超絶 凄(すご)ワザ!▽ものづくり革命!?最強接合決定戦ねじVSろう接 後編 2015.06.19


アメリカが生まれた街フィラデルフィアか。
強風や強い衝撃にさらされる巨大な橋。
その構造を何十年も支える技術それが接合だ。
ツタンカーメンのマスク。
これもさまざまな接合技術の結晶だ。
人類が数千年前から研さんし続けてきた歴史ある技術なのだ。
そして今異なる金属をくっつける異素材接合が熱い!例えば車。
鉄とアルミをくっつけたフレームによっておよそ25%も軽量化できる。
自動車の未来を大きく変えるかもしれない。
いい事尽くめの異素材接合。
しかし!不可能とされる組み合わせがある。
それがやわらか〜いアルミと硬〜い超硬合金。
試しに溶接してみると…。
ご覧のとおり簡単に剥がれてしまう。
もしこの両者を強力に接合できれば宇宙船にも活用できる。
ボディーをアルミで軽量化。
その外側を超硬合金に。
頑丈で打ち上げコストも低い宇宙船の出来上がりだ!だからこよいは超硬とアルミの強力な接合に挑戦!ねじの技術で勝負に挑むのは…超硬合金やセラミックスなど硬い素材の加工が得意だ。
高速回転する人工衛星の部品にもそのねじが採用。
こやつ絶対に引っこ抜けない。
迎え撃つのは…はんだ付けでおなじみ溶かした金属を接着剤にしてくっつけるろう接で戦いを挑む。
精密な仕事ぶりを買われ大手企業からの依頼が相次ぐ。
こちらは中にガスを通すポンプ。
僅かな漏れも許されない。
ここにこの会社の技術が。
あの「はやぶさ2」の開発にも使われた。
最強の接合を目指すガチンコバトル。
決着だ!
(拍手)こんばんは。
「超絶凄ワザ!」MCの千原ジュニアです。
今回は接合対決。
異素材金属をくっつけろというテーマです。
今回はいよいよ対決ですね。
今回は決着がつきます。
面白かったね前回。
見た事のない技術のオンパレードでしたね。
今回くっつけて頂くのが非常に硬い超硬合金。
そしてやわらかいアルミと全く違う素材のものなんですね。
今回のルール。
加工が許されるのは先端から僅か10ミリだけ。
ここをねじにするかろう付けするかしてくっつける。
製作期間は1か月。
では今回挑戦する2チームのこれまでの開発をご覧頂こう。
まずは尼崎ブレージングス。
アルミと超硬のろう付けは初めて。
手探りの中挑戦は始まった。
エースの大西武志。
これまで数々の金属をくっつけてきた。
接着剤の役目をするろう材はあらかじめアルミの穴の中にセット。
これを溶かし隙間なく密着させたい。
そのためしっかりと過熱する。
しかし大西の前に温度という壁が立ちはだかる。
ろうが溶け始めるのは580度。
一方アルミは660度。
その差は僅か80度だ。
少しでも加熱時間を間違えればアルミも溶けてしまう。
大西は限界ぎりぎりまで温めた。
しっかりと加熱した事で見事ぴったりと密着。
その接合力は?ガス管の接合にも使える実用レベルまで上げてみせた!一方ねじで挑むのは長浜スクリューズ。
彼らが考えた秘策それは奇想天外なねじ山。
さまざまな検討の末角形にする事に。
こうする事で雄ねじと雌ねじをぴったりくっつけがたつきをなくす作戦だ。
雄ねじと雌ねじ。
それぞれの加工に抜てきされたのはこの2人。
しかし角形にするのは至難のワザだった。
そこを積み重ねてきた技術で見事にクリア!見よ!狙いどおりの角の形。
その接合力は?ろう付けチームを抜いた!更なるパワーアップを目指す!すごいですよね。
ここ1センチだけでこれをくっつけて2.5トン超えてるんですよ。
超えましたよ。
もう限界超えてんちゃうかなと思うんですけど。
そうですよね。
でも皆さんの技術力はまだまだ奥が深いんですよ。
それではねじチーム長浜スクリューズの藤井さん。
定められた期間の中でやれる事は全てやってきたつもりですしあとはもう結果を待つのみと。
昨日もちょっと緊張で寝られなかったんですけど。
昨日も寝れずに。
何かすいませんでした。
一方ろう付けチーム大西さん。
大西さんもたくさんの時間を使って作って頂きました。
(大西)そうですね。
こちらを最優先でやらさせて頂きました。
そうですか。
すいませんでした。
本当にもうありがとうございます。
それぐらい皆さん本気で時間とワザを全てを結集して頂きました。
この時点ではねじの皆さんがややリードしています。
ここからろう付けのチームがどう巻き返してくるのか。
その開発の続きです。
尼崎ブレージングス。
接合力アップのため試行錯誤するも一向に記録が伸びない。
なぜだ?大西は詳しく分析する事にした。
表面を一つ一つ丁寧に調べてみると…。
何やら不自然な凸凹が。
これは一体何だ?正体を探るため大西は更に分析を続ける。
アルミの硬さを測った時ある事実が分かった。
ろう付け後のアルミの硬さを表す数値は57.8。
ろう付け前に比べ硬さが半分近くに落ちていた。
加熱をする事でアルミの組織はやわらかくなってしまう。
これではいくらうまくろう付けしてもアルミ自体が壊れ抜けてしまう。
謎の凸凹の正体はアルミ自体がむしり取られたものだったのだ。
思いがけない問題に直面した大西。
アルミの硬さを戻すため持てる技術を総動員する。
まずはろう付け後に冷たい水につけて冷やす。
こうする事でアルミの組織が収縮する。
しかしここまでは下準備。
まだ硬くない。
大西どうする?これで格段に硬くなるという。
金属同士のつながりがより強固になるからだ。
何とも摩訶不思議。
本当にアルミは硬くなったのか?再び測定。
お見事!硬さが戻った!金属を知り尽くした大西だからこそなせるワザだ!さあその接合力は一体…。
・いくね。
いったね。
こっちも。
どうだ?
(大西)きた!きた!きた!きた!3,035ですか?・はい。
3,035。
何と3トン超え!前回から0.5トン記録を伸ばした。
いざ決戦の舞台!一方ねじチーム。
緊急ミーティングが開かれていた。
行き詰まっていた。
角ねじの記録が伸びないのだ。
実験を重ねる中で出た最低値は何と0.8トン。
どうする?何と角ねじを完全に諦めるという。
目指すのは雄ねじと雌ねじがぴったりはまった山形のねじ。
この形は加工がしにくく隙間ができやすい。
しかしこの難問をクリアするための手法を思いついたのだ。
しかもこれなら壊れる原因となるミクロレベルの凹凸もなくす事ができるという。
一体どうやろうというのか?その答えは何と手!究極の精度を出すには職人の手の感覚に勝るものはないと考えたのだ。
雄ねじ担当の藤井何とピアノ線で削り始めた。
1本に1時間以上をかけ丹念に削っていく。
信じるのは己の指先の感覚のみだ。
一方の雌ねじ担当竹内。
藤井の雄ねじがぴったりとはまる雌ねじを目指す。
土日返上で作ったその数80個以上。
完成した究極のねじ。
見よ!この美しさ!まさに魂の研磨だ!断面を見るとぴったりと吸い付くように組み合わさる雄ねじと雌ねじが。
凄ワザだ!さあ実力は?ええやん。
ええやん。
ええんちゃうん?これ。
どこまで記録を伸ばしたのか!いざ勝負!うん…あれピアノ線で削りはるんですか?そうですね。
それも感覚だけでしょ?そうですね。
感覚ですねもう。
それでも指とか痛いでしょう?
(藤井)ですね。
(藤井)これとこれですね。
てかてかですね。
これもう…。
大事な指紋を…。
うわ!ほんま!さあ一方ろう付け。
ろう付けのチームですけれども。
ついに大台3トンいきましたね。
そうですね。
どうでした?あの数字出た時は。
非常にうれしかったですね。
すごいな〜…。
あの数値に近づけるためにろう材の方も最初当初選んだ物から変更しておりまして。
最初にアルミシリコンという一般的に使われてるろう材を使っていたんですけどもアルミシリコン亜鉛という更に低融点で接合できるろう材ちょっと開発しておりまして早い段階で超硬の方にぬれていくと。
(大西)更に結合力が高くなると。
いや俺ねまさか自分自身がこんなに超硬に詳しくなるとはね…。
さっきまで思ってませんでしたけど…。
なるほど。
そんな両者の完成品を見せて頂きましょう!うわ見たい!それではまずは長浜スクリューズの皆さんお願いします!へ〜…これ見たら何か…ここにすごい技術が隠されてるんですね。
さあ対しますろう付けチームお願いします。
接合部分が違いますね。
接合部分がこれ…。
接合してるのはほんの10ミリですからね。
これ…楽しみな対決やな〜。
さあそれでは対決の幕開けです!対決の舞台がこれだ!名付けて…この中に両者の完成品をセット。
同時に引っ張る。
油圧ポンプを押すごとに徐々に力がかかっていく。
その力は何と最大10トン。
勝負は先に抜けた方の負けだ。
両チームセッティングへ。
ここで立会人を紹介しよう。
大阪大学接合科学研究所の…よろしくお願い致します。
よろしくお願いします。
アルミと超硬の接合というのはどういうふうに思われます?最初話聞いた時は…それぐらい相性悪いんですか?
(中田)2つをもし合わせる事ができれば例えばこすれるような部品として非常に使える可能性が出てくるんですね。
いろんなところへ使える可能性がある。
いよいよ審判の時!ねじチームいかがですか?今の心境は。
もう…もうあとは祈るばかりでドキドキしてます。
さあ対しますろう付けチーム。
はい。
ろう付けの技術がですねねじの技術にどこまで通用するのか非常に楽しみです。
それでは超硬合金とアルミの接合どちらが強くくっついているのかそれでは参ります。
お願いします。
いきますか?さあ最初の力がかかりました。
最初に油圧ジャッキを押していくと0.5トンかかりました。
さあ皆さん状態が気になるようです。
私たちが見ると特に変化はないですね。
びくともしませんね。
いきますか。
はいそれでは次に参ります。
お願いします。
きたきたきた…!動き出しました。
1.5トン近くかかっています。
両者の…。
いきなりくるやん!こんなんやめて〜!まだ大丈夫です。
さあそれでは次に参ります。
お願いします。
あ…どんどん大きな2トン超えました。
うわ〜…いきなりいきすぎやて!一気に2.7トン。
ちょっとパンパンになってますけどね。
さあ一気に力がかかりました。
竹内さんちょっと今胸をたたくしぐさもありましたけれど。
さあ大西さんいかがですか?ドッキドキしますね…。
もしかしたらどちらか続いての圧で動きが出るかも分かりません。
では参りますか?それではお願いします。
さあどんどん力がかかっていく3トン超えました。
3.5トン…。
すげえ!すげえ!3.8トンかかっています。
3.8トン!何と乗用車2台分の重さだ。
すごい!先生からもすごいという自然な感想が漏れましたけどすごいですか?やっぱり。
すごいですね。
すげえ!ねじチームもろう付けチームもしっかりと接合されています。
すごい!大西さんいかがですか?これぐらいの力かかっていますけれど。
すごいですね。
それしか言えないです。
いやいやいやこれ次…。
4トン超えるかというところですね。
竹内さんもう祈りのポーズになっていますけれど今の心の内はいかがでしょう?はい大丈夫です。
藤井さん大丈夫ですか?さあでは皆さん次にいってもよろしいですか?
(一同)はい。
じゃあいきましょう!それでは力をかけます。
お願いします。
ポンッという音がしました。
抜けたか?どちらでしょうか。
どっちだ?・ろう付けが抜け…。
ろう付けチームの接合が離れました!という事で勝者はねじチーム長浜スクリューズの皆さんです!
(拍手)さあ藤井さんお見事!そうですね。
まあドキドキしましたけど良かったですもう…疲れました。
ぐったりされてますね。
残念ながら敗れましたろう付けチーム大西さんこの数値すごいですね!そうですね。
我々のチャンピオンデータが3,700でしたので3,800という時点であ〜…と。
もうだから限界まできてたんすね?はい。
そうっすか。
いやこれはすごいと思いますね。
普通の乗用車がね2台分ぐらいは引っ張れるっちゅう事でね。
日本の中小企業の底力だと思いますよ。
健闘をたたえてお互い握手して頂きたいと思います。
(拍手)すごいっすよねこれ。
ホントすごいっす。
ここで収録は終わり。
しかし一つ気になる事が…。
勝者ねじチームは一体どのくらいの接合力だったのか。
接合力を測った。
結果は何と5トン!開発開始から1か月で2.5倍にアップした。
技術者たちの飽くなき挑戦。
それが日本のものづくりの新しい未来を切り開く。
2015/06/19(金) 16:20〜16:50
NHK総合1・神戸
超絶 凄(すご)ワザ!▽ものづくり革命!?最強接合決定戦ねじVSろう接 後編[字][再]

「最強接合」を目指す対決。実は「アルミ」と「超硬合金」の強力接合は不可能とされている。この超難題に「ねじ」と金属を溶かしてつける「ろう接」が挑戦。今夜決着だ!

詳細情報
番組内容
今回の凄ワザは「最強接合」を目指すガチンコ対決。ものづくりの世界で、柔らかい「アルミニウム」と硬い「超硬合金」を強力に接合することは不可能とされてきた。両者がくっつけば、ものづくりに革命が起きるともいわれる。この超難題に挑むのは「ねじ」と溶かした金属を接着剤にしてくっつける「ろう接」。奇想天外な技を繰り出し接合に挑戦、引っ張る力にどれだけ耐えられるかで勝負する。奇跡の接合なるか、今夜決着だ!
出演者
【出演】挑戦企業…ナイス,トップ精工,大阪大学名誉教授…中田一博,【司会】千原ジュニア,池田伸子,【語り】千葉繁

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – その他
バラエティ – その他

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