LINEのEC関連事業への参入が本格化!EC市場でも覇者となれるのか
無料通話・メールのスマートフォンアプリサービスを中心に展開してきたLINEだが、その勢いはコミュニケーションツールだけに留まらない。ゲームアプリやカメラアプリ、さらにはLINEのプラットフォーム上で提供するニュースサービスなど、様々な新規事業を次々と展開し始めている。
EC関連サービスも、LINE MALLをはじめ、LINE PayやLINEWOWなど複数のサービスを立て続けにリリースしているLINE。今回はその中でも、LINE FLASH SALE、LINE Collection、LINEギフトの3つのサービスを紹介していき、LINEのECの取り組みをしっかりと見ていきたい。
<参考>
オンデマンドECは日本市場に浸透するのか - kaukul、LINEWOWの挑戦
新たな決済サービスLINE Pay・SPIKEと世界標準のPaypalは日本のEC決済の常識を覆すのか
ソーシャルギフトはどこまで手軽に進化するのか - e-Gift system、LINEギフト、SPOTLIGHTS
LINE MALL(ラインモール)待望の船出 - グランドオープン時の展開とEC業界に与える影響
LINE FLASH SALE
「LINE FLASH SALE」 は曜日ごとにテーマを設定して毎日1万点以上の商品を追加し、1週間限定で販売するサービスである。LINEアプリ上の「LINE app」の項目から表示できるので、外部アプリをダウンロードする必要はない。また、毎日の販売開始前にLINE FLASH SALEの公式アカウントがプッシュ通知でリマインドするので、機会を逃さずに購入することができる。
具体的な内容について見てみよう。取扱商品は様々で、ファッションアイテムや食品、コスメ用品など毎日1万点以上を追加している。商品の掲載期間は1週間限定で、ひとつの商品の販売数にも限りがある。また、その広範囲の商品とユーザーをマッチしやすくするため「月曜日:メンズファッション」「火曜日:プチプラファッション」といったように、 曜日ごとにテーマを設定している。ユーザーが曜日に応じて商品を予測し易くするための試みだ。取り扱う商品は在庫にかかわらず1週間ごとに全て切り替わり、翌週になると同じ曜日テーマで新たな商品が入荷される。
このようなシステムを実現させるため、バックヤード業務に特徴的な工夫がなされている。輸入販売業者やメーカーから商品を委託された中間業者に対して、店舗や他のEC事業者に在庫を卸す前に「LINE FLASH SALE」向けに一定期間商品をキープするように要請しているのだ。このような独自の受発注システムが豊富な品揃えと商品のバラエティ性を実現している。
販売終了まで1日を切ると商品一覧の上部にカウントダウンが表示されるようになっており、すでに完売した商品は一覧から削除される。商品一覧はユーザーの閲 覧数に応じてリアルタイムで変動し、閲覧回数の多い商品ほど画面の上位に表示されるようになるため、必然的に購入の競争率が上がるシステムとなっている。 フラッシュセールならではの臨場感が強調されているのが特徴だ。
実際にこのサービスを使用してみると、曜日によって3,000円以下のファッションアイテムからブランドバッグ、人気スイーツにいたるまで、バラエティ豊かな商品が「お得感」のある価格で並んでいる。商品の購入はLINEアプリ上のLINE FLASH SALEでそのまま行うことができ、支払い方法はクレジットカード決済・コンビニ支払い・Pay-easy決済・LINE Pay決済の4つから選ぶことができる。購入手続き後にLINEアカウントの「LINEMALLお知らせ」からトーク画面で支払い情報が届くのも便利だ。
LINE ギフト
「LINE ギフト」は、LINEでつながっている友だちにギフトをプレゼントできるソーシャルギフトサービスだ。2014年11月から「LINE MALL」内で同名のサービスを展開していたが、現在はLINE FLASH SALEと同様にトーク通話アプリのLINEから直接利用することができる。
LINE MALL時代のギフト商品はヴィンテージワインやフラワーアレンジメントなど「贈り物」的な側面が強い商品が多かった。しかし新たにスターバックスやファミリーマート、 ローソンといった身近な店舗のドリンクチケットや、1,000円前後のスイーツ、ファッション雑貨といった商品が追加され、より気軽に「感謝の気持ち」を伝えるためのギフトとして機能を強化した。本格的なギフトのラインナップも健在で、他にもブランドのアクセサリーや時計、タオルなどの日用品、アロマディフューザーなどの雑貨、食品詰め合わせのギフトセットなどが取り揃えられている。友達の誕生日からカップルや夫婦の記念日、結婚や出産、お中元などの幅広い用途での利用が可能だ。
利用方法も簡単で、ギフトを選んだら贈る相手をLINEの連絡先一覧から選択し、支払い方法を入力するだけでOKだ。支払い方法はLINE FLASH SALEと同様にクレジットカード決済やコンビニ支払い等の4つから選ぶことができる。ギフトを贈る際、住所が必要な場合は受取人側で配送先住所を設定し、電子チケットタイプのギフトは受取人が好きな時に近くの店舗で商品と交換できる仕組みになっている。LINEでつながっていれば相手の住所を知らなくても贈ることができるので、気軽にちょっとしたサプライズで贈ることも可能だ。
気軽に送ることができるプレゼントが新たに追加されたことで、LINEの気軽さとマッチして、今後ソーシャルギフトを賑わす一つのサービスとなりそうだ。
LINE Collection
「LINE Collection」 はまだ知られていない国内外の気鋭デザイナーやブランドの商品を専任の担当者が選定し、LINEアプリのプラットフォームや専用ホールセールサイトを通じて有力なバイヤーや小売店と繋ぐサービスである。完全子会社のBonsai Garage株式会社を通じて今夏を目処に開始される。
有望だが知名度・流通網といったコネクションを持たないデザイナーやブランドを有名セレクトショップや量販店に紹介することで、今まで見逃されていたような新たなトレンドを発信し消費者に届けるための試みだ。価格帯や購買層を制限せず国内外から幅広くデザイナーやブランドを選定するため、小売店もLINE Collectionに依頼することで商品調達のコストを削減することができる。
アパレル・アクセサリー・ライフスタイルの3分野を対象として、LINE Collectionの担当者が国内外のデザイナーやブランドをピックアップして、「専売ディストリビューター」としての契約を結ぶ。その後、LINEプラットフォームを通じて小売事業者向けにそれらを提供していく形となる。専用ホールセールサイトも今夏オープン予定だ。まずは30ブランドからスタートし、月10以上のペースで拡充していく予定である。また、4月24日から7月20日まで期間限定でラフォーレ原宿にポップアップストアをオープンした。
ここでは専用ホールサイトのサービス開始前からLINE Collectionが選んだ新進気鋭のアーティスト達の商品を見ることができる。こちらの店舗は小売事業者だけでなく、ユーザーも商品を手にとることができるようだ。
EC市場でも覇者となれるのか
「LINE MALL」の開始を皮切りに「LINE FLASH SALE」やオンデマンドECサービス「LINE WOW」といった事業展開によってEC事業のノウハウを積んだLINEは、独自の流通網の形成に力を注いでいる。また、2014年8月には生産者などと直接契約を結び農産物や魚介類を販売する「LINE マルシェ」や、店舗のみを展開している人気セレクトショップの商品を販売する「LINE セレクト」などを発表しており、仲介者となるサービスの準備も並行して進めている。今後LINE Collectionの商品を直接ユーザーに販売する事業も視野に入れているようだ。LINEでは「商品との出会いの最大化=つながりによる消費」をコンセプトした「ユーザーの生活に密着したインターネットでの買い物体験を創出」を掲げており、このような取り組みはさらに加速していくだろう。
2011年に無料通話・メールアプリケーションをリリースしたのち、翌年から関連アプリのリリースを開始したLINEは、昨年6月末の時点でファミリーアプリを含めた累計ダウンロード数が10億件を突破したと発表した。そのダウンロード数はゲームアプリへの本格参入を開始した時期から一気に増加し、現在もその勢いは衰えていないように見える。
さらにLINEは、現在でも毎月のように新たなサービスを開始している。これまではカメラやゲームといったエンターテイメント向けアプリケーションのリリースを中心事業としていたが、現在のLINEは送金・決算サービスLINE Payを始めとして、ユーザーの生活に密着したサービスに着手し始めているのが大きな特徴だ。EC事業への本格参入もその一環であると考えることができる。
LINE FLASH SALEでは、曜日ごとにジャンル設定することでフラッシュセールのチェックをユーザーの生活の一部に組み込もうとする試みがなされた。またLINE ギフトでは、ソーシャルを利用した手軽な「贈り物」の文化を新たに根付かせようと試みている。そしてLINE Collectionでは今まで見過ごされていたような無名アーティストを探索し、LINEのプラットフォームを利用して彼らに光をあてることによって、 新たな市場を開拓することを目標にしている。無料通話・メールアプリのLINEは最早インフラといっても過言ではなくなったが、そのコミュニケーションアプリの成功で手にした「ユーザーとの距離の近さ」をさらに利用して、EC関連事業においても「ユーザーにとってなくてはならない存在」となることを目指しているのではないだろうか。
今後もこれらのEC事業をどのように広めていくのか、またさらにどのような新規サービスを発表していくか、LINEの動向をさらに注目していきたい。
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