MERS:入院患者の無分別な外出が横行

【特集】韓国の病室文化を変えよう
パジャマ姿で外出、点滴打ちながらビビンバを注文

 見舞い客が病院の規則をものともせず、自分勝手に病室に出入りしている問題だけでなく、患者が病院の指示に従わず病室を抜け出すのもまた、韓国の病院文化に根付く悪習だ。今月9日午後、ソウル市九老区の病院の地下1階にある約50席のフードコートには、ある患者がパジャマ姿で点滴を打ちながら、家族と一緒に冷麺を食べていた。原則として、病院に入院している患者は保健上の理由により、病院が提供する病院食だけを食べることになっている。だが、病院も食堂も患者に注意しようとはしなかった。同じ病院の1階ロビーの外では、男性患者がパジャマ姿でたばこを吸っていた。

 ほかの病院も事情は似たり寄ったりだ。同じ日、ソウル市鍾路区のある病院では、30代の女性患者が家族と共にフードコートに現れ、ビビンバを注文した。食堂の店主が「患者はここで食事はできない」と告げたが、家族が代わりにビビンバを注文し、テイクアウトして病室に持って行った。病院側は「患者が外部の食べ物を病室に持ち込んで食べるのを止めるのは困難だ」と話した。患者は病気を治すために入院しながら、外の世界と同じように好き勝手に行動し、病院は見て見ぬふりをしているというわけだ。

 患者たちの無分別な外出・外泊も問題だ。一部の病院は骨折など、感染の危険性が低いと判断される患者の外出を許可している。だが、病院関係者たちは、入院患者が病院の許可なくひそかに抜け出すケースが少なくないと口をそろえた。

 延世大学医学部感染症内科のチェ・ジュンヨン教授は「病院には抗生物質への耐性がある病原菌も数多く存在する。患者たちが病院内にある病原菌を地域社会にばらまく可能性があるため、無分別な外出は自制しなければならない」と指摘した。

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連ニュース