2015-06-24 18:59:45
息子の友達
テーマ：ブログつい先日のこと
五年生になる長男の話
いつも楽しそうに学校に通っている息子ですが
一カ月ほど前からいつにも増して軽やかに通学するようになりまして
聞けば通学途中に友達ができたのだという
通学途中にいつも通る工事現場があって
そこで毎日顔を合わせていた警備のおじさん(65)と仲良くなったのだと
長男には何故だか昔からそういうところがあるのです。
通るたびに挨拶を交わしていると、ある日突然おじさんが
「じゃんけんしょうよ」
と言ってきて
息子はそれに応え、すぐに友達になった
それからというもの毎日顔を合わせてはじゃんけんをしたり、いろんな話をするようになったようで
聞いてもないのに毎日のようにおじさんの話を教えてくれては跳ねるように学校に行くようになりました
ある日仕事から疲れて帰ると
「お父さんサインちょうだい！おじさんマザーゲーム見てるんだって！」
と嬉しそうに言う息子に
「ホント？おじさんきっと迷惑だと思うよ」
と言って僕はその申し出を断ってしまった。
おじさんは息子の話に付き合ってあげていただけで、仕事中にサインなどもらってもきっと迷惑だろうと思ったのです
それからしばらくなかなか息子と顔を合わせることができませんでしたが、妻との会話の中で、息子が相変わらずおじさんと仲良しで、相変わらずサインを渡したそうだということ、
そしておじさんがもうすぐ現場が終わって次の現場に行ってしまうこと、お別れの前にお小遣いでお饅頭を買ってあげたことを知りました。
仕事が早く終わったので息子の通ってる空手道場にお迎えに行きました
いつものように帰りの車の中で他愛もない話をしていると、うつむきがちにポツリと一言
「おれ…今日泣いたんだ」
と
その日はちょうど工事現場のおじさんの最後の日だったのでした
学校帰りに工事現場に立ち寄り
おじさんに"さよなら"を言って
家に帰って、一人で泣いたのだと
助手席でその話をしながら涙ぐんでいる。
僕は
今までこんな感情を見せたことがなかった息子に驚いて、
こんな思いを心の内に育むようになったことを思い、胸が熱くなりました
そして、サインを断ったことをとても後悔した
そこまで息子が思っていたのなら、迷惑だろうがなんだろうがサインくらい書けばよかった。と。
その夜、一緒に寝ているベッドの隅で背中を向けてさめざめと泣いている息子を感じて
小さなこいつのひとつひとつの成長を見逃すまいと、
こいつの気持ちに寄り添っていこうと、
そして一緒に泣こうと、
父さんは強く思いました。
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