[認知症検査強化] 早期発見で事故を防げ
( 6/25 付 )

 75歳以上のドライバーの認知機能検査を厳しくする改正道路交通法が衆院本会議で成立した。公布後、2年以内に施行される。

 今後は、3年ごとの運転免許更新時の検査で「認知症の恐れ」と判定されたら、すべての人が医師の診断書を提出しなければならない。発症していれば、免許の停止か取り消しとなる。

 「認知機能低下の恐れ」や「問題がない」という軽度の判定でも、逆走などの違反をすれば臨時の検査を義務付けられる。臨時講習が必要な場合もある。

 現在は「認知症の恐れ」と判定されても過去1年間に違反がなければ、診断書なしで免許を更新できるから格段に厳しくなる。

 年を重ねるに従い、だれしも判断力や運動能力の低下は避けられない。厳格な検査で認知症を早期発見し、悲惨な事故を防止するのは当然である。

 ドライバーの側も高齢者に限らず、機能低下を感じたら積極的な受診を心がけたい。

 警察庁によると、昨年、75歳以上で「認知症の恐れ」と判定されたのは、約5万3000人で1236人が受診した。このうち認知症と診断され、免許取り消しになったのは348人、経過観察による免許停止は8人だった。

 鹿児島県内で、認知症を理由に免許取り消しを受けたのは前年より11人多い27人。うち、14人は免許更新時の検査がきっかけで認知症が分かった。残りは物損や自損事故などで判明した。

 物損事故などで済めばいいが、高速道路の逆走やアクセルとブレーキの踏み間違いなどは、死亡事故につながりかねない。

 昨年、全国で75歳以上が起こした死亡事故は471件あり、38%が「認知症の恐れ」や「認知機能低下の恐れ」との判定だった。

 認知症を甘く見てはいけない証左である。肝に銘じたい。

 気掛かりなのは、検査が厳格化されるため、免許の取り消しが急増して高齢者の足が奪われかねないことだ。

 日本精神神経学会は、運転能力のある人も一律に制限される恐れがあると危惧する。医師が見落とさないように、疑いの段階で病気と診断する傾向があるからだ。

 学会関係者は「運転の機会を奪われ、買い物や通院ができなくなる影響は大きい。残された能力や支える家族がいるかなど、生活実態を踏まえて判断すべき」と、病状以外の生活能力も診断書に反映させるよう訴えている。

 こうした認知症の診断のあり方や、生活の足の確保など対応策も急ぎたい。


 
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