がん治療情報コラム
<早期発見・早期治療は幻想だった!死亡率を下げる検査は、39種類のうち4種類だけ>
もしかすると、死に至る病気の早期発見・早期治療を目指したがんなどの検診は、意味のないものが多いのかもしれません。
死亡率を下げる効果があるのは、男性の腹部大動脈瘤を探す超音波検査と、乳がんを探すマンモグラフィー。あとは大腸がんを探す便潜血検査と大腸カメラだけ、という研究結果がありました。腫瘍マーカーや胃カメラなど、その他の検査は、死亡率を下げることもなく、あまり意味がないということになります。
マンモグラフィーや前立腺がんの腫瘍マーカーなど、自覚症状の乏しい病気を見つけるための検査(スクリーニング)は早期発見を目指して広く行われてきましたが、「必ずしも生存率の改善に結びつかないのではないか」という意見もあります。この論争に対して、アメリカの研究班が複数の論文をまとめて検証し、「スクリーニングによって生存率が改善する場合は限られている」という結果を出しました。
この研究は、死に至る病気を対象として、スクリーニングを行うことで死亡率が下がるかどうかの検証を目的としました。
研究班は米国予防医学専門委員会などの論文データベースから、19の病気についての研究で、ランダム化研究という信頼度の高い種類の研究と、メタアナリシスという複数の論文を統合する研究を集め、その内容を詳しく調べました。
スクリーニングの効果は、検査対象とする病気による死亡率(疾患特異的死亡率)と、全ての死因をあわせた死亡率の変化で評価しました。
集まった研究では、19の病気について39のスクリーニング検査が検討されていました。そのうち6種類の病気に対する12種類のスクリーニングは、米国予防医学専門委員会によって推奨されているものでした。
この19の病気について、9件のメタアナリシスと48件のランダム化研究を検討したところ、メタアナリシスのうちで疾患特異的死亡率を下げるとされた検査は4種類あり、男性の腹部大動脈瘤を探す超音波検査、乳がんを探すマンモグラフィー、大腸がんを探す便潜血検査と大腸カメラでした。
全死因の死亡率を下げるとされた検査はありませんでした。個別のランダム化研究では、疾患特異的死亡率を下げる効果が見られた検査は研究対象とされた検査のうち30%、全死因の死亡率を下げると見られた検査は研究対象のうち11%でした。
研究班は、いま行われているスクリーニングが疾患特異的死亡率を下げることは「多くない」、また、全死因の死亡率を下げることは「非常にまれ、または存在しない」と述べています。