報道発表資料 [2015年6月掲載]

伝染性紅斑が流行、都内で警報基準を超える

平成27年6月25日
福祉保健局

 伝染性紅斑は年によって発生に差がみられる疾患ですが、昨年秋より過去5年平均を大きく上回る状況が続いています。
 6月15日から6月21日(第25週)の1週間における患者報告数は都の警報基準を超え、大きな流行となっています。
 伝染性紅斑の患者の約71%は、6歳以下の小児となっています。
 家庭での手洗いの習慣づけや保育所、幼稚園、学校などでの感染予防の指導にご協力をお願いします。

伝染性紅斑の発生状況

  • 平成27年第25週(6月15日〜21日)の都内264か所の小児科定点医療機関から報告された定点当たり患者報告数(都内全体)は 1.27人(/週)となっています。
  • 保健所別の患者報告数が警報レベルにあるのは、31保健所中8保健所で、管内人口の合計は、東京都全体の33.3%になります。

※警報レベル(伝染性紅斑の場合):保健所単位で定点あたり2.0人/週を超えると警報開始となり(警報開始基準)、1.0人/週を下回ると警報が終息します(警報終息基準)。「警報レベル」は、警報開始から警報終息までの間の状態を指しています。
※都の警報基準:警報レベルにある保健所の管内人口の合計が、東京都全体の人口の30%を超えた場合

伝染性紅斑とは

  • ヒトパルボウイルスB19を原因とする感染症です。患者報告は小学校入学前後の小児のものが多いですが、成人の発症もあります。
  • 症状は、両頬に紅い発疹、体や手・足に網目状の発疹がみられ、1週間程度で消失します。発疹が淡く、他の疾患との区別が難しいこともあります。発疹が出現する7〜10日前に、微熱や風邪のような症状がみられることが多く、この時期にウイルスの排出が最も多くなります。

感染経路と感染予防のポイント

  • 患者の咳やくしゃみなどのしぶきに触れることによって感染(飛沫・接触感染)する感染症なので、一般的な予防対策(手洗い、うがい、咳エチケット等)を心がけることが大切になります。
  • 妊娠中(特に妊娠初期)に感染した場合、まれに胎児の異常や流産が生じることがあります。周囲で患者発生がみられる場合、妊娠中あるいは妊娠の可能性がある女性は、できるだけ患者との接触を避けるよう注意してください。

東京都における定点当たり患者報告数(伝染性紅斑)(過去5シーズン)

東京都感染症発生動向調査より http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/

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東京都における伝染性紅斑の発生状況(保健所管轄地域別)(2015年第25週)

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※発生状況(定点当たり患者報告数)の塗り分けは、各保健所の管轄範囲が単位(例えば、小平市、東村山市、清瀬市、東久留米市、西東京市は全て、管轄する多摩小平保健所における発生状況に対応した色で塗り分けられている)です。
※警報基準は保健所単位で2.0人/定点を超えた場合です。警報の終息基準は1.0人/定点未満です。終息基準を満たすまで、警報は継続します。現在、警報レベルにある保健所は、「台東、荒川区、練馬区、足立、八王子市、南多摩、多摩立川、多摩府中」です。
※都全体の警報は、警報レベルにある保健所の管轄する人口の合計が、都全体の人口の30%を超えた場合です。

 最新の情報については、東京都感染症情報センターのウェブサイトをご覧ください。

※別紙 伝染性紅斑とは

問い合わせ先
(感染症に関する東京都の対応等、全般に関すること)
福祉保健局健康安全部感染症対策課
 電話 03-5320-4482
(感染症患者の報告数(感染症発生動向に関すること))
東京都健康安全研究センター企画調整部健康危機管理情報課
 電話 03-3363-3213