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GW台詞メモ(後編)

全体公開 2015-06-23 16:56:25 39views

うろ覚えGO WEST台詞メモ後編。


前編(http://privatter.net/p/859850)の続き。



ジャッカル「ケイクス!」
ケイクス 「へい!」
ジャッカル「今何回鞭で打った」
ケイクス 「四回です!」
ジャッカル「三回しか聞こえなかった。もっとちゃんと打て」
ケイクス 「へい」
ジャッカル「四回。五回。六回。……いいかケイクス! 朝の六時と夜の六時、この時間の数だけ教会の鐘代わりに悲鳴を響かせろ。それがボスの命令だ。自分があっち側に回りたくなければ、この命令は絶対に守れ。わかったか」
ケイクス 「へ、へい!」
ジャッカル「よーし……六時だ!」
手下たち 「うおー!」
     (天井に向けてなぜか祝砲を撃ちまくる)
ジャッカル「やめろ! やめろー!」
     「なんで!? なんでお前らは六時ってだけで馬鹿騒ぎをするんだ? ……ねえ、なんで!?」
手下(大声)「難しいことはよくわからないです」
手下   「なんとなく、撃ったほうがいいのかなーって」
ジャッカル「意味なく発砲するな。いいな!?」
手下たち 「おー!」
     (再び祝砲)
ジャッカル(走り回ってみんなを止める)
     「やめろ!」
     (一人だけやめるのが遅い手下を腹パン)
手下(大声)「いって!」
ジャッカル「ねえなんで!? なんで意味なく発砲するなって言ったのに発砲するの? 馬鹿なの!? ……ねえケイクスなんで!?」
ケイクス 「今は撃つ場面だなって思いました」
ジャッカル「全然。全然撃つ場面じゃねえ。ただでさえこの教会ぼろぼろで、雨漏りひでえんだから。やめてね? ……わかったか!」
     (祝砲を撃ちそうになるみんなを慌てて止める)
     「ストップ! ……そう。今は、撃つ場面じゃ、ねえ」
手下たち 「おお……」
ジャッカル「正解!」
ケイクス 「正解だー!」
手下たち 「おー!」
     (再び祝砲)
ジャッカル(走り回ってみんなを止める)
     「あー!」
     (一人だけ遅い手下を腹パン)
手下(大声)「いった!」
ジャッカル「お前さっきから一人だけおせえんだよ! ほー! ってやってるから聞こえないんだろ! 俺だけを見てろ!」
     「……まあ確かにさっき俺は、正解! って大きい声出しちゃったけど。銃撃つほどの正解じゃないでしょ? 祝砲を撃っていいのは……もっと、すごい正解のとき! ……大正解のとき! いいな!」
     (祝砲を撃ちそうになるみんなを即座に止める)
     「もう、俺がいいな! とか、わかったか! とか言っても頷くだけでいいからな!?」
手下たち (頷く)
ジャッカル「あー……駄目だー。ちゃんと教えなきゃ。いいかお前ら? この……うわー!?」
     (銃を取り出してみせたところ、みんなから突然銃を向けられて隅まで走って逃げる)
     「こっち向けんな! ……兄貴兄貴!」
     (自分を指差す)
手下たち 「ええ?」
ジャッカル「ジャッカルの兄貴!」
手下たち 「……ああ!」
ジャッカル「なんなんだもう……いいか? この弾は……うわー!? 危なーい!」
     (再び銃を向けられて逆の隅まで走って逃げる)
     「銃下ろせー! ……兄貴!」
     (両手を上げる)
手下たち 「ええ?」
ジャッカル「ジャッカルの兄貴だ!」
     (帽子を取る)
手下たち 「ああ!?」
ジャッカル「なんで今気づいたみたいになってんだ……」
     「ったく、弾だってただじゃねえんだから。まあ、俺たちは周辺の町から奪ってきてるから、ただみたいなもんだけどな」
手下たち 「へへへ」
ジャッカル「でも実際には高いから。無駄に発砲しない。いいな!」
シュドーズ「でもジャッカルの兄貴! パンサー様も、よく意味なく発砲してますぜ!」
ジャッカル「ボスは意味なく発砲なんてしない!」
シュドーズ「いやいやしてますって! なあ? ぐあ!?」
     (腰を撃たれて倒れる)
手下たち 「シュドーズ!?」
パンサー (教会の中に入ってくる)
     「俺は意味なく発砲しない。俺は恐怖を植えつけるために銃を撃つ。俺は今、一発弾を撃った。するとどうだ」
     (手下たちに順番に銃を向けていく)
     「……五人の人間が恐怖した。つまりだ。俺がリボルバーの弾を全て撃ち終わる頃には、三十人の人間が恐怖する」
     「恐怖という感情はとても単純だ。汗をかく。震える。声が上ずる。これらが支配される側のサインだ。俺が作りだした恐怖のサイン、見逃すなよ」
ジャッカル「へい! ……わかったか!」
手下たち 「……へい!」
シュドーズ「た、助けてください……医者……医者に……! ぐあっ!」
     (パンサーに撃たれて死ぬ)
ジャッカル「表へ出せ。……助かったな。医者は先週木に吊るされた。怪我したらもう、助からねえんだよ」
パンサー (窓のほうへと向かい、そこにいた手下をついでに撃ち殺す)
     「だいぶ声が小さくなってきたな。また新しい鐘を探さないとだな」
ジャッカル「……へい」
手下(大声)「兄貴!」
     (外から慌てて戻ってくる)
ジャッカル「なんだ」
手下(大声)「お耳を!」
     (ジャッカルに大声で耳打ちする)
     「たった今、隣町から、馬車が到着しまして!」
ジャッカル「うわー!?」
     (手下を隅に引っ張っていき、勢いよく頭を叩く)
手下(大声)「いった!」
ジャッカル「馬鹿なの!? ねえ馬鹿なの!? 耳打ちの概念打ち破られたわー! お前ら銃撃ちすぎて耳遠くなってんだろ。はいこれ弊害ね!? 銃撃ちまくった弊害! そういうのも含めての、銃乱射禁止だからね!? ……で、なに?」
手下(大声)「ヘイスティングスの娼婦が、インディアンの娘を連れてきまして!」
ジャッカル「インディアンの娘だと? なぜインディアンの娘を」
手下(大声)「なんでも、その娘は、政府の要人の娘だとかなんとか言ってまして!」
ジャッカル「おい!」
手下(大声)「へい!」
ジャッカル「なんでそんな大事なこと大声で言うんだ!?」
手下(大声)「ですから、まずはジャッカルの兄貴にだけ耳打ちをと」
ジャッカル「聞こえまくってんだよ!」
手下(大声)「え!?」
パンサー 「ジャッカル」
ジャッカル「へい!」
パンサー 「その娘の名前は」
ジャッカル「お待ちください。その娘の名前は?」
手下(大声)「ドリューっていうそうです」
ジャッカル「ドリューだそうです」
パンサー 「ジャッカル……。その娘、ここに連れてこい」
ジャッカル「へい。おい、その娘連れてこい」
手下(大声)「は、はい。……あ! ちょっといいですか!? 娘を連れてきた娼婦が、金を要求してますが!」
ジャッカル「金だと……!?」
パンサー 「吊るせ」
ジャッカル「へい。おい。……おい、お前だよ!」
手下(大声)「あっ、そうでしたか」
ジャッカル「その女、吊るせ」
手下(大声)「へ、へい!」
パンサー 「……余計なことを」
     (隣の部屋に向けて発砲。悲鳴が響き渡る)



リチャード「動け……!」
     (ロバの綱を全力で引っ張るが動かない)
ベイブ  「(無駄だよ的な台詞)一度へそ曲げたら言うことなんて聞きやしねえ」
ルコック 「一日中歩き通しだったからね。ロバもよく頑張ったよ」
リチャード「まさか、ここで野宿する気か!?」
ベイブ  「そのつもりだけど?」
リチャード「こうしている間に、お嬢様になにかあったら……!」
ベイブ  「大丈夫だって」
リチャード「なにを根拠に!」
ベイブ  「西部の男ってのは、ゴージャスな女を好む傾向がある」
ルコック 「牛のような女をね、抱きたがるんだ」
ベイブ  「体の大きな牛や、乳の出のいい牛を求める。それが女の趣味にも出ちゃうんだな」
ルコック 「なのでその辺は、ご安心を」
モンキー (地図を眺めながら戻ってくる)
     「やっぱり、轍は西へ続いてるみたいだな」
ベイブ  「ということは、その先にあるのは……」
モンキー 「レキシントン」
ルコック 「ねえ、やっぱり帰ろう? 僕まだ死にたくないよ……」
モンキー 「行こうよ。そこは、助けに行こうよ」
ルコック 「(行こうったってこのメンバーでどうやって助けるんだよ的な台詞)あんた、銃の腕は?」
リチャード「そこそこだ」
ルコック 「こんな戦力じゃ無理だって」
モンキー 「言ってたろ? お父様の感謝の気持ちが弾むって。ドリューを助けて、金貰おうぜ」
ルコック 「ぜって言われてもなあ……」
ベイブ  「本当なの? 本当にあの子の父親、金持ちなの? 金貰えるの?」
リチャード「本当だ」
ルコック 「何者?」
リチャード「……偉い人だ」
ベイブ  「まだなにか隠してるぞこいつ。こんな奴、信用していいのか?」
リチャード「金はある。お嬢様を助け出せたら、私から旦那様に報告する」
モンキー 「……よし! ドリュー救出作戦、練ろうぜ」
ベイブ  「戦わずしていかに勝つか、だな」
ルコック 「任せた」
モンキー 「お前も考えろよ」
ルコック 「僕頭使うの苦手だから」
モンキー 「うーん」
ベイブ  「うーん……寝る!」
モンキー 「ん?」
ベイブ  「頭を使うと腹が減る。今日はもう明日に備えて寝る!」
モンキー 「作ったドーナツ、全部持ってかれちまったもんな……」
ベイブ  「あんなにおいしかったのに……いっぱい作ったのに。こんなに悔しいことはない……!」
ルコック 「食い物のことで泣くなよー。なあリチャードさん、ベイブもこんなに悔しい思いしてるのに今日はもう寝るって言ってんだ。大事なお嬢様とドーナツを一緒にされたくはないだろうけど、(策もなく突っ込んでいっても勝てないんだしみたいな台詞)今日はもう休んだほうがいい」
リチャード(確かにその通りだから自分も休んで策を練ることにする的な台詞)
ルコック 「だよー、うん。だよー」
ベイブ  (いびきをかき始める)
ルコック 「もう寝た!?」
モンキー (少し離れたところでガンアクションの練習を始める)
リチャード(モンキーに近づく)
     「上手いものだな」
モンキー 「ウエスタンショーをしていたからね」
リチャード「本当に、実弾が入っていると駄目なのか」
モンキー 「……うん、多分」
リチャード「ヘタレだと言われていたな」
モンキー 「……ああ。ヘタレだ」
リチャード(自分の銃を差し出す)
     「持ってみるか」
モンキー 「え?」
     (銃を受け取って構えようとするが、激しく手が震えて狙いが定まらない)
     「……くっ」
リチャード(モンキーの手から銃を離す)
     「なにか理由があるのか。……言いたくないならいい」
モンキー 「俺は子供の頃、親父を殺しちまったんだ」
リチャード「親父さんを?」
モンキー 「殺すつもりは全くなかった。あれは、事故だったんだ」
     (銃声と悲鳴。つらそうに顔を背ける)
     「それ以来、俺は本物の銃が持てなくなった。ヘタレと呼ばれたって構わない。人の命を奪うかもしれない銃なんて、持てないほうが幸せだ」
ザッパ  「苦しい言い訳だな。大切な物を守るために、銃が必要なことだってある」
     (縄で縛られたまま岩の陰から登場)
モンキー 「ザッパ!? どうやってここまで追ってきた!」
ザッパ  「ロバの足跡を追ってきた。ほら、俺、足縛られてなかったからさ」
ルコック 「あれ!? 足縛ってなかった!」
ベイブ  「あれ? 足縛ってなかった(寝言)」
ザッパ  「あのさあ! 人縛ったまま置いてくのやめてくれない? あの町、誰もいないんだからさ。あそこにいたら、酒飲めないし? 酒が切れたら、どう足掻いても縄ほどけないし!? ……で、考えたね。一番近くにいる人間は誰だって。そしたらまあ、お前たちってことになるわな? まさかこんなに早く追いつけるとは思わなかったけどさあ!?」
     (モンキーとリチャードのほうに歩いていく)
二人   「うわっ!?」
     (暗闇から突然現れたザッパに驚く)
ザッパ  「縄、ほどいてくれ」
モンキー 「やだよ。自分の命狙ってる奴の縄ほどかないだろ」
ザッパ  「もうお前の命は狙わねえ」
モンキー 「信じない」
ザッパ  「……思い出したぜ。モンキー・バンチ、ジュニア」
リチャード「ジュニア……?」
モンキー 「なんで……誰にも言ってないのに」
ザッパ  「俺はお前の親父さんと同じ、ミシシッピの州兵だった。そしてその中には、パンサーの奴もいたんだ」
モンキー 「パンサーが?」
ザッパ  「詳しく話す。縄を解いてくれ。……頼むよ! 酒飲みたいんだよ!」
     (二人に縄を解くよう迫る)



馬    「ドリュー起きろ!」
ドリュー 「うーん?」
馬    「早く目を開けるんだ!」
ドリュー 「うん。……どこじゃここ!? ていうか誰? どこにいるの?」
馬    「後ろ! 後ろの窓の外!」
ドリュー 「ああ、馬!」
馬    「馬じゃない。ギャ! だ」
ドリュー 「ギャ? なにそれ」
馬    「あんたがつけてくれた名前ですけど!?」
ドリュー 「覚えがない。ていうかなにここ、超男臭いんですけど!」
馬    「しっかりしたほうがいい。あんたは今パンサーのやつに捕まってるんだ」
ドリュー 「ええっ!? なにゆえ!?」
馬    「あんたはあのアバズレにはめられたんだ」
ドリュー 「いったー……!」
馬    「頭が痛いのは、多分頭を殴られて気絶させられたからだ」
     「窓の外を見てみろ。俺の後ろのほうに大きな木が見えるだろ」
ドリュー 「ちょっと待って」
     (身を乗り出して窓の外を見る)
馬    「あそこにあのアバズレが吊るされてる」
ドリュー 「ああ……! なんてこと……」
馬    「あの女はあんたを差し出す代わりに金を要求したんだ。(ドリューが政府の高官の娘だということも伝えてたぜ的な台詞)」
ドリュー 「逃げなきゃ」
馬    「逃げるったって、この町にはパンサーの手下しかいない。無事に逃げ切れる自信なんて俺にはないよ、ぶっちゃけ」
ドリュー 「ヘタレなのね」
馬    「勇気と無謀を混同されちゃ困る。そこんとこよろしこ」
ドリュー 「馬が走らないなんて、ヘタレ以外の何物でもないわ。あ、あなたの名前思いついた」
馬    「ギャ! に決まったけど?」
ドリュー 「それ知らない。そうね、ギャロップ、っていうのはどう? 駆け足って意味なんだけど。つまりは、嫌みなんだけど」
馬    「ギャロップ。……いいじゃねえか!」
ドリュー 「い、嫌みなんだけど?」
ギャロップ「そうだとしても気に入った。ギャロップねえ。いい名前だ。いいかドリュー。俺はあんたのここ一番で走ってやる。それは約束する。だがそれは今じゃねえ。今は頭を使え。相手の行動をよく観察して、ここから抜け出す方法を探るんだ」
ドリュー 「相手を観察、か……。なら、あのポーカーに交ぜてもらうのが手っ取り早いんじゃないかしら」
ギャロップ「え!? あんたさっきボロ負けしてなかったか!?」
ドリュー 「さっきの勝負でコツは掴んだわ」
ギャロップ「勝算が、あるんだな?」
ドリュー 「ええ」
ギャロップ「なら俺にも策がある。耳貸せ!」

手下たち (ポーカーをしている。ギャンブルは面白くてやめられない的な会話)
手下   「頭の芯がかーっと熱くなって、やめられなくなるんだ」
手下(大声)「ギャンブルは本当にこええ」
ケイクス 「ギャンブル、おもしれえ!」
ドリュー 「ねえ、ちょっと!」
手下たち 「ああ?」
ドリュー 「私もポーカーやりたいんだけど」
ケイクス 「お嬢ちゃんが?」
手下(大声)「とんでもねえ人質だな」
手下たち (そんなことがばれたら兄貴に怒られる的な台詞)
ドリュー 「手を縛られたままでもポーカーはできるわ」
手下   「確かに」
ケイクス 「でも賭けるもんがねえ」
ドリュー 「負けなきゃいいんでしょ」
手下(大声)「違いねえ」
ケイクス 「だが負けたときになにももらえないんじゃ、勝負する意味がねえ!」
手下(大声)「大人しく座ってな」
ドリュー 「どうしよう!」
ギャロップ「大丈夫だ、俺に策が……」
ドリュー 「私を好きにしてなんて言えないわ!」
みんな  「え?」
ドリュー 「私が負けたときには、私を好きにしていいなんて、とても……!」
手下たち 「いやいやいやいや」
ケイクス 「いらない。お嬢ちゃんには興味がない」
手下(大声)「まだ子供だしな」
ドリュー 「なぬっ!?」
ジャッカル「ドリュー、聞いて。幌馬車の中の物を賭けて戦うんだ! あくまでも冷静に。いいな?」
ドリュー 「わ、私は冷静よ! なんだ西部め! ばーか!」



ザッパ  (ザッパの過去話。ミシシッピの州兵をしていた頃、パンサーの下にいたザッパは逆らえず、命じられるままに市民を殺していたとかそんな感じ)
     「だが今ならできる。この銃で奴を殺すまで、俺の戦争は終わらねえ……!」
     (残りの酒を一気に飲む)
     「……あ!? ……飲み干しちゃった」
モンキー 「それ最後の一本だぞ!?」
ザッパ  「あちゃー!」
リチャード「二人とも起きろ! 出発だ!」
     (ベイブとルコックを起こしてみんなを促す)



ケイクス 「また負けた!」
手下(大声)「お嬢ちゃんつええな」
ドリュー 「ビギナーズラックってやつかしら」
手下   「あー、負けた負けた!」
ドリュー 「え? もうやめちゃうの?」
手下   「もう賭けるもんがねえ。あとはふて寝するのみだ」
ドリュー 「いいの? ビギナーズラック、ここまでかもしれないわよ?」
手下   「あ?」
ドリュー 「私のツキ、ここまでかもしれないわよ」
手下(大声)「確かにお嬢ちゃんはここまで順調すぎたぜ」
手下   「だが賭けるもんがねえ」
手下(大声)「身ぐるみ賭けちまえ」
ケイクス 「いらねえよ!? お前のくっさい服なんて」
手下(大声)「拳銃賭けちまえ」
手下   「拳銃は駄目だ! これはこの荒野で生きていくためのお守りだ」
ドリュー 「なら、そこの弾薬箱の中の弾を賭けたらどうかしら。私がもらったって使い道ないけど、なんだか可哀想だし?」
手下(大声)「そういえばジャッカルの兄貴が、弾たけえんだぞ~って言ってたな」
ドリュー 「そうね。一発一ドルってことにしてあげる」
手下   「けど、負けたら大変だぞ」
ケイクス 「負けなきゃいいんだ。それに負けたところで、お嬢ちゃんには使い道なさそうだしな!」
     「よーし、もう一勝負だ!」

(ポーカーの歌、レイズその一)

ギャロップ「この後もドリューは勝ち続け、弾薬箱の中の弾を全て手に入れた。それでもツキはなくならず、ついには武器庫の弾も全部自分のものにした」

(ポーカーの歌、レイズその二)

ギャロップ「(忘れた)ドリューはずるずると負け続け、やがて夜が明ける頃には、手に入れた弾も、金も、全て失ってしまうのでした」

(ポーカーの歌、フォールド)

ギャロップ「って駄目じゃん!」
ドリュー 「あー! もう負けた負けた! 持ってけドロボー!」
ケイクス 「確かに俺たちは泥棒だ!」
手下(大声)「それにしても、このドーナツうめえな」
ケイクス 「こんなに贅沢に砂糖と油を使いやがって」
手下   「真ん中に穴なんかあいて」
ケイクス 「ドーナツ、大好きだ!」
手下(大声)「これ全部もらっちゃっていいの?」
ドリュー 「いいもなにも、それも負け分に入ってるわ」
ケイクス 「途中でやめとけばよかったのにな」
ドリュー 「だって……だって熱くなっちゃったんだもん!」
手下   「わかるー!」
ドリュー 「これがギャンブルなのね……」
手下(大声)「そうそう、いいこと言った!」
(夜が明ける)
ケイクス 「さて。そのお嬢ちゃん、鎖に繋げ!」
ドリュー 「え!? きゃっ」
     (抵抗して殴られる)
手下(大声)「できるだけ大きな声出してくれよな」
手下   「声が小さいと、ケイクスの兄貴、余計痛くしなきゃならなくなるからさ」
ケイクス 「お、おおっ、あれ?」
     (時計を確認しようとするが手が滑って落としそうになる)
手下たち (手を滑らせながらもドリューに手枷をつける)
ドリュー 「嫌……お願い、やめて……!」
ケイクス (鞭を鳴らす)
     「時間だ!」
ドリュー 「いやー!」
(銃声)
手下   (駆け込んでくる)
     「敵襲ー!」
ケイクス 「待て! 狙いはこいつだ! ここを離れるな!」
手下たち (銃を抜いて応戦しようとするが手が滑って抜けない)
     「あ!? なんだ!?」
ギャロップ「ドーナツの油で滑って銃が抜けないんだ。狙い通ーり!」
ケイクス 「ドーナツ、大嫌いだ!」
手下   「うわー!?」
     (どこからか撃たれる)
モンキー (窓から顔を出す)
     「ドリュー! 助けにき」
リチャード「動くな!」
     (銃と斧を手に飛び込んでくる)
ルコック 「助けに来ましたよ、お嬢様」
モンキー 「それ俺が言おうと思ってたのに!」
リチャード「大丈夫ですかお嬢様!?」
ドリュー 「うん! もうちょっとで私、あの男に……!」
リチャード「……きっさまあー!」
ケイクス 「違うからね!? 鞭だからね!?」
ベイブ  「この鎖、鍵が必要みたいだ」
モンキー (ケイクスに銃を向ける)
     「鍵はどこだ」
ケイクス 「鍵を持ってるやつは、さっき撃たれて死んだ!」
ルコック 「取ってくる! ……うわー!? ああー……」
     (鍵を探しに飛び出したものの、すぐに銃を突きつけられて戻ってくる)
ジャッカル「銃を捨てろ」
     (手下たちと共に、モンキーたちに銃を向ける)
みんな  (銃を捨てさせられ、捕まったままのドリューの周りに集まる)
手下たち (もぞもぞ)
     「しゅ、祝砲……」
ジャッカル「撃ちたいの? ……いいよ撃って」
手下たち 「え!?」
ジャッカル「祝砲ー!」
     (手下たちと共に天井に向けて発砲)
モンキー 「……あれ? 今全部撃ったよね」
     「いや、撃ち尽くして、この人たちの銃に、弾、入ってなくない?」
みんな  「あ」
ジャッカル「弾入ってる銃は……」
みんな  (リチャードの銃にスポットライトが当たる)
     「ああー!」
ジャッカル(みんなで飛びつくが一歩速く銃を手に取る)
     「危ねえ……! お前ら、急いで弾こめろ!」
モンキー 「この子をどうするつもりだ!」
ジャッカル「その娘をどうするつもりなのかは俺にもわからない。だがその娘、そんななりだが白人だろ。その身一つで結構な値がつくんじゃないか? ……さて」
     (銃を向けるが頑なにドリューから離れないリチャード)
     「その娘から離れろ」
ベイブ  (離れようとするモンキーとルコックに)
     「離れるな! 離れたらすぐ撃たれるぞ! この子の傍にいれば安全だ!」
モンキー 「え!? ほんと!?」
     (三人でドリューの後ろに隠れる)
ジャッカル「お前ら、娘に当たらないように撃てるか」
手下   「やってみます!」
手下   「きっと大丈夫です!」
手下   「多分大丈夫でーす」
手下   「絶対、大丈夫です!」(いい笑顔)
リチャード(ドリューから離れて膝をつく)
     「お嬢様を危険な目にあわせるわけにはいかない。……君たちも早く!」
モンキー 「まあ、そうだよねえ……」
     (怯えながらもドリューから離れる)
ベイブ  「仕方ねえなあ……!」
     (モンキーのあとに続く)
リチャード「ルコック!」
ルコック (最後まで隠れていたが、渋々出てきて三人の横に並んで膝をつく)
ジャッカル「狙え」
手下たち (四人に銃を向ける)
モンキー 「……やっぱりやだ! 死にたくない! なんでもする、なんでもしますから! 俺たち違うんです、芸人なんです! ただのしがない、芸人なんです……! なんでもしますから助けてください! 赤ちゃんが初めてレモン食べたときのまねしますから……! ……はい! しましたから助けてください……!」
ベイブ  「やばいよやばいよ」
ルコック 「ぼ、僕も! アルファベットが言えない人のまねします! エー、ビー、右。エー、ビー、右。はは、視力検査かっての」
モンキー 「西部あるある言いますから助けてくださーい! 西部には、馬が多い……!」
     (※他に「サボテンが多い」と「意外と馬が少ない」バージョンも)
ベイブ  「西部あるある言います! 西部では、鼻毛がとてもよく伸びます……!」
モンキー 「よく伸びます……!」
ルコック 「僕も西部あるある言いたい。西部あるある言いたいよー!」
ベイブ  「言っちゃって!」
モンキー (肘でいけとジェスチャー)
ルコック 「西部あるある言いたい……西部あるある言いたいよー!」(言わない)
手下(大声)「こんな往生際見たことねえ」
ジャッカル「稀に見る悪さだな」
三人   「助けてくださーい!」
手下たち 「うわー!?」
     (突然撃たれる)
ザッパ  (銃を手に悠然と現れ、ジャッカルを殴り倒す。二回も)
ジャッカル「二回……!」
リチャード「助かった」
     (自分の銃を取る)
ザッパ  「モンキー! 鎖の鍵だ」
モンキー 「あいよ!」
     (投げられた鍵を受け取り、ドリューを解放しに行く)
ドリュー 「ザッパかっこいい!」
みんな  「え!?」
ザッパ  「げへへへへ」
みんな  「おえっ……」
(パンサーの手下たちがなだれ込んできて乱戦に)
モンキー (解放したドリューを連れて階上の樽の陰へ)
     「ここに隠れてて」
ドリュー 「あなたは?」
モンキー 「俺も行くさ!」
     (行かないうちに戦闘が終わる)
     「へへーん! ざまあみやがれ! ……そんな目で見ないで」
ザッパ  「うあっ!?」
     (どこからか撃たれる)
みんな  「ザッパ!?」
(手下と共にパンサーが現れて、銃を捨てさせられたりなんやかんやあったけど忘れた)
パンサー 「出てこい」
     (ドリューが出てこないのでおもむろにベイブに銃を向けて撃つ)
みんな  「ベイブ!」
ベイブ  「脚、撃たれた……!」
パンサー (ルコックがいるほうにも威嚇の弾を撃つ)
ルコック 「うわー!?」
パンサー 「出てこないのなら、一人ずつ撃ってくぞ」
ドリュー 「卑怯者!」
パンサー 「卑怯者とは言ってくれるな。果たして俺は、お前の父親より卑怯かな?」
ドリュー 「お父様は卑怯者なんかじゃない!」
パンサー 「将軍でありながら政治にうつつを抜かした北軍の卑怯者、ユリシーズ・グラント」
モンキー 「ユリシーズ・グラント……って、あの大統領のユリシーズ・グラント!?」
パンサー 「そうだ。そいつは大統領の娘なんだ。そうだろう? ドリュー・グラント」
ドリュー 「……そうよ」
リチャード「お嬢様!」
パンサー (ドリューが自分の手の内にあることと大統領への要求はもう伝えてある的な台詞)
     「大統領はただ二つの決定を発表するだけでいい。とても簡単だ」
ドリュー 「そんなこと、お父様が認めるはずがない!」
パンサー 「それはどうかな? 俺はかつて南軍の悪魔と恐れられていた。大統領は、俺が戦争中にしてきたことを知ってる。俺は北軍の捕虜の腕を折り、脚を潰し、顔の皮を剥いで送り返した男だ。そんな男が自分の娘になにをするのか、奴はリアルに想像するだろう。娘を差し出すより、演説することを選ぶはずだ」
ドリュー 「そんなの、許されるはずがない!」
パンサー 「お前がどう思おうが、大統領の発言には影響力がある。南軍の兵士が再び立ち上がるには、十分な力を持つ」
ドリュー 「……くだらない」
パンサー 「なに?」
ドリュー 「くだらないって言ったの。過去にしがみついて、(ちょっと忘れた)戦争から何年経ったと思ってるの!? 南軍の悪魔? 馬鹿じゃないの!?」
パンサー (ドリューが隠れている樽を撃つ)
リチャード「お嬢様!」
パンサー (右腕を押さえられ、もう一発はあらぬ方向へ。腰から左手でナイフを取出し、リチャードの腕を刺す)
ドリュー 「リチャード!」
     (隠れていた樽から飛び出し、パンサーと向き合う)
モンキー 「ドリュー、下がって!」
ルコック 「冷静になるんだ!」
ドリュー 「大丈夫、私は冷静」
ルコック 「え……?」
ドリュー 「パンサー。あなたの銃にもう弾は入っていないわ」
パンサー (ドリューに向けて引き金を引くが、弾切れ)
ザッパ  「いいこと聞いたぜ……! 手を上げろ」
     (パンサーに銃を向ける)
ベイブ  「……すげえなドリュー! よくわかったな!」
ドリュー 「撃った弾の数を数えていて、最後の弾を撃たせるよう挑発してみたの」
モンキー 「やるー!」
ドリュー 「銃を捨てて」
パンサー (銃を捨てる)
ドリュー 「みんなにも言って」
パンサー 「おい、お前ら。銃を捨てろ」
手下たち (銃を捨てる)
ドリュー 「モンキー!」
モンキー 「え?」
ベイブ  「早く銃拾え!」
モンキー 「ああ! ルコック!」
ルコック 「わかった!」
(手下たちをおちょくりながら銃を拾うルコックと、脚を撃たれているのに頑張って手伝うベイブと、ビビりながら一丁だけ運ぶモンキー)
ザッパ  「お久しぶりです、エドワー将軍」
パンサー 「お前……ザッパか!」
モンキー 「はっはっは! ここでお前の悪運も尽きたようだな!」
ベイブ  「よっ!」
モンキー 「悪の花も、散り際だ……」
     (なんかかっこいいポーズ)
ベイブ  「よっ!」
モンキー 「これまでの悪事を、冷たい牢獄の中で散々、ぁ悔やむがいい! こうして、西部の平和は、守られたのだー!」
     (見栄を切る)
ルコック 「おいモンキー、お前も手伝え!」
     (パンサーを鎖に繋ごうとしている)
モンキー 「今いいとこなのに……」
     (渋々手伝う)
ザッパ  「おいモンキールコック! そこをどけ」
モンキー 「え!?」
ザッパ  「こいつは法に裁かせない。俺が今ここで殺してやる!」
モンキー 「ザッパ……」
ザッパ  (酒が切れて体が震え始める)
     「やっべえ……!」
モンキー 「まさか……」
ザッパ  (震えで狙いが定まらなくなる)
パンサー 「お前まだ酒やめてなかったのか」
     「こいつはアル中だ。弾は当たらない。銃を取れ」
ザッパ  「動くな!」
     (腕を固定してパンサーに銃口を向ける)
     「はは、これならいくらなんでも当たるだろ。……パンサー!」
リチャード(突然角材でザッパを横から殴り倒す)
みんな  「リチャード!?」
パンサー 「……助かった」
リチャード「約束が違う」
ドリュー 「約束……?」
リチャード「お嬢様に危害は加えない。そういう約束だったはずだ」
パンサー 「加えちゃいないだろう」
リチャード「お前はさっきお嬢様に向けて銃を撃った!」
パンサー 「単なる威嚇だ」
リチャード「手下に命令しろ。お嬢様に手は出すなと」
パンサー 「……おいお前ら。このじゃじゃ馬には手を出すな」
手下たち 「へい」
パンサー 「手を出したら……殺すぞ」
手下たち 「……へい」
パンサー 「これでいいだろう?」
リチャード「よし」
     (モンキーへと銃を向ける)
     「モンキー、鎖を外せ」
ドリュー 「リチャード、説明して。……リチャード!」
パンサー 「この誘拐劇、元はといえばこいつの提案だったんだ。俺は南軍の兵士の溜飲を下げてやりたかった。で、こいつにはこいつの思惑があった」
ドリュー 「思惑……?」
リチャード「……私には、先住民の血が流れています。母の血です。(リチャードの母親の話。ネブラスカがどうとか)政府は、またしても母に移住を強要したのです! 母は、移住反対運動のさなかに命を落としました。母の死は充分な調査もされず、闇に葬られた」
     (復讐の話。この辺の順番とかだいぶ曖昧)
     「たとえ、お嬢様を利用してでも!」
ドリュー 「それで、馬車での移動をお父様に進言したの」
リチャード「私は恨みを隠し、グラント様が大統領になる前からお傍で働いてきました。よくしてくださったグラント様に恨みはありません。ですが彼もまた、移住政策に賛成している」
ドリュー 「お父様には相談したの? お願いしたの? 話せばきっとわかってくれる……!」
リチャード「何度も何度も! 私たちは裏切られてきたんです! 定住の約束も、ゴールドラッシュで覆された。涙の旅路のことはお嬢様もご存知ですよね? 強制的な徒歩での移住で、八千人もの人間が死んだんだ!」
モンキー 「だからって! なんでこんな奴と手を組んだんだ! こいつは……人種差別主義者なんだぞ!」
リチャード「こいつには組織がある。目的のために、私はこいつを利用しようと思ったんだ」
パンサー 「……さて、歴史の勉強はここまでだ。外してくれ。……外せ!」
モンキー 「くっ……」
     (手枷を外す。直後、パンサーに殴られる)
     「ぐあっ!」
パンサー 「お前ら、銃を取れ」
手下たち 「へい」
パンサー 「よこせ」
     (手下から受け取った銃をベイブに向け、撃つ)
ベイブ  「うわあっ!」
     (倒れて動かなくなる)
ルコック 「……きっさまあああああ!」
     (激昂してパンサーに向かっていくが、手下たちに撃たれて倒れる)
モンキー 「よくも……よくも殺したな……!」
     (同じく向かっていくが、次々と撃たれて力尽きる)
パンサー 「……さて」
     (リチャードに銃を向ける)
     「銃を捨てろ」
     (動かないリチャードを見て、銃をドリューのほうへと向ける)
手下たち (パンサーに倣ってドリューに銃を向ける)
ドリュー 「あ……!」
リチャード「貴様……!」
     (悔しげな顔で銃を捨てる)
パンサー 「俺がお前のような合いの子に、本気で手を貸すとでも思ったのか?」
     (リチャードを殴ったり蹴ったりして転がす)
     「そいつには先住民の血がかよってる。吊るせ」
手下たち 「へい」
     「いい声で鳴きそうだ……」
モンキー 「……待て!」
     (両手をついてゆらりと起き上がる)
パンサー 「しぶといやつだ」
     (銃を撃つ)
モンキー (よろめくが、踏みとどまって笑みを見せる)
パンサー 「なに!? 撃て……!」
     (起き上がってきた三人を弾が切れるまで撃つが、倒れない)
     「なぜだ!? なぜ死なない!?」
ルコック 「俺たちは!」
モンキー 「不死身だからだー!」
三人   (狂気染みた高笑い)
パンサー 「これは……空砲か!?」
モンキー 「かかれー!」

(ここから大乱闘)

ルコック (旗を振り回して戦い、決めポーズ)
     「決まったよ!」
みんな  (拍手)

ドリュー (モンキーのピンチに上からじゃがいも?を落として手助け)
モンキー 「サンキュー、ドリュー!」
     「それにしても、どうやって空砲とすり替えたんだ?」
ドリュー 「パンサーの手下たちとポーカーをして勝ちまくって、馬車に積んでいたベイブの空砲とすり替えておいたの!」
モンキー 「勝ちまくってって……そんなに強くなかっただろ!?」
ドリュー 「あなたたちとの勝負でコツは掴んだわ」
モンキー 「やるー!」
ギャロップ「俺の作戦のお陰なんだけどね」
ドリュー 「私はポーカークイーンよ!」
ギャロップ「俺が相手の手を教えたから勝てたんですけど!?」
モンキー (倒れていた敵が起き上がってきたので逃げる)

(ベイブとドリューの会話)
ベイブ  「脚は実弾で撃たれてるから動けねえんだ!」
ドリュー 「もう!」
     (ルコックを追いかけて手下たちが上がってきたので、じゃがいもが入っていたかごを持って階下へ逃げ、ベンチの上に避難)
     「ねえ!」
     (振り返った手下の一人の頭にかごを被せて押さえる)
ギャロップ「おいドリュー!」
ドリュー 「なに、今取り込み中!」
ギャロップ「ぶっちゃけ、起死回生の一手を思いついたんだけど」
     (ドリューに木箱を渡す)
ドリュー (受け取った木箱で手下を殴る)
     「どんな?」
ギャロップ「ザッパだ!」
ドリュー 「……ああ! ザッパが持っている銃には実弾が入っていたわね!」
ギャロップ「違う違う! ドリューがその銃を持ったところで勝負にはならない」
ドリュー 「じゃあどうすればいいの?」
ギャロップ「あそこ! ドリューが隠れていたところにある樽。あれは酒樽だ。ちょろちょろ漏れている酒を、ザッパに飲ますんだ! あいつを正気にさせれば、ぶっちゃけ楽勝だ」
ドリュー 「なるほど! やってみる」
     (両手で酒を溜めてザッパのところに運ぼうとする)
     「漏れちゃう……漏れちゃう漏れちゃう……ああ! 駄目だ!」
     (もう一度挑戦しようとするがやはりこぼれる)
     「やっぱり指の隙間から漏れちゃう! どこかに器はないの?」
ギャロップ「ドリュー! 酒を口に溜めるんだ!」
ドリュー 「え?」
ギャロップ「酒を、溜めてー!」
ドリュー (言われた通り酒を口に溜める)
     「ん!」
ギャロップ「ザッパの傍まで行って!」
ドリュー (傍に行く)
     「ん!」
ギャロップ「そのまま口移しで飲ませるんだ!」
ドリュー (噴き出した酒が、起き上がりかけていた手下に直撃)
ギャロップ「なにやってんの!?」
ドリュー 「口移しって……それ、キスじゃない!」
ギャロップ「キス? とは違うんじゃないか?」
ドリュー 「初めてのキスがこの人だなんて……ありえねぎし!」
ベイブたち「は?」
ギャロップ「そんなこと言ってる場合じゃない!」
ドリュー 「ええー……」
     (渋々もう一度口に含んで運ぼうとするが、うっかり飲んでしまう)
     「あ、飲んじゃった」
ギャロップ「なにやってんだ!」
ドリュー 「だって……! あー! この辺あっつー……!」
ベイブ  「ウイスキーストレートだからな」
ドリュー 「やっぱり無理!」
ギャロップ「いいじゃねえか、キスのひとつくらい減るもんじゃないし」
ドリュー 「減る! 絶対減る!」
ベイブたち「乙女だね~」
ドリュー (モンキーが追いかけ回されている中、もう一度酒のところへ。しかし口に溜めずにごくごく飲む)
ギャロップ「ドリュー!?」
ベイブたち「飲んでる……!?」
ドリュー 「……ウェーイ!」
ベイブたち「酔ってるー!」
ドリュー 「モンキー!」
モンキー (手下と取っ組み合い中)
     「なに!?」
ドリュー 「さっさと倒しなさいよ!」
モンキー 「無茶言わないでよ!」
ドリュー 「ここにザッパの銃があるわ。この町で実弾が入った唯一の銃よ。これを手に取り、蹴りをつけなさい!」
モンキー 「実弾!? 実弾が入ってるの!?」
     (蹴った手下が窓の外に転落)
     「無理だって、実弾が入ってると手が震えるんだよ!」
ドリュー 「この状況でもまだそんなこと言ってるの!?」
モンキー 「だって……!」
ベイブ  「ドリュー、モンキーは昔、銃で親父さんを殺してしまったんだ」
ドリュー 「お父様を? ……そうだったの」
モンキー 「昔の話さ。親父は、ミシシッピで綿花の農場を営んでいた。知っての通り、ミシシッピは黒人奴隷が多い町だ。必然、奴隷解放に傾く合衆国からの独立論が持ち上がった。俺も子供ながらにきな臭さを感じていたんだろう。親父の銃を持ち出しては、隠れて射撃訓練をしていたんだ」
子モンキー(銃を構えたり戻したり)
ルコック 「うわー!?」
     (手下たちに追いかけられて通り過ぎる)
モンキー 「そんなある日、俺がいつものように射撃訓練をしていると、親父が遠くで男と口論しているのが目に入った。相手の顔は、遠くてよく見えなかったけど、俺は直感で、その男を嫌悪した。そして、男に向かって銃を構えた」
ドリュー 「殺そうと思ったの?」
モンキー 「わからない。でも構えていた。怖かったんだろう。俺の手はぶるぶると震えていた。そんな俺に向かって、親父は、ゆっくりと歩いてきたんだ」
ルコック 「うわー! 邪魔してごめんー!」
父親   (出てきたもののルコックたちに驚いて足を止める)
ドリュー 「ちょっと! 今大事な回想中なんだから邪魔しないで! ……あっ、続けて?」
二人   (頷いて回想を再開)
モンキー 「そのとき、事件が起こった」
     (銃声。身を竦める)
     「俺は血しぶきを浴びた。血で赤く染まる光景から親父がゆっくりと消え、そして、倒れた」
父親   (倒れる)
モンキー 「震える俺の手が、引き金を引いてしまったんだ」
子モンキー「うわあああ……!」
     (膝をつく)
ルコック 「うわー! ほんとごめん! ほんっとごめんね!」
     (パンサーたちに追いかけられて、回想内の二人も巻き込んで逃げていく)
手下   「う、うわー!」
     (気絶していたのでよくわかっていないがとりあえず仲間を追いかけていく)
モンキー 「……それ以来、俺は本物の銃が持てなくなってしまったんだ」
ドリュー 「……そうだったの」
ギャロップ「うーん。なんかおかしいなー」
ドリュー 「ん?」
ギャロップ「さっきモンキーはこう言ってたぜ。血しぶきを浴びた。血で赤く染まる光景から親父がゆっくりと消え、そして倒れた、って」
ドリュー 「それが?」
ギャロップ「ドリュー! モンキーは親父さんを殺しちゃいないぞ!」
ドリュー 「え? なんで?」
ギャロップ「いいから伝えて!」
ドリュー 「えー? できるかなー? 私酔ってるからなー! ……モンキー! あなたは、ヒヒーン! さんを、ブルルッ、ヒヒーンッ! ……ふふっ、まっちがーえたっ!」
     (壁バン)
     「モンキー! あなたはお父様を殺してなんかいないわ!」
モンキー 「えっ、なぜ?」
ドリュー 「なぜ?」
     (なんか独特のポーズ)
ギャロップ「モンキーが親父さんを撃ったんなら、なんで血しぶきが自分にかかるんだ?」
ドリュー 「なんでだろ……」
ギャロップ「じゃなくて、通訳して!」
ドリュー 「ああ……。モンキー! あなたがお父様を撃ったのなら、どうして血しぶきが自分にかかるの!」
ギャロップ「モンキーが撃ったのなら、血しぶきは後方へ行くはずだ! 血しぶきを浴びたってことは、親父さんは背後から撃たれたってことになる」
ドリュー (ギャロップの言うことをジャスチャーで説明)
     「ですって!」
モンキー 「え?」
ギャロップ「通訳!」
ドリュー 「あなたがお父様を撃ったのなら、血しぶきは後方へ行くはずよ! だから、お父様は後ろから撃たれたんじゃないかって!」
ギャロップ「撃ったのは口論の相手と考えるのが正解じゃないか?」
ドリュー 「撃ったのは口論の相手と考えるのが正解じゃないかって!」
モンキー 「そんな……」
ドリュー 「あなたのトラウマ、勘違いなのよ……!」
モンキー 「そんなはずはない。親父は俺のすぐ傍まで来ていた。口論の相手は、顔も見えないくらい遠くにいたんだ。そんな距離から、頭の中心を狙うことなんでできるはずがない」
ザッパ  「そ、そそそ」
ドリュー 「ん?」
ギャロップ「ザッパだ」
ザッパ  「あい、あいつ」
ドリュー 「なに!? ちゃんと喋って!」
ザッパ  「……おさけ。……おさけ、ちょうらい?」
ギャロップ「ドーリュー!」
ドリュー 「い、嫌よ! ……リチャード!」
     (倒れているリチャードのところに行き、体を跨いで立つ)
     「起きなさい!」
     (めっちゃ往復ビンタ)
リチャード「痛い! お、お嬢様」
ドリュー 「あなたってほんとヘタレね! どうしてお父様に相談しなかったの? どうして私に話してくれなかったの? どうして勝手に諦めたの!? 私、あなたを信じてたのよ……! それなのに裏切るなんて!」
リチャード「ご、ごめんなさい!」
ドリュー 「手伝いなさい!」
     (リチャードを引っ張って酒のところへ)
     「この酒を口に注いで。飲んじゃ駄目。口に入れるだけ」
リチャード(言われるままに口に含む)
ドリュー 「こっちに来て」
     (リチャードをザッパのところに連れて行き、押さえつけて無理矢理口移しさせる)
みんな  「おえー!」
ザッパ  「ま、まだ、足りない」
ドリュー 「リチャード、もう一度!」
リチャード「は、はい……!」
ザッパ  「も、もも、モン」
ドリュー 「モンキー! あなたに話があるみたい」
ザッパ  「ぱ……パ、パン」
ドリュー 「パン? なにパン?」
ギャロップ「パンサー、って言いたいんじゃないのか?」
ドリュー 「かもね! ……じゃない、パンサーね! ああもうなにこの通訳! 超ややこしいんですけど!」
     「……リチャード!? 早く来んかい!」
     (なんともいえない顔で渋るリチャードを呼び、再び押さえつけて口移しさせる)
みんな  「おええ……!」
ザッパ  「落ち着いてきた」
     「……パンサーなら、できる」
モンキー 「パンサーが、親父を?」
ザッパ  「お前の親父さんは、奴隷解放派だったんだ。それで、奴隷解放反対派の州兵から抜けることを考えていた。そのことを、パンサーは裏切りだと思っていた」
ギャロップ「モンキーの親父さんを殺したのは、パンサーだったのか!」
ドリュー 「なんてこと……」
ザッパ  「お前は、親父さんを殺してなんかいない」
モンキー 「俺は、親父を殺していない……?」
ザッパ  (自分の銃を差し出す)
     「モンキー。銃を取れ。親父さんの仇を取るんだ」
モンキー (銃を前にためらう)
ザッパ  「……男になれ!」
モンキー (決心して銃を取るが、ザッパの手が離れない)
ベイブ  「なにやってんだ!?」
モンキー 「手を離してくれないんだ!」
ザッパ  「いかん、まだ痙攣が収まらん」
ドリュー 「リチャード」
リチャード「またですか……!?」
     (つらそうな顔をしながらも酒を口に含む)
     (腕を広げて待ち受けていたザッパに口移し。台の上で一周半)
ザッパ  (銃を離す)
     「最高の、気分だぜ」
みんな  「おええ……!」
ドリュー 「モンキー!」
     (銃を拾ってモンキーに渡す)
モンキー (周囲の動きがゆっくりになる。ドリューから受け取った銃を回す)
     「……よし」
     (六人を次々と仕留め、煙の上がる銃口を吹く)
みんな  「モンキー、やるな!」
モンキー (向かってきた手下を続けて撃とうとするが、弾切れ)
     「あー!?」
     「ベイブ、銃!」
ベイブ  「弾こめ中だ!」
モンキー (ルコックから受け取った木製の十字架を剣にして戦う)
     (弾をこめ終わった銃をベイブから受け取る)
     (右手に十字架、左手に銃で再び次々手下たちを倒していく)
     (トラウマを克服して嬉しそうな顔をしていたが、ドリューの背後に迫るパンサーに気づいて銃を向ける)
     「ドリュー!」
パンサー (後ろから腕でドリューの首を絞め、盾にする)
     (台詞もあったはずだけど忘れた)
モンキー 「お前が親父を殺したのか」
パンサー 「お前の親父を?」
モンキー 「モンキー・バンチを殺したのはお前か!」
パンサー 「お前、バンチの息子か」
モンキー 「答えろ!」
パンサー 「そうだ、モンキー・バンチは俺が殺した」
モンキー 「お前……!」
パンサー 「おっと。俺を撃ったらこの娘に当たるぞ」
ドリュー 「撃って! あなたならできるわ!」
リチャード「撃つな! お嬢様に当たる!」
モンキー 「曲撃ちなら慣れてる。ドリューに当てずに、パンサーを撃つ!」
ルコック 「これはショーじゃない。お前が持ってるのは本物の銃なんだ!」
モンキー 「できるさ」
パンサー 「ヘタレな息子に撃てるはずがない」
ドリュー 「ヘタレなのはあなたのほうじゃない! こんな田舎に閉じこもって、いつまでも過去に囚われている! ヘタレもヘタレ、西部一のヘタレ王だわ!」
     (パンサーに首を絞められて呻く)
モンキー 「ドリュー!」
     (銃を構え直す)
みんな  「撃つな!」
ドリュー 「撃って!」
モンキー 「うわああああ!」
(パンサーの悲鳴で暗転)



(大統領の演説が遠くから聞こえる)
モンキー 「ロジャース製119号機、蒸気機関車。スケネクタディ製60号機、蒸気機関車、通称、ジュピター。鎧のようなカウキャッチャーがせり出して、今にも決闘を始めそうな佇まい。あぁー……素晴らしかった……」
ベイブ  「オタクだな」
ルコック 「鉄ちゃんだな」
モンキー 「おっ、ドリューだ」
(綺麗な服着てる的な台詞があったような)
ザッパ  「それにしても、ドリューをかわしてナイフを持つ手を狙うとは、大した腕だ」
モンキー 「へでもねえ」
ルコック 「いつもやってる」
ベイブ  「小道具の銃で、な」
ザッパ  「よかったのか? 親父さんの仇を討たなくて」
モンキー 「いいんだ。法に裁いてもらう。それに、懸賞金もたんまりもらったしな」
(ちょっと順番が曖昧)
モンキー 「なあ、この金で、もう一度ウエスタンショーをやらないか? 三人分の金があれば、旗揚げ費用をまかなえる」
ルコック 「えー、どうしよっかなー?」
ベイブ  「どうする?」
     (二人とも結構乗り気っぽい)
     (きちんとした服装のリチャードを見つける)
     「お、色男!」
モンキー 「よかったな、ドリューに許してもらえて」
ザッパ  「親父さんに黙ってるとは、粋なことするじゃねえか」
リチャード「そのうえ約束してくださいました。移民政策と南軍の待機軍人への配慮を政策に盛り込むよう、大統領に進言してくださると」
ルコック 「けど、いくらドリューの頼みとはいえ、聞き入れてもらえるか……」
リチャード「そのときは、強硬手段に出ると」
(ドリューと大統領がもめて、ドリューが大統領を平手打ちする音)
ドリュー (ドレス姿で走って逃げてくる)
モンキー 「ドリュー!?」
ドリュー 「逃げてきた! お父様ったら、女は政治に口を出すなですって! 全くもう、頭が固いんだから……!」
     (馬車の御者台に座る)
     「行って!」
ギャロップ「行くってどこに?」
ドリュー 「そうね……どこに行きたい?」
モンキー 「えっと、サクラメント?」
ルコック 「その先の、カリフォルニア?」
ベイブ  「海だ!」
ザッパ  「いいじゃねえか」
ドリュー 「早く乗って!」
みんな  (急いで馬車に乗り込む。頭が痛そうなリチャード)
ギャロップ「ドリュー。今はここ一番の場面かい?」
ドリュー 「ええ、そうね」
     「モンキー! どこに行きたい?
モンキー 「そうだな……とりあえず、西へ!」

(RIDE ON TIME)

ベイブ  「なあ、俺たち、大統領の娘を誘拐してることにならねえか?」
モンキー 「ってことは俺たち、お尋ね者かよ!?」
三人   「たまんねえー!」

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