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太陽がまぶしかったから

C'etait a cause du soleil.

講談社最大40%ポイント還元セールより移り変わる時代を読むための10冊

講談社最大40%ポイント還元セール

 Kindle Storeで『講談社 最大40%ポイント還元セール』を開催している。今回のセールではブルーバックスや講談社現代新書などの普段はあまりセールにならない書籍が中心なので嬉しい。購入した本を並べ直すと「移り変わる時代を読む」というテーマが浮かび上がってきたので紹介する

文明探偵の冒険

いつの時代も、変化している。私たちはいつも、今は大変な時代だと思っている。では、人類史という長い目で見たら、今はどういう時代なのか。私たちが体験しているこの変化は、たとえば中世から近代への移行に相当するような大きなものなのか。それともよくある変化にすぎないのか。どうやったらそのことを知ることができるのか。気鋭の科学史家が、科学から歴史まで、文理の垣根を越えて飛びまわる愉快な知的冒険の書!

文明探偵の冒険 今は時代の節目なのか (講談社現代新書)

文明探偵の冒険 今は時代の節目なのか (講談社現代新書)

  702円(280pt還元)。『銃・病原菌・鉄』もそうなのだけど歴史科学の大風呂敷を聞くのは楽しい。時代の節目(=パラダイムシフト)のコモディティ化について、何をもって「よくある」ではないと判断するのかという物差しを考えていく。

はじめての構造主義

西欧文明中心の近代に終わりを告げ現代思想に新しい地平を拓いた構造主義。レヴィ=ストロースの親族・神話研究の、鮮やかな方法と発想の背景に見えてくる、ソシュール言語学やモースの贈与論。そして遠近法にまでさかのぼる、数学史の水脈に隠された〈構造〉のルーツ。モダニズムからポスト構造主義への知の戦線に、軽快な文章で歯切れよく迫る!

はじめての構造主義 (講談社現代新書)

はじめての構造主義 (講談社現代新書)

 648円(259pt還元)。構造主義とは「あらゆる現象に対して、その現象に潜在する構造を抽出し、その構造によって現象を理解し、場合によっては制御するための方法論」(wikipedia)である。現在はポスト構造主義と言われているけれど、例えば言語学における構造抽出そのものは、物事を理解するのに役立つ。

動物化するポストモダン

注目の批評家による画期的論考!! 物語からデータベースへ。オタクたちの消費行動の変化が社会に与える大きな影響とは? 気鋭の批評家が鋭く論じる画期的な現代日本文化論!

動物化するポストモダン オタクから見た日本社会 (講談社現代新書)

動物化するポストモダン オタクから見た日本社会 (講談社現代新書)

 648円(259pt還元)。

話題を呼んだ前作『動物化するポストモダン』より5年半の待望の続編。明治以降の「自然主義的リアリズム」、大塚英志の「まんが・アニメ的リアリズム」に対して「ゲーム的リアリズム」とは何か? まさに文芸批評の枠を超えた快著。

ゲーム的リアリズムの誕生 動物化するポストモダン2 (講談社現代新書)

ゲーム的リアリズムの誕生 動物化するポストモダン2 (講談社現代新書)

 702円(280pt還元)。東浩紀のオタク評論シリーズ。今となっては反論も多いのけど、データベース消費やゲーム的リアリズムといったタームは自分にとっての大きな補助線になっている。

ビッグデータ蓄積・記録・行動分析

ビッグデータの覇者たち (講談社現代新書)

ビッグデータの覇者たち (講談社現代新書)

ビジネスマンのための「行動観察」入門 (講談社現代新書)

ビジネスマンのための「行動観察」入門 (講談社現代新書)

 自動的な記録や行動分析の領域を増やしていくと、自己言及や自己認識と実行動のズレを知ることになる。この実行動の変化の羅列が時代を読むということなのだろう。

煙か土か食い物

腕利きの救命外科医・奈津川四郎に凶報が届く。連続主婦殴打生き埋め事件の被害者におふくろが? ヘイヘイヘイ、復讐は俺に任せろマザファッカー! 故郷に戻った四郎を待つ血と暴力に彩られた凄絶なドラマ。破格の物語世界とスピード感あふれる文体で著者が衝撃デビューを飾った第19回メフィスト賞受賞作。

煙か土か食い物 (講談社文庫)

煙か土か食い物 (講談社文庫)

 486円(194pt還元)。疾走感のある独特な文体でバイオレンスを描ききる舞城王太郎のデビュー作。あの頃のメフィストが示した文体や構造に移り変わる時代を感じたものだったな。

ロズウェルなんか知らない

温泉もない、名所があるわけでもない、嫁のきてもない。観光客の途絶えた過疎の町、駒木野。青年クラブのメンバーたちは町を再生することで、自らの生き方にも活路を見出そうとするが。地方の現実に直面する人々の愚かしくも愛しい奮闘を描いた胸に迫る長篇。「日本の四次元地帯」として駒木野は再生するのか?

ロズウェルなんか知らない (講談社文庫)

ロズウェルなんか知らない (講談社文庫)

 810円(324pt還元)。過疎地をUFOで町おこしというプロットなのだけど、UFOにかぎらずとも『限界集落(ギリギリ)温泉第一巻』みたいな話はどんどん増えていくのだろうと思う。それを回帰とみるか、新しいとみるかは難しいのだけど。

ロカ

長らく文庫化されなかった、中島らも、最後の小説。天才が予見した自らの未来は。作家・小歩危ルカ、六十八歳。巨額の印税を得て以来、新宿のホテルで一人暮らし。相棒はWネックのギター「ロカ」。あとは酒と大麻と鮟鱇鍋。「IQが185もあると予知能力が備わる。だから私の予知したことは、ほぼ、九十六パーセント当たるんだ」。著者が急逝直前まで書いていた、問題の近未来の私小説。

ロカ (講談社文庫)

ロカ (講談社文庫)

  691円(276pt還元)。中島らも、最後の小説は未来予測的な近未来的私小説。執筆途中に急性したため、完成していないのだけど、だからこそ未来の先がどうなるのかを考える余地がある。「移り変わる時代」と言っても、これらの書籍が出版された時代が既に「一時代前」のものであって、その頃に思い描いていたことと現実との差分を考えることで少しだけマシな精度にしていくことができるのだと思う。

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