目撃!日本列島「我ら70代 白球にかける」 2015.06.21


おじいちゃんになっても輝き続けている人たちがいます。
おらいった!入った!入った!入った!70代の今も現役の古希野球の選手たちです。
年齢を感じさせない軽やかな守備。
いつもフルスイングに全力疾走。
バカ野郎ってのは誰だ!バカ野郎って言ったの今!真剣なあまりケンカになる事も。
前立腺のがんの手術のまあ適応もあるんですけど…。
しかしそうはいっても70代。
病が襲いかかります。
体は思うように動きません。
厳しい現実と向き合いながら生きています。
OK!ナイスバッティング!いつまでも青春。
白球を追い続けるおじいちゃんたちの物語です。
はいいくよ!群馬県は70歳以上の野球選手が900人。
日本一の数を誇ります。
イチニ!イチニ!イチニサン!全国大会出場を狙う県内有数の強豪です。
イチニ!イチニ!イチニサン!整列!礼!全員が70代。
往年のヒーロー王長嶋と同じ世代です。
メンバーは皆がんや高血圧など持病を抱えています。
この選手は糖尿病と闘っています。
血糖値を下げる注射をうちながら練習に励みます。
今年の目標は古希野球日本一。
まずは5月に行われる県大会優勝を目指します。
(一同)おお〜!これで一回拭いてそのあとねチューしてもいいよ。
チーム最年少の70歳金井薫さん。
笑顔を絶やさず周りにいつも仲間が集まる人気者です。
小柄ですががっしりとした体型。
打率5割を超える強打者でチームに欠かせない頼もしい存在です。
野球との出会いは工場で働いていた二十歳の時。
近所の大会に参加したのがのめり込むきっかけでした。
試合を見ていた女性から「すてき」と告げられたのです。
その女性が妻のあや子さんです。
いつまでもかっこよくいたいという思いが野球を続ける原動力でした。
そんな金井さんが今人生の岐路に立たされています。
金井薫さん。
はい。
お待たせしました。
こちらへどうぞ。
今年2月前立腺にがんが見つかったのです。
この日金井さんはがんを手術で取り除くか女性ホルモンの投与で抑制するか治療法の選択を迫られました。
ですからあとはそれが野球にどう影響するかは多少個人差があると。
はい。
手術をすれば5月の大会に出られない。
しかしホルモン治療では筋力が落ちてしまうというのです。
そうなんですか。
迷った末ホルモン治療を選んだ金井さん。
じゃあすみません。
ちょっと痛いです。
以前のようには野球ができなくなるという不安に襲われていました。
金井さんの励みはいつもキャッチボールをする鈴木幸一さん72歳。
10年以上同じチームでプレーする親友です。
2年前試合中に肩を痛め今はボールを下からしか投げられません。
さあみんな声出していこう!控えの選手ですが誰よりも大声を張り上げチームを鼓舞します。
練習は一度も休んだ事がなく常に全力プレー。
おお〜!いや〜今の幸ちゃん…。
撮った?ナイスキャッチ!ナイスキャッチ!鈴木さんがこの2年間続けている事があります。
練習で真っ黒に汚れたボール。
家に持って帰り毎日きれいに磨いているのです。
一個にかける時間は10分。
せっけんを使って丁寧に磨き上げます。
かつては強肩で知られた鈴木さん。
もう一度ボールを全力で投げる夢を諦めた訳ではありません。
2年間毎日続けてきた壁当て。
試合で活躍できないもどかしさをぶつけてきました。
何人もの医者を訪ねましたが「70で治すのは難しい。
野球をやめた方がいい」と相手にされませんでした。
それでも決して諦めない鈴木さんを妻の方子さんが支えています。
会えなくなるだんだん。
そうするとね…5月の県大会では何としてもグラウンドに立ちたいと願っています。
がんが見つかって2か月。
金井さんは治療の副作用で筋力が衰えいつものようなプレーができなくなっていました。
ほれほれほれ!立っている事さえつらく練習中に座り込む事もあります。
(笑い声)思うように動けないいらだち。
とうとう医者に禁じられていたタバコを口にしてしまいました。
しかし同じように病気と闘う仲間たちは許しません。
仲間たちの言葉が胸に刺さります。
週2回の練習に出ない日も増えました。
毎日続けてきた一日100回の素振りももう2か月していません。
全国大会の予選まであと1週間。
この日肩を痛めていた鈴木さんが仲間たちに訴えました。
はい。
じゃあどうも…。
え〜っと今日がですね正式な練習日が最後で…。
自分の肩が試合で使えるかどうか見てほしいというのです。
みんな悪いんだよ。
いいね!2年ぶりとなる上からの投球。
そうだね。
いつも下積みで支えてくれた鈴木さんを仲間たちが温かく見守ります。
その点が一番偉いよ。
よく頑張ったよここまで。
よくここまでなったよね。
逆境から再び立ち上がってきた親友に刺激を受けた金井さん。
やめていた一日100回の素振りを再開しました。
5月14日。
全国大会の切符を争う古希野球の県大会が開幕。
26チームで優勝を争います。
初戦。
主砲の金井さん。
入った!入ったか?入った!入った!入った!スリーベース2本を含む3安打。
気持ちで体を動かします。
鈴木さんはスタメンを外れベンチで仲間をサポートします。
快勝した西毛安中クラブ。
その後も勝ち続けます。
OK!やった!大丈夫か〜?おい前立腺のがんがはじけりゃ困るぞ。
そして迎えた決勝の日。
5番ピッチャーたじまさん。
スターティングメンバーの発表です。
7番キャッチャーきむらさん。
8番レフトたかはしさん。
はい!頑張りましょう!頑張って。
え〜?
(笑い声)ヘルメット忘れずにね。
2年ぶりに守備に就く鈴木さん。
初回いきなり打球が。
(アナウンス)「9番ライト鈴木君。
ライト鈴木幸一君背番号37」。
打席では…。
フルスイング。
お〜しやった!やった〜!やった〜!決勝戦の大舞台で3安打2打点の活躍を見せます。
見たか見たか!試合はお互い点の取り合いになるシーソーゲーム。
連戦で体力が限界に来ていた金井さん。
気力を振り絞ります。
イエ〜イ!イエ〜イ!チームは最終回に逆転。
サヨナラ勝ちで優勝を果たしました。
やった!
(拍手)どうもありがとうございました。
あれ?決勝戦の翌日。
休みの日にも練習する鈴木さんのもとに金井さんがやって来ました。
それじゃあお願いします。
9月の全国大会で日本一を目指します。
絶える事のない情熱。
青春に終わりはありません。
今日の「サキどり」は2015/06/21(日) 08:00〜08:25
NHK総合1・神戸
目撃!日本列島「我ら70代 白球にかける」[字]

群馬県の70代の古希野球チーム。選手はがんや糖尿病と戦いながら白球を追う。身近に死を感じるからこそ精一杯野球に没頭したいと願う、おじいちゃんの青春物語。

詳細情報
番組内容
ピッチャーは前立腺がん。キャッチャーは胃がん。ファーストは糖尿病…。それでも野球がやめられない。群馬県安中市にある70代の古希野球チーム。炎天下、さえぎるもののないグラウンドでひたすら白球を追う。病気やけがに苦しみ、それでも仲間たちと支え合い野球に没頭する選手たち。老いや死を身近に感じるからこそ、中途半端な気持ちじゃなくプレーに集中する。おじいちゃん野球選手たちの青春物語を伝える。
出演者
【語り】山田孝之

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ニュース/報道 – ローカル・地域

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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