厚生労働省が26日発表した5月の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.02ポイント上昇の1.19倍と、1992年3月(1.19倍)に並ぶ23年2カ月ぶりの高い水準だった。改善は2カ月連続で、QUICKがまとめた市場予想(1.17倍)を上回った。医療・福祉などで新たな求人があった一方、求職者は減少しており、景気の底堅さを裏付けた。ただ、建設業や製造業は住宅の需要低迷などを受け、求人数が減少。厚労省は「今後の動向を注視したい」としている。
有効求人倍率はハローワークで仕事を探す人1人に対する求人件数を示す。倍率が高いほど求職者は仕事を見つけやすいが、企業は採用しづらくなる。5月は有効求職者数が前月から1.3%減った半面、有効求人数は0.7%増え、求人倍率を押し上げた。
雇用の先行指標となる新規求人倍率は0.01ポイント上昇の1.78倍で、92年2月(1.80倍)以来23年3カ月ぶりの高さとなった。改善は3カ月連続。一方、前年同月と比べた新規求人数(原数値)は4.0%減少した。前年に消費増税に伴う駆け込み需要の対応で、求人を増やしていた反動が出た。
主要11業種のうち、増加したのは医療・福祉と卸売・小売業の2業種だけだった。医療・福祉は前年同月比6.3%増、卸売・小売業は0.9%増。一方、職業紹介や労働者派遣業を含む「サービス業(他に分類されないもの)」は16.8%減、建設業は9.7%減、製造業は4.0%減となった。
都道府県別で最も有効求人倍率が高かったのは東京都の1.71倍、最も低かったのは埼玉県の0.82倍だった。〔日経QUICKニュース(NQN)〕
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