「役員報酬 1億円以上開示企業」調査（6月25日17時現在）

　2015年3月期決算の有価証券報告書は順次、金融庁などに提出されている。3月期決算の上場企業2,451社のうち1,077社が提出した。6月25日17時現在、役員報酬1億円以上を受け取った役員の個別開示をしたのは98社、人数は186人だった。
　役員報酬額の最高は総合リースのオリックス（株）（東証1部、東京都港区）宮内義彦元代表執行役会長（現シニア・チェアマン）の54億7,000万円。今までの最高額だった携帯電話キャリア、ソフトバンク（株）（東証1部、東京都港区）のロナルド・フィッシャー取締役の17億9,100万円の報酬額を36億7,900万円上回った。
　個別開示された186人のうち、2014年3月期決算と2015年3月期決算で、連続して個別開示された役員は112人。新たに開示された役員は74人だった。
　役員報酬1億円以上の開示は、「改正企業内容等の開示に関する内閣府令」に基づき、2010年3月期決算より報酬等の総額、報酬等の種類別（基本報酬・ストックオプション・賞与・退職慰労金等の区分）の総額を有価証券報告書に記載することが義務付けられた。
　2015年3月期は引き続き各企業が好業績を発表。2014年6月25日17時現在（62社、109人）に対して社数で36社、人数で77人増加しており、個別開示の社数・人数とともに前年を上回る可能性が出てきた。

• ※参考：2014年3月期の役員報酬開示は191社・361人（2013年3月期175社・301人）。

• ※ソフトバンクのニケシュ・アローラ代表取締役副社長（報酬額165億5,600万円）は2015年3月期において、取締役に就任していないため、本調査においては対象外。

　6月25日17時現在、有価証券報告書の提出が確認された企業は1,077社で、このうち、役員報酬1億円以上の個別開示が確認されたのは企業数で98社、人数で186人だった。
　6月25日17時現在の役員報酬最高額はオリックスの宮内義彦元代表執行役会長で54億7,000万円。2010年3月期から開始された役員報酬の個別開示制度において過去最高額を更新した。以下、ソフトバンクのロナルド・フィッシャー取締役が17億9,100万円、日産自動車のカルロス　ゴーン代表取締役会長兼社長、最高経営責任者が10億3,500万円と続く。
　オリックスの宮内義彦元代表執行役は2014年3月期、役員報酬額2億1,300万円に対して52億5,700万円増。長年の実績に対する功労金（44億6,900万円）が役員報酬額の8割を占めている。ソフトバンクのロナルド・フィッシャー取締役は前年より14億6,800万円増加。連結会社3社から基本報酬2億9,000万円、株式報酬（制限付株式報酬）14億8,600万円ほかを受け取った。日産自動車のカルロス　ゴーン社長は同4,000万円増加。3人ともに6年連続で役員報酬1億円以上を受取った。
　個別開示で連続して開示された112人のうち、2014年3月期に比べ74人が役員報酬額が増額。また2015年3月期に新たに開示に加わった人数は74人であった。

　6月25日17時現在、役員報酬1億円以上の個別開示を行った企業98社のうち、伊藤忠商事が9人（前年6人）で最多。次いで、三菱商事が7人（同8人）、三井物産が6人（同8人）と、商社が上位を占めた。また、複数人の開示を行った企業は45社だった。
　役員報酬1億円以上の個別開示を行った98社のうち、2014年3月期は個別開示がなく、2015年3月期に開示したのは27社だった。