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栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

NEJM Knowledge+:41歳男性 アルコール依存

NEJMのKnowledge+です。
仕事貯まりまくって関係各位にご迷惑をおかけしています!
順次頑張ります!!

症例:41歳男性 アルコール依存

 41歳のアルコール依存のある男性が吐血とアルコール血中濃度0.43%とのことで救急外来を受診。AST 331、ALT 278で腎機能は正常。
 急性アルコール性肝炎・肝硬変・食道静脈瘤の診断で入院した。ベンゾジアゼピン6日間の漸減療法を行い、食道静脈瘤にはEVLを施行、肝炎は改善傾向だった。彼は断酒の意思を表明しているものの再飲酒リスクも十分ある。

68 歳の男性が部屋紡糸めまい、吐き気、嘔吐、歩くことができないことの急性発症を呈する。彼の症状は数時間持続しており、任意の位置に、または他の部分と治 まるしないでください。めまいは一定である。彼は以前、このようなエピソードを経験していない。彼は、 2型糖尿病、高血圧および高コレステロール血症の病歴を有する。 検査では、彼は左を見たとき、左に打つと右を見たとき右に打つ眼振がある。彼は臨床医の指に焦点を当てたときには減少しない。患者は、何かの上に保持する ことなく立ったり座っできず、ロンベルグ検査は正である。彼の頭の推力テスト、ヒアリング、そして耳科検査は正常である。 - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/1523/#sthash.MGqFiQB0.dpuf


質問. この患者がアルコール依存状態の再発を抑制するために投与すべき最も適切な薬剤はどれか?

  1.  Acamprosate(レグテクトⓇ)
  2.  Flumazenil(アネキセートⓇ)
  3.  Lorazepam(ワイパックスⓇ)
  4.  Disulfiram(ノックビンⓇ)
  5.  Naltrexone(ナルトレキソン)

 

Key Learning Point

After initiation of a continuous intravenous insulin infusion in a patient who is in a hyperosmolar hyperglycemic state, the serum sodium level is expected to increase. - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/1232/answer/E/?source=qowemail&inf_contact_key=17b5698a6684a395d9fc82ffb22e1fa91de10b4fde895a56d5112390edd38a2a#sthash.U24I63Zx.dpuf
高 血糖高浸透圧状態にある患者において持続静脈内インスリン注入の開始後、血清ナトリウムレベルが増加すると予想される。 - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/1232/answer/E/?source=qowemail&inf_contact_key=17b5698a6684a395d9fc82ffb22e1fa91de10b4fde895a56d5112390edd38a2a#sthash.U24I63Zx.dpuf
患 者に害を引き起こす医原医療ミスを伝えるための適切な方法は、エラーのオープンで正直なアカウントを提供し、患者に正式に謝罪することです。 - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/1015/answer/B/#sthash.vBmBG3vd.dpuf
慢 性閉塞性肺疾患の増悪と高炭酸ガス呼吸不全や肺炎の証拠で入院した患者は、気管支拡張薬治療、全身グルココルチコイド、およびフルオロキノロンまたはマク ロライド系抗生物質で治療すべきである。 - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/235/answer/A/?source=qowemail&inf_contact_key=5867c46d2a7fbaecc6edeccb8b5f2d7372c2badebfd1c8e5638e924cb4d6a052#sthash.X4dusLJi.dpuf
The gradual development of arm weakness and Horner’s syndrome in an older former smoker is most indicative of a diagnosis of an apical bronchogenic cancer known as a Pancoast’s tumor. - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/932/answer/A/?source=qowemail&inf_contact_key=8b697793f3c2f6a9d68dcdc1826ffea87b269461ef7de16dbcbb80275770fc7a#sthash.YmYXCOj2.dpuf

 アルコール依存症・肝硬変・食道静脈瘤を合併している患者において、アルコール禁酒率を上げることが出来る薬剤はAcamprosateである。

 回答 1. Acamprosate(レグテクトⓇ)

解説:

 Acamprosate(レグテクトⓇ)は、グルタミン酸系の活性を安定化させることによって禁酒率をあげる事が出来ることが示されている。アルコール依存症患者の治療適応がFDAによって認可されており、禁忌は重度の腎不全のみである。

 Disulfiram(ノックビンⓇ)とNaltrexone(ナルトレキソン)は、アルコール依存症患者に用いられることはあるが、どちらも肝毒性があり、高度な肝障害患者では避けるべきである。

 Flumazenil(アネキセートⓇ)は、ベンゾジアゼピン過剰摂取における解毒剤として使用されるが、アルコール依存症患者で用いられることはない。
 
 Lorazepam(ワイパックスⓇ)などのベンゾジアゼピン系薬剤の長期投与はアルコール依存症患者では推奨されない。もし、患者が不安障害を合併している場合には、SSRIが役に立つかもしれない。

 Alcoholics Anonymous(AA)の様な自助グループによるリハビリは適切な介入の1つである。また、食事・喫煙・運動習慣・違法薬物利用の禁止なども重要。

 

  • Friedmann PD. Clinical practice. Alcohol use in adults. N Engl J Med 2013 Jan 25; 368:365. 

 さて、アルコール問題。これはもう急性期病院で総合内科診療をする場合には切っても切れません。もちろん、訪問診療でもそう。個人的には、設問には申し訳ないけれど「薬じゃ無いよね〜」と思います。もちろん、世界標準の薬が日本で使えるようになったのは素晴らしいと思うけど、薬飲んだら止められる的な安易なものでは決してないですよね。
 行動変容をいかに促していけるか。多くの課題はありますが、取り組んで行きたい問題の1つです。最近出た本を以下に。各方面で評判がすこぶる良かったです。

ぼくらのアルコール診療 シチュエーション別。困ったときの対処法

ぼくらのアルコール診療 シチュエーション別。困ったときの対処法

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  • 出版社/メーカー: 南山堂
  • 発売日: 2015/06/18
  • メディア: 単行本
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