トップページ国際ニュース一覧米連邦裁 医療保険制度の補助金支出を合法判断
ニュース詳細

米連邦裁 医療保険制度の補助金支出を合法判断
6月26日 4時35分

アメリカの連邦最高裁判所は、オバマ政権が推進する医療保険制度改革を巡ってて、違法だと訴えられていた補助金の支出を合法だと判断し、制度改革が継続されることになりました。ただ、野党・共和党は引き続き撤廃を求める構えで、攻防が続くことになります。
アメリカの医療保険制度改革は政府が補助金を出して所得が低い人でも保険に加入できるようにするもので、オバマ政権が導入しました。
この補助金は、それぞれの州が開設したウェブサイトを通じて保険の加入手続きを行った人に出すことが法律で定められていますが、制度改革に反対する州では開設されていないため、連邦政府のウェブサイトを通じて手続きが行われています。
原告側の市民は、そうした人たちにも補助金を出すのは違法だとして裁判を起こしていましたがワシントンの連邦最高裁判所は、25日、この訴えを退け、手続きは合法だとする判決を言い渡しました。
この判決によって制度の根幹が揺らぐ事態は回避され、改革は継続されることになり、アメリカメディアは「オバマ大統領の勝利だ」と伝えています。
ただ、議会で多数を占める野党・共和党は巨額の財政負担につながるなどとして、引き続き制度改革の撤廃を求める構えで、みずからの功績としたいオバマ大統領との間で攻防が続くことになります。

オバマケアと攻防の歴史

オバマ政権が推進する医療保険制度改革は6人に1人が無保険と言われたアメリカで政府が補助金を出して所得が低い人でも保険に加入できるようにするなど事実上の国民皆保険を目指すもので、「オバマケア」とも呼ばれています。
オバマ大統領は歴代の民主党政権が悲願としてきた制度改革を実行するための法律を就任2年目の2010年に成立させました。
制度改革は去年1月から本格的に実施され、保険の加入者はすでに1000万人を超えています。これに対して、野党・共和党は巨額の財政負担を強いるもので、保険に加入するかしないかを決める個人の自由も奪うことになるなどとして制度改革の撤廃を求めています。そして、多数を占める議会で、制度改革に必要な予算を認めることを拒否し、政府機関が一部閉鎖される事態を招くなど、オバマ大統領との間で対立の火種となっています。
ただ、2012年に全米の20余りの州が「国民に保険の加入を義務づけるのは憲法違反だ」として撤廃を求めた裁判では連邦最高裁判所が憲法違反にはあたらないとする判断を示しました。

オバマ大統領「米国民の勝利」

アメリカの連邦最高裁判所が医療保険制度改革を巡る補助金の支出を合法だと判断したことについて、オバマ大統領は25日、ホワイトハウスで「これで制度改革は継続される。全米の国民にとっての勝利だ」と評価しました。
その上で「さらに前進するため野党・共和党や与党・民主党とともに取り組んでいきたい」と述べ、制度改革の撤廃を求める共和党に対立を繰り返さず、協力するよう求めました。
また、最高裁の前には全米各地から医療保険制度改革を支持する人たちが大勢集まりました。女性の1人は「判決は歴史に残る大きな一歩であり、興奮している」と話していました。一方で、制度改革に反対し、判決に反発する人の姿も見られました。

関連ニュース

k10010128081000.html

関連ニュース[自動検索]

このページの先頭へ