,高良健吾,北大路欣也,原田泰造,優香,久保田磨希,森永悠希,瀬戸康史,佐藤隆太,要潤,大野拓朗,音尾琢真,鈴木伸之,阿部亮平,内野謙太,冨田佳輔,檀ふみほか
原作・脚本
【脚本】大島里美

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
ドラマ – 時代劇

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
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