国内LCC(低コスト航空会社)初の羽田空港乗り入れが8月に実現する。ピーチ・アビエーション(APJ/MM)が8月8日から開設する羽田ー台北(桃園)線だ。
6月25日、都内で発表した同社の井上慎一CEO(最高経営責任者)は、「新しい境地を開拓したパイオニアとしての路線」と述べ、関西空港で新たな需要を開拓したように、首都圏でも潜在需要を開拓したいと語った。国内LCC初の羽田乗り入れとあって、台北線の就航発表には多くの報道陣が集まった。
国内LCC初の羽田就航とあって多くの報道陣が詰めかけたピーチの台北線就航会見=6月25日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
台北線は、羽田の深夜早朝時間帯(午後11時から午前6時)の国際線発着枠を利用。機材はエアバスA320型機(180席)で、火曜を除く週6往復運航する。運賃は片道7680円から4万2380円で、燃油サーチャージは従来通り徴収しない。航空券の販売は、来週以降開始する見通しだ。
また、「東京ー台北線弾丸スペシャル」と題して、往復1万2000円の就航記念運賃を販売。往路搭乗日が8月19日から10月23日の水曜と木曜、木曜と金曜、日曜と月曜に設定する。
—記事の概要—
・朝から楽しめるベストソリューション
・昼の成田、夜の羽田で首都圏展開
朝から楽しめるベストソリューション
羽田からの台北早朝便を「ベストソリューション」と説明するピーチの井上CEO=6月25日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
運航スケジュールは、羽田発MM1029便が午前5時55分に出発し、台北へ午前8時30分着。台北発MM1028便は午前0時30分で、羽田には午前4時45分に到着する。井上CEOは、「5時55分発は理想的。朝から台北を目いっぱい楽しめるベストソリューションだ」と自信を示した。
同社の国際線チェックインは出発時刻の2時間前から50分前まで。MM1029便は遅くとも午前5時5分までにチェックインすれば搭乗できる。
羽田までの公共交通機関としては、国土交通省航空局(JCAB)などが実証実験として運行している深夜早朝バスの利用を想定。都心や横浜などから羽田国際線ターミナルへは、午前4時30分ごろまでに到着できる。深夜早朝バスは、リムジンバスを運行する東京空港交通や、京浜急行バス、東急バス、羽田京急バスが運行している。
羽田ー台北線開設を発表するピーチの井上CEO(中央)と客室乗務員=6月25日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
運航スケジュールが週7往復のデイリー運航ではなく、週6往復での就航となった羽田ー台北線。井上CEOは「台湾側の発着枠の関係。基本的には週7往復で考えており、やむを得ずだ」と説明した。同社は今後、冬ダイヤからのデイリー化に向け、当局との折衝を続けていく。
一方、これまでのAviation Wireの取材では、同社は当初午前0時台など深夜に羽田を出発するスケジュールを検討していた。今回は台湾側の発着枠の関係で、早朝便に落ち着いた。同様の理由で、就航時期が冬ダイヤにずれ込むおそれもあった。
発着時間変更の可能性について、井上CEOは「お客さんが利用して深夜が良いとなれば、すぐ考える。臨機応変にやりたい」と語った。
昼の成田、夜の羽田で首都圏展開
昼間の便は成田を活用するピーチ=14年7月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
現在羽田の国際線発着枠は、昼間時間帯(午前6時から午後11時)は空きがなく、新規に乗り入れる場合は深夜早朝時間帯しかない。JCABでは今後、2020年開催の東京オリンピックに向けて、羽田の発着枠拡大に向けた施策を進めていく。
井上CEOは今後の昼間時間帯への就航について、「チャンスがあれば、常に追求していきたい」と述べ、将来的な昼間時間帯進出の可能性を示した。
当面は「昼の成田、夜の羽田を組み合わせて、首都圏の対応を考えていきたい」(井上CEO)という。一方、成田で同社は国内LCCで唯一、LCC専用の第3ターミナルへ乗り入れておらず、第1ターミナルを利用し続けている。井上CEOは、「スポット(駐機場)が足りず、バス搭乗になるだろう。今の第1ターミナルの方が乗客の利便性が高い。条件が整えば利用したい」と語った。
今回発表した羽田ー台北線と8月28日就航の関西ー宮崎線、9月4日就航の那覇ーソウル線を合わせると、APJの路線数は国際線9路線、国内線13路線の計22路線となる。機材はA320が14機で、2015年度内に3機導入することで17機、2017年までには今月開かれたパリ航空ショーで発注した3機を合わせた20機体制を構築する。
今後の羽田発着便の展開については、「片道4時間で就航できるところはすべてがターゲット」と、これまでと同様の路線展開の考えを述べるにとどめた。
運航スケジュール(15年8月8日から15年10月24日)
MM1029 羽田(05:55)→台北(08:30)運航日:月水木金土日
MM1028 台北(00:30)→羽田(04:45)運航日:月水木金土日
* 10/17と24はMM1028/1029便ともに運休。
* 木曜と日曜のMM1029便は、午前9時に台北着。
関連リンク
ピーチ・アビエーション
東京空港交通
京浜急行バス
東急バス
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ピーチ井上CEOインタビュー
(番外編)「変な常識が航空業界ある」羽田深夜便が秘める可能性(15年3月4日)
(下) 「ディズニーランド日帰りで行きたいねん」人生が楽しくなるLCCへ(15年3月3日)
(中) 「成田でいいから東京飛んで」首都圏進出、利用者が背中押す(15年3月2日)
(上)「これおもろいやん!」乗客が生み出した“第4の客層”(15年3月1日)
【お知らせ】
タイトルをYahoo!ニュース配信記事と統一しました。(15年6月26日 7:52 JST)