美の京都遺産 2015.06.21


(ナレーション)
学問の神菅原道真をる天満宮の総本社である

神と崇められる前道真は都に災いをもたらす怨霊と恐れられていた
清涼殿の落雷も道真の祟りと人々は震え上がった

その場面を描いた絵である

実はこの絵鎌倉時代に描かれた絵巻の模写である

絵巻のデジタルデータを並べ見比べてみる
優れた観察力と緻密な仕事に驚かされる
この模写を手がけた画家は…
並ぶ者のない模写の達人である
園にある…
5月31日まで林司馬の展覧会が開かれていた
高松塚古墳の壁画の写真を基に描かれた模写である

司馬の模写は彩色の落や壁の汚れも見たままに描く現状模写である

法隆寺金堂壁画の仕事も任された

文字折れ目皺シミ
全て原本そのままに写し取る

作業は精緻を究め1日に描けるのは3センチ四方だけだったともいわれる

思わず指先で触れてみたくなるような立体感
水平に近い角度で見ると凹凸がないことが分かる
神技ですね。
はいひと言で言えば。
実際に今デジタル文化がはやってますけれど人間の手でここまでできるのかと。
模写っちゅうたら物真似って言われるかも分からんけどこの域になりゃ芸術です。

明治39年林司馬は京都市で生まれた
京都市立美術工芸学校から同絵画専門学校に進み土田麦僊入江波光に師事した
昭和11年「帝展」初入選
昭和17年から師の波光の下で法隆寺金堂壁画模写事業に参加
以後数々の模写を手がける

美術学部日本画専攻では上げ写しによる現状模写を学ぶ
林司馬の孫である
(川嶋さん)中国では5世紀の頃に「古画品録」という書物の中に絵を描くための6つの法則がある。
その中に古画をきちんと模写しているかっていうことが出てきますね。
模写っていうのは絵を学ぶための非常に近道っていうことで先人から学ぶんですけれども…。
それ以外にもすばらしい絵画みたいなものを手に入れたいというような例えば大名の命令で模写をさせられたっていうようなこともたくさん残ってます。

司馬が寄贈した模写を含む東洋画の展覧会が開かれている

寺社の絵巻や掛け軸の仕事をするとき司馬は余分にもう一つ模写を作り手近に置くか美大に寄贈した
嵯峨大覚寺

司馬は昭和46年から数年にわたって二人の画家と共に宸殿や正寝殿を荘厳していた狩野派の襖絵を模写した
その仕事は描かれた当時の色彩を再現し新しく作った金箔地に古色を施す古色復元模写である

晩年司馬はこの大学で摸写を中心とした古画の指導を任されていた
(仲さん)であくまでもこれは…この分析結果は機械が判断してるデータなので…。
学生たちは文化財の復元や修復などに生かせる復元模写を学ぶ
司馬は学生たちのために摸写の元絵となる教材を自ら描いた
線描から段階的に画技を学べる肉筆の教材は今も大切に使われている

当時司馬の助手をしていた…
摸写をするにしても絵描きでなかったら…絵が描ける人間にならんかったらだめだっていう言葉を言っておられました。
ただきれいに写す…そういうことではなくって絵描きの気持ちを持ってそのものを読み解くまたは解釈できる。
そういう作家でないとその絵の本質をつかみ取ることができないっていう言葉ではなかったかなと…。

(仲さん)司馬先生の絵を見たときに落とか変色とかというのは経年変化によって自然に起こってきたもので本来描かれた…出来上がった当初からいえば邪魔になるというか経年変化で傷んだ跡ですから。
でもそれは自然と人間の営みの中で使われてきた結果そういう形になってる。
そこの中にも美しさがあるっていうような感じ方をされてたんじゃないかなと思います。
その中に時代時間っていうようなものを感じながらそれらも写し取っていくんだみたいな気持ちを持ち続けないと続かない。

(川嶋さん)摸写っていうものは先人から学ぶものっていう形で決して自分のアート作品を作るということと直結しないのかもしれないですよね。
ですので今の人っていうのはどう世の中に認められるかもしくはどれだけ自分の個性を強いものにしていくかっていうことでやっぱり出力。
絵を描くっていうことに対して出力っていうところにどうも重きが置かれてる。
でも林司馬のあの仕事を見ると全てが入力の絵ですよね。
つまり「入力がないものに対して出力はない」ということからやっぱり出力を急ぐこの世の中にしてみたらしっかりと入力しなさいっていうふうに言われているような気がいたします。

司馬の「出力」
摸写ではないオリジナルの作品である

一本一本の線に手抜きがない
ひと筆ひと筆に緊張感がみなぎっている

画家林司馬
尋常ならざる集中力と忍耐力で数多の古画と向き合い先人の一毛一筆から学び続けた生涯であった

新緑の大原に響く清らかな声明三千院をご紹介します
2015/06/21(日) 06:15〜06:30
MBS毎日放送
美の京都遺産[字]

「画家・林司馬」

詳細情報
◎この番組は…
古都1200年の歴史の中で守り続けられてきた寺社仏閣・祭り・伝統工芸などの中より「美の再発見」をテーマに、ハイビジョン撮影による高画質映像でお送りする「映像美術館」。
 
音楽
久石譲
 
公式HP
【番組HP】

http://www.mbs.jp/kyoto/

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32722(0x7FD2)
TransportStreamID:32722(0x7FD2)
ServiceID:2064(0x0810)
EventID:4899(0x1323)

カテゴリー: 未分類 | 投稿日: | 投稿者: