O型はアルツハイマー病にかかりにくい?
アルツハイマー病の予防に役立つ脳の「灰白質」が大きい

写真はイメージ。記事と直接の関係はありません。(写真:dierk schaefer/クリエイティブ・コモンズ表示 2.0 一般)

写真はイメージ。記事と直接の関係はありません。(写真:dierk schaefer/クリエイティブ・コモンズ表示 2.0 一般

 O型の人は、他の血液型の人に比べて脳の神経細胞が集まる「灰白質」が大きく、アルツハイマー病にかかりにくい可能性があるかもしれない。

MRIスキャンで灰白質量を計測

 英シェフィールド大学のアナレナ・ヴェネーリ氏らの研究グループが、脳の専門誌ブレイン・リサーチ・ブレティン誌において2015年6月3日に報告している。

 研究グループは、健康な189人を対象として、MRI(磁気共鳴画像装置)スキャンを使って脳の灰白質量を測り、血液型による違いを検証した。

血液型ごとに脳の特徴

 その結果、O型の人は運動に関わる小脳後部の灰白質が大きいことが分かった。灰白質はアルツハイマー病のような病気を防ぐのに役立つ部分である。

 一方でA型、B型、AB型の人は記憶に関わる「左海馬」を含む脳側部、脳の中心に近い「辺縁部(へんえんぶ)」の灰白質が小さかった。ここはアルツハイマー病による影響をいち早く受ける部分である。

 「O型の人は、脳の側頭部や内側側頭部に容積減少が見られるアルツハイマー病のような病気リスクから守られている」と研究者は語っている。

 研究者によると、他の生物学的メカニズムの関与について、さらなる研究が必要とのこと。O型をめぐっては、マラリアになりにくいという報告があるほか(ABO型血液の分布の背景にマラリアか、O型の人は重いマラリアにかかりにくい理由を解明を参照)、糖尿病になりにくいという報告もある(糖尿病になりやすい血液型は○○と判明、有力医学誌で発表を参照)。血液型と病気との関係はさらに分かってきそうだ。

文献情報

It’s in your blood: Links found between blood type and risk of cognitive decline

http://www.sheffield.ac.uk/news/nr/blood-type-cognitive-disease-1.469296

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント0 件のコメント

▼コメントを開く

Medエッジニュース

国内外の医療と健康のニュースをお届けします。

ウェブサイト:http://www.mededge.jp