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 下京区の歯科医師古田博一さん(55)が、広島の原爆で被爆し京都で亡くなったマレーシア人留学生の足跡や、東京電力福島第一原発事故の被災地の様子や被災者の思いなどを収めたドキュメンタリー映画「ヒロシマが泣いている フクシマが泣いている」を制作した。27日に中京区で自主上映会を開き、初公開する。

 映画に登場する留学生はサイド・オマールさん。当時マラヤ(現マレーシア)の王族で、日本占領下の東南アジア諸国から集められた「南方特別留学生」の一人だった。現在の広島大に在学中に被爆し、帰国するために東京に向かう途中、容体が悪化し京都で亡くなった。

 オマールさんが眠る左京区の圓光寺に、古田さんの母方の祖父のお墓があり、幼いころからオマールさんの死に関心を持っていた。さらに父方の祖父は広島で被爆。体験を聞き、原爆の恐ろしさやむごさを意識して育ったという。