サムスンが作った「スケスケ」なトラックが話題になっています。
こんな感じ。トラックの前がスケてる!
一見普通の大型トラックなのですが、後ろから見ると大きなディスプレイが4つ付いているのが最大の特徴。トラックの前面にワイヤレスカメラが付いていて、走行中に前方を撮影し、その画像をそのまま後ろのディスプレイでストリーミングする……というシンプルな仕組みです。
このトラックの狙いは、交通事故を減らすこと。片側一車線で追い越し車線がない道路で、ゆっくり走る大きなトラックの後ろに付いてしまうと、抜きたいが前が見えない、という状況になります。このとき、前が見えないのに無理をしてトラックを追い越そうとした結果、反対車線を走ってきた車にぶつかって交通事故が起こる……というのはよくある話。このトラックなら、トラックの前が見えるので追い越しをしても危なくない、事故が防げるという目的で作られました。
サムスンは現在、アルゼンチンにこのトラックを持って行き、路上でトラックの実走テストをしています。アルゼンチンは世界でワースト5に入る交通事故の多い国であり、事故がもっとも多いのが片側一車線での追い越しで起こるケースなのだそう。
安全なスケスケトラックはとてもいいアイデアですが、問題は「トラックごとに大型ディスプレイを4枚付けにはお金がかかりすぎる」という点。直接利益を生むわけではないので、運送会社にしてみれば大規模投資は難しいところです。しかしサムスンは、大型ディスプレイのサンプルを提供したり、法律に準拠NGOと協力するなどしながら、前向きにこのプロジェクトに取り組んでいるそうです。
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