真海喬生
2015年6月24日05時21分
総務省は23日、携帯電話の電波が心臓ペースメーカーなどに影響を及ぼす恐れは非常に低い、と初めて指摘する指針案を公表した。「15センチ以上離す」という距離基準は維持するが、基準が患者の不安を生んでいるとの指摘を受け、それを和らげる表現を盛り込んだ。
総務省の検討会が発表した。意見公募を経て、8月ごろにも決定する予定だ。
総務省は、これまでの調査で、ペースメーカーを携帯電話に近づけると誤作動などの影響があったため、現行の指針では15センチ以上離すべきだとしている。今回はこれに加えて、人工心臓を動かす装置などの医療機器の影響を調査した。一部の機器では、携帯が3センチまで近づくと誤作動などがあったとし、これまで同様、15センチ以上離すことを促す指針案をまとめた。
だが、検討過程で、一部の識者から調査について、携帯の電波を断続的に最大出力で、医療機器の感度も最大にした条件で行われており「現実では起こりえない」との意見があった。東京女子医科大の庄田守男教授は「日常生活で携帯電波が医療機器の不具合を起こした例は報告がない。患者の不安を生むだけで弊害の方が大きい」と指摘する。
指摘を受け、総務省も指針案に初めて「影響が発生するとは限らない」との文言を盛り込んだ。
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