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エンジンを制御するセンサー
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各センサーからの補正を理解する
故障診断を行うにあたって、各センサー類がどのような役割を持っているかを、理解する必要がありますが、ここでは大まかにセンサー類の種類と役割を書かせていただきます。水温センサー(ウォーターテンパラチャセンサ)
エンジンの冷却水温度を検知してECUにフィードバックするセンサー。エンジン冷間時に増量補正するためエンジン冷間時の不調などに関係する。また特性ずれによる故障の場合は完全暖気時にも不調が起きる可能性があります。
吸気温度センサー(エアテンパラチャセンサ)
吸入空気の温度をECUにフィードバックするセンサー。空気の温度が低いほど密度が高くなるので、冬季には増量補正量が多くなりますが、絶対的な補正量が少ないので最大幅でずれても影響が出にくいです。
吸入空気量センサー(エアフローメータ)
吸入空気の絶対量をフィードバックするセンサー(方式により検出制度が異なる)。燃料噴射量の基本値を算出するために使用されるので不具合が起きたときの影響が極めて大きい。
加速不良、全体的な出力不足、アフターファイヤ、正常な走行に支障をきたす故障を引き起こす場合が多く、特性ずれなどの故障事例も多いため故障探求には欠かせない要素を多く持っています。
バキュームセンサー
シリコンチップにかかる吸気管圧力を電圧変化に置き換えて吸入空気量・エンジン負荷を判断するためのセンサー。シリコンチップの特性ずれなどでは加速不良や出力不足など深刻な不具合に直結しやすいです。
エアフロメーターと同様加速不良、全体的な出力不足、アフターファイヤ、正常な走行に支障をきたす故障を引き起こす場合が多く、特性ずれなどの故障事例も多いため故障探求には欠かせない要素を多く持っています。
ちなみにエアフロがついている車には基本的にバキュームセンサーはついておらず、逆の場合も同じです。稀に両方ついている車も存在しますが、エアフロがメインになっていることが多いです。
クランクポジションセンサー
エンジン回転数を検出するためのセンサーです。基本点火時期・噴射時期、燃料噴射量などを決定するエンジンにとって最も重要なセンサーです。
基本となる信号なのでこのセンサが故障するとエンストやエンジン始動不能など車が動かなくなる故障が大半で、ごく稀に内部不良などで意味不明な症状を引き起こします。
カムポジションセンサー
上死点、下死点の検出に使用されるセンサー。クランクポジションセンサーと合わせて参照にすることが多い。
スロットルポジションセンサー
スロットルバルブの開度を検出するセンサーです。エアフロメーターとリンクしたエンジンの基本噴射量の算出や主にオートマチックの変速位置などに関与します。
O2(オーツー)センサー
別名空燃費センサーと呼ばれ排気ガス中の酸素濃度からエンジンの燃焼状態を判断して、エンジンECUにフィードバックする。エンジンECUはその情報を元に燃料噴射補正の増減をします。故障診断の肝。
AF(エアーフューエル)センサー
こちらもO2センサーと同じくフィードバック制御に関連する空燃費センサーです。触媒前に付いており、O2センサが理論空燃費を境に濃い・薄いを判断しているのに対し、濃度に比例したフィードバックを行うことができるためより精密な制御が可能です。
O2センサーとあわせて全域でフィードバック制御を行い最適化できるようになっています。
ノックセンサー
エンジンの異常燃焼であるノッキングを検出するセンサー。ノッキングを検出すると点火時期を遅らせてノッキングを抑制します。故障するとノッキング多発傾向やエンジン警告灯が点灯することがあります。
以上が主に故障診断時に必要となってくるセンサー類の基本的な役割と、起こりうる不具合です。実際の整備では思い描いたような故障ではなく、複合故障であったりワイヤーハーネスやジャンクションであったりしますが参考までに。