“自民批判”アイドル、市が出演イベントの後援取り消し
今月13日、神奈川県の大和市が後援した市民団体のイベントに出演したアイドルグループの言動をめぐり、市が後援の取り消しを決定する異例の事態となっています。さらに、アイドルグループのもとには脅迫メールまで。一体何があったのでしょうか。
「ダッ!ダッ!脱・原発」
軽快な曲に似合わない社会的な歌詞が会場に響きます。
「それはそれは とても許せないお話 例え例え 国の政策だとしても」(「ダッ!ダッ!脱・原発の歌」、制服向上委員会)
歌うのは、女性アイドルグループ「制服向上委員会」です。これは13日、神奈川県大和市で行われたイベント。改憲に反対する市民団体「憲法九条やまとの会」が主催し、大和市と市の教育委員会が後援しました。
イベントは、「若者と国家―自分で考える」集団的自衛権と題し、元防衛官僚の柳澤協二氏らが講演。その後、アイドルグループが登場し、問題のライブが始まりました。
「辺野古の移設は続けると いったい選挙は何なんだ おぉズサンナその態度 諸悪の根源 自民党」(「Ohズサンナ」、制服向上委員会)
「大きな態度の安倍総理 おじいさんと同じ エリート意識に利権好き お父さんと同じ」(「おじいさんと同じ」、制服向上委員会)
政府・自民党に対し、痛烈な言葉を浴びせ続けます。曲は、脱原発や沖縄辺野古への基地移設反対などをテーマにしたものです。
「制服向上委員会」は1992年にデビュー。これまでにメンバー交代を繰り返しています。グループは中高生中心に編成され、現在、最年少のメンバーは12歳です。曲もデビュー当時に比べ、徐々に時の政権批判が色濃くなりました。メンバーの1人で16歳、高校2年生の木梨夏菜さん。
「こういう思いがあって、それを歌にして伝えているわけで、だからそれに対しても、私たちにどういうふうに思っても、表現の自由だから、全然私たちはそんなに気にはしていないんだけど」(制服向上委員会・木梨夏菜さん)
大和市や九条の会によりますと、イベント後援の申請があったのは2月6日で、3月13日に市が承認しています。
先月、イベントの中身を知った市議会最大会派の自民の市議から、市に対し抗議があったといいます。
「問題なのは、『本気で自民党を倒しましょう』と替え歌で歌っていること。これは政治運動、倒閣運動、反政府運動。運動するのは構わないが、それを市が、行政が後援するのはおかしいのではないか」(自民党・小田博士大和市議)
小田市議は表現の自由には一定の理解を示しつつも、今回は名誉毀損にあたると主張します。
市は九条の会に、中立性が保たれているかを確認。しかし、6月13日の当日、アイドルグループのステージの言動を見て、後援取り消しの検討を進めてきました。25日になって後援取り消しを決め、九条の会に通告しました。
「特定の政党を揶揄する内容が、かなり長い時間を費やしたものとなっており、後援名義の要領に照らして不適切であると判断し、承認を取り消すことといたしました」(大和市役所の担当者)
これに対し、九条の会はこう反論します。
「市民のさまざまな意見を広く知られていくことが、憲法についても何についても意味があると考ているので、市と教育委員会には取り消しをしないでほしいと強く思ってる」(「憲法九条やまとの会」滝本太郎弁護士)
これは、24日、アイドルグループの所属事務所に送りつけられたメールです。
「こいつら全員ぶっ潰す。分不相応な方言は滑稽を通り越して殺意すら生むことを知れ」(所属事務所へ届いたメール)
メンバーの木梨さんは複雑な心境を明かします。
「言いたいことを言えなくなったら本当に終わりだと思う。言いたいことを言えるこの日本が好きだし、戦争を放棄している国も本当に誇りに思う」(制服向上委員会・木梨夏菜さん)
所属事務所は25日、警視庁に相談しました。市民の受け止め方は様々です。
「本人たちがそういう主張するのは良いことだと思う。ただ市の後援だとか、後ろに市がいると主張するのは納得できない」(市民)
「よく知りもしないのに応援すると言っておいて、後で覆すのはあまり良くないと思う」(市民)
「イベントの場で言うのは、言うこと自体は悪くないと思う。ただそれを真に受けてそこまでやるのはやりすぎ」(市民)
「政府の暴走止めるため 子どもの未来を守るため」(「歌える場所があれば」、制服向上委員会)
市は来週、正式に公認取り消しの通知書を送るとしています。(25日23:11)
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