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ギリシャの財政危機を巡って欧州連合(EU)のユーロ圏財務相会合や首脳会…
ギリシャの財政危機を巡って欧州連合(EU)のユーロ圏財務相会合や首脳会議が今週、立て続けに開かれる。ギリシャが示す財政改革案をEU側が了承すれば、金融支援へ前進する。
ただ今回の危機をしのいでも問題が解決するわけではない。ギリシャ危機が沈静化するわけではなく、年内にも追加支援が焦点になるのは必至の情勢だ。
危機の直接の原因はギリシャの放漫財政にあるとはいえ、危機を通じて、ユーロという通貨が根底で抱えている困難があらわになっている。根本に立ち返って対策を講じない限り、問題は解決しないのではないか。
ユーロ19カ国は通貨と金融政策をひとつに統合しながらも、財政は各国に任され、統合されていない。
各国がそれぞれ通貨をもつなら、経済力の弱い国の通貨は安くなることで輸出競争力が増して雇用も改善する。ところが通貨統合したユーロのもとで、ギリシャは経済が弱っても通貨安の恩恵には浴せない。
また、ユーロ圏の財政が統合されていれば、経済が好調な国の潤沢な税収から、経済が弱い国々に「地方交付税」のような形で再分配すれば、弱い国にあいた財政の穴は埋められる。
解決手段として、ギリシャの「ユーロ離脱」も取りざたされている。だが、ギリシャ国民の世論調査では「残留」を望む声が多い。なにより欧州の平和と安定をつくる統合の理念を考えれば、その流れに水を差すギリシャ離脱はなんとしても避けたいところだろう。
ユーロ圏には、経済が強く財政状態も良好なドイツなどと、ギリシャやイタリア、ポルトガルといった財政が脆弱(ぜいじゃく)な国々との「南北問題」がある。本来は財政を統合して、欧州統合を深化させることが王道だろう。
とはいえ財政統合への道は険しい。これまでのギリシャ支援を振り返っても、国民感情が障害となってきた。財政統合はより政治統合の意味を帯び、ユーロ諸国の人々に自らをヨーロッパ人と規定できるのか、という問いを投げかける。その実現にはまだ時間がかかるだろう。
ならば、たとえば、当面は経済の強い国と弱い国の通貨を2部制にするといったユーロの制度を修正することに知恵を絞ってはどうか。
ユーロの構造的な欠陥に手をつけない限り、ギリシャの危機は終息はしないし、第2、第3のギリシャが現れる恐れすらある。欧州にとっても世界経済にとっても、この火だねを抱え続けるのは健全ではない。
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