タモリが主催する「ヨットレース」が全国に拡大中!〈dot.〉
dot. 6月26日(金)11時43分配信
「ブラタモリ」(NHK総合)でタモリさんの地方ロケが可能になったのは、司会を務めていた「笑っていいとも!」(フジテレビ系)が終了したからだ。京都、長崎、金沢、函館などの地方都市をぶらぶら歩くタモリさんは楽しそうだ。
地方進出は、ほかにもある。ヨットレース「タモリカップ」である。これまで首都圏から比較的近い静岡県沼津市や横浜市、タモリさんの故郷である福岡市で開催していた大会を、今年から富山県射水市、宮城県七ケ浜町にも拡大した。このレース、スピードを競うだけではない。参加者が船上でパフォーマンスをするなど、「海を愛する男・タモリ」と一緒に、海を目いっぱい楽しむ趣向が満載らしい。
大会は、2009年にタモリさんがヨットを係留している沼津市で始まり、12年まで計4回の大会は沼津市のみで開催した。第5回(13年)、第6回(14年)は横浜、福岡で大会名に開催地の名を加えて実施、第7回大会となる今年も8月1、2日に福岡、9月12日に横浜と各大会の開催が決まっている。
「富山大会」は富山県民の熱烈なラブコールを受けて7月18、19日に決定した。日本海側では初の開催となる。富山湾が昨年10月に「世界で最も美しい湾クラブ」に加盟したのを機に、富山県セーリング連盟が誘致した。
昨夏から名乗りを上げ、首を長くして待っていたところ、今年3月に「いいとも!」との返事があった。富山県セーリング連盟連盟理事長の高桑幸一さんは誘致の成功に感無量の様子だ。
「『笑っていいとも!』をやっていらっしゃる時から、ずっとお願いしていました。若い人がヨットになかなか興味を持ってくれなくて……。タモリさんも同じ気持ちで大会を創設したと聞いています。ありがたいですね」
宮城県での大会開催はタモリさんの方から働きかけたらしい。七ケ浜町のヨットハーバーが東日本大震災の被害を受けて使えなくなり、宮城県セーリング連盟理事の餅啓一さんらはヨットを神奈川県内に係留することにした。そこで、横浜大会の関係者との縁が生まれ、「タモリさんが東北のヨットマンと交流し、支援したいと言っている」との声が耳に入ってきた。そこで、「願ってもないこと」と誘致が決まった。大会は復興支援の願いを込めて「東北大会」として、9月20日に実施する。餅さんが大会実行委員長を務める。
「東北大会はクルーザーだけでなく、1人乗りや2人乗りの小型ヨットも参加できる形式で実施します。『学生や若者も参加しやすいように』というタモリさんの意向を反映し、東北の海が元気になることを目指します」(前出の餅さん)
タモリさんが名誉会長を務める大会だけに、「とことん海を楽しもう」というアイデアにあふれている。まず、参加資格に「愉快な人」「クレームを言わない人」とうたっている。タモリさんのこだわりで、サルサバンドのオルケスタ・デ・ラ・ルスによる演奏とバーベキューパーティーで開幕。ヨットパレードの後にレースは始まる。
例えば、富山大会は7クラスに分かれており、10分間間隔でスタートする。レベルの高い3クラスは「イグアナクラス」で、「一目置かれている船」と規定される。そうでない4クラスは「いいともクラス」。「大会趣旨を正しく理解している船」ならば参加OKということらしい。
レースはタイムとハンディ、パフォーマンスを評価した「芸術点」で順位を競う。過去の大会では、着ぐるみや仮装、フラダンスやチアダンス、コント風のパフォーマンスなどが披露された。参加者は「タモリさんにみせたい!」と張り切ってユニークな出し物を船上で繰り広げる。表彰式では船長服姿のタモリさんから「タモリカップ」が授与され、総合優勝したチームがシャンパンを掛け合ってフィナーレを迎える。
ヨットマンの友達の輪は、これからもどんどん全国へ広がっていくかもしれない。とするとタモリさん、「いいとも!」が終わっても、夏はかなり忙しそうだ。
(ライター・若林朋子)
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