普段、
車をお使いになって
いろんなトラブル？に 悩まされている
オーナーが たくさんいらっしゃるように
今回の ニッサン セレナ ＴＣ２４も
オーナーがへこむくらい 次から次へと出てきます。
ある時、朝から電話が鳴り
「エンジンが かかりにくい？」と言われました。
オーナーは遠方？から通勤の為 たまに乗って来られるのですが
どうも数日前から あやしくなってきてたらしく
オイラに連絡してこられました。
早速、引き取りに行きますと
すぐにエンジンがかかりました が
やっぱり「セルモーター」があやしいな と思いました。
取り合えず オーナーの勤めている店に
代車のキーを渡しに行き
店の前で いつもの調子で「キー」をＯＦＦにした瞬間、
「しまった〜〜〜！」
キーをどれだけひねろうが エンジンがかかりません。
仕方がないので セルモーターにショックを与えようと
しましたが セルがインマニの下に付いており
とても叩けません。
狭い道で身動きがとれず 後ろから車が来ては
「邪魔やな！オイッ！」
気の弱い？オイラは 耐えられず
すぐに 救援を呼んで
引っ張ってもらい 工場まで帰ってきました。が
オイラの工場は 入り口がスロープになってまして
エンジンのかからない車は 悲惨なことに
工場内に入れるのに 四苦八苦します。
しかも今回は 重量級のセレナです。
全員総出で 車を押して
何とかリフトアップ することが出来ました。
点検の結果 セルモーターが逝かれていると確信しましたので
すぐに修理にかかります。
奥まったところに 鎮座されてます。
故障しないと 思って作っているのでしょうか？
設計した人に 脱着させてあげたい・・・。
セルモーターをなんとか外し、
単体点検。
スイッチは「カチッ」と入りますが
モーターは回りません。
なので分解します。
ブラシの粉が山盛り出てきました。
そして アーマチュアを点検。
原因は コンミュテータのブラシが当たる面が剥離して
ブラシが異常磨耗したみたいです。
ここまで逝くと コンミュテーターの修正も無理ですので
新品もしくはリビルト品に交換になります。
元通りに 組付けて
完成！
エンジンの始動もスムーズになり
無事に納車して 「めでたし めでたし」のはずでしたが
１週間後に
「エンジンが かからない〜！」と電話を頂きました。
「ええ〜？」と思い 「まさか セルモーター？」と
ドキドキしながら 車を引き取りに行きました。
到着して お話を聞くと
「この前みたいなエンジンの始動自体は 問題ない。ただ かかりにくくなるのと
チェックランプが点灯した」とのこと。
セルモーターが原因じゃないことを確認したので
今度はエンジンを切らないように工場に乗って帰り
リフトアップ！
チェックランプが確かに点灯しております。
なので テスターを使って点検します。
すると
「カム軸センサー」がダメと出てきました。
調べると
この車には「カムセンサー」と「クランクセンサー」があり
どちらも同じセンサーを使ってるみたいなので
いずれクランクセンサーも逝かれると思い
両方交換することにしました。
しかし、ここで問題発生！
部品商にセンサーを注文すると
「震災の関係で工場が被害にあったらしく すぐに入ってこない。
日産部品の方でも ７４００個！のバックオーダーがあり
何時入ってくるか わからない とのこと。
これには正直 困りました。どうすることも出来ない。
このままではヘタしたら何ヶ月もセレナ様を預かることになってしまう。
何か良い方法がないかと思い
ネット通販しているパーツ屋さんなどに問い合わせましたが
ほとんどが 「残念ながら ありません」とのこと。
そこで「ツイッター」で
「だれか クランクセンサーを在庫していたら譲ってください〜」と
お願いしました。
数人 から「何個か持っているので 車の情報を教えてください」と
レスが返ってきました。 早速 問い合わせましたが
「残念ですが適合しません。おチカラになれず ごめんなさい」と
返事を頂きました。 いえいえ、部品は手に入りませんでしたが
とても嬉しかったです。この場をお借りして御礼申し上げます。
改めて ツイッターのすごさを実感しましたし これからも
いろんなカタチで 使えるんじゃないかと希望が湧きました。
その後も 結局、部品が手に入らないので
１週間ほど セレナを預かっていました。
「このまま 何ヶ月も置いておくのか〜」とため息をついていると
身内から
「なんか センサーあるから いらんか？ってメール来てるで」と言われ
パソコンからメールを見てみると
東海地区のパーツ屋さんからで 以前に問い合わせしましたが
返事が返って来ていないところからでした。
曰く「メーカーと直接交渉した結果、４個だけ入ってきます。
購入しませんか？」とのことでしたので もう！
めちゃくちゃ 嬉しくって！
すぐにオーダー致しました。
そして その
「奇跡」の商品が数日後 オイラの元へ届きました。
こいつです。 これがクランクセンサーであります。
ほんまに よう来てくれはりました。
ということで
すぐに修理にかかります。
まずは カムから。
エンジン向かって 右側に刺さっております。
これを引き抜くと
これが入ってます。
新品のセンサーと比べてみると
明らかに 違うパーツです（笑）
間違いなく「対策品」だと思われます。
これを組付けたら お次は クランクのほうへ・・・
クランクセンサーは下から覗いても 見えません。
リヤのマウントを外さないと 見えません。
配線だけが かろうじて見える感じです。
ちょうどセルモーターの下辺りにあり
「セルモーター交換の時にわかってれば・・・」と
何度も思いました。 センサーを見ることも出来ないし
手も入りずらい。
これを設計した人に是非にでも
この状態で交換させてあげたいと
何度も思いました。
愚痴っても仕方ないですので さっさと手探りでセンサーを
交換しました。もし ご自分で交換されるなら
リヤマウントを外した方が無難です。
ひとつだけわかったのは
センサーのカプラーがオイルでベトベトでした。
思うに クランクセンサー内部にエンジンオイルがしみこんで
カプラーのところに出てきた感じです。
なのでカム側だけを交換しても いずれ
クランク側で接触不良を起こして同じ故障になる可能性が
大きいと思いました。ので カプラーもキレイに洗浄しまして
作業性は最悪でしたが センサーを同時交換しておいて
良かったと思います。
そして 無事に修理を完了し オーナーに納車！
早く修理があがったので 大変 喜んでいただきました。
今回のことで
大震災がこんなカタチで影響するとは
夢にも思いませんでした。
それとは対照的に
「インターネット」の良さを再認識しました。
良いことに使えば お金と一緒で
本当に役に立つツールだと思います。
そういうことで
オイラたち 「自動車修理業」も
いろいろな意味で
転換期にさしかかっているんでは？と
考えるんであります。
★最新の
町工場 奮闘記 【車検と車の修理＠東大阪！】は
http://hakkocars.com/ より 配信中？
是非 ご覧くださいませ！
(^^)v
ネットでいろいろ調べていていてここにたどり着きました。
平成１５年購入のＴＣ２４を愛用しております。
この記事とにた状況におちいりました。
年末でどこのディーラーもやっていない。
正月はどうしても車を使いたかったので31日の夕方バッテリーを買いに走り、嫁の懐中電灯で照らしてもらいながら交換しましたが復旧せず素人ながらあとはセルモーターしかない！
と確信しましたので、ここを発見した時は嬉しかったです。
実は、某OA会社のサービスをやっていますので、そこはサービスマンの感覚でした。
でもセルモータって壊れるんですね？
設計したやつに脱着させたい。
激しく同感です！
ほんと時々殺意すら覚えますよね。
絶対壊れないか、バラシやすくしとけって。
壊れやすい、ばらしにくい、最悪や！！
どこの業界もおなじなのでしょうか？
ちなみにセルモータの交換っていくらくらいかかるのでしょうか？
本年もよろしくおねがいします。
年末に大変ですね 泣かしますね ＴＣ２４（笑）
セルモーターもメーカー問わず結構 壊れます。
特に街中メインで駐停車でキーを「ＯＮ ＯＦＦ」を繰り返すような使い方をする乗り方だと早いと２〜３万ｋｍぐらいで逝ってしまうこともあります。
ＯＡ機器のサービスさんなので よくおわかりだと思いますがどんなにすばらしい「機械」でも消耗もしますし故障もします（笑）特に大きなチカラでエンジンをクランキングしますので
セルにかかる負担は相当なもんだと思います。
なので昔はよくバラバラになったセルをよく見かけましたし修理もしました。最近はＦＦ車が多いのでスペースの関係？でどんどん手の入らないところへ追いやられています。
＞ほんと時々殺意すら覚えますよね。
ほんまに（笑）毎回 覚えてます。
設計段階ではたぶん 「エンジン単体」なので
問題がないんでしょうが、実際はシャーシに載せたら とてもやないけど できるか！！！
ってゆうのが よくあります（泣）
どの業界でもなんでも「ユニット交換」「基盤交換」なので そのうち「エンジン交換」も
普通になっていくかもしれません。
長々と書きましたが ＴＣ２４のセルはエンジンルームからは至難のワザで下からアクセスするほうがまだなんとかいけます。
うちの技術料は ２．５ﾏｿぐらいです。
よろぴくです！
最初からここまで読み降りてきたら今年のコメントがあったので
ここらで一休みしようかと･･･(笑)
非常に丁寧なお仕事をなさっているご様子が伝わってきて、
楽しく読ませていただきました
北陸は福井なので、少しばかり距離もあって
所有しているプレリュードでお伺いする事は勇気ある行動かもしれませんが、
いつの日かお世話になるやもしれませんので･･･ブログをブックマースして置きたいと思います
その時にはどうか優しくしてやって下さい
当ブログを最初から拝読していただきまして
誠にありがとうございます。
Ｅ−ＡＢのプレリュード、懐かしいです（笑）
その当時、「ＡＢＳ」のエアー噛みでなかなか
エアーが抜けず 苦労した覚えがあります。
そんな究極のデートカー？と言われた
プレリュードが生まれた時は
今思えば
メーカーもコストをかけて車を作っていましたし
世の中もまだ？希望に溢れていた
いろんな意味で良い時代でしたね。
大阪と福井県とは確かに距離がありますが
ネットのなかでは いつでも お越しいただけ
ますので これからも
よろしくお願いします。