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実写映画「ちはやふる」は2部作で公開!千早役は映画初主演の広瀬すず

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綾瀬千早役を演じる広瀬すず。(c)2016 映画「ちはやふる」製作委員会 (c)末次由紀/講談社

綾瀬千早役を演じる広瀬すず。(c)2016 映画「ちはやふる」製作委員会 (c)末次由紀/講談社

末次由紀「ちはやふる」を原作とした実写映画のキャストと公開時期が、本日6月24日に発表された。主人公の綾瀬千早役は、映画初主演となる広瀬すずが務める。

千早の幼馴染の1人・真島太一役は映画「日々ロック」などに出演した野村周平が、千早に競技かるたを教えた綿谷新役は「劇場版 仮面ライダードライブ サプライズ・フューチャー」にも出演が決定した真剣佑がそれぞれ演じる。

このほか千早のかるた仲間である大江奏役は上白石萌音、西田優征役は矢本悠馬、駒野勉役は森永悠希。また若宮詩暢役を松岡茉優、須藤暁人役を清水尋也、木梨浩役を坂口涼太郎、宮内妙子役を松田美由紀、原田秀雄役を國村隼が担当する。監督と脚本を務めるのは、「タイヨウのうた」「カノジョは嘘を愛しすぎてる」などで知られる小泉徳宏。

末次は「ちはやふるの実写化の難しさを1番感じていたのは自分でした。でもこの題材に真正面から取り組んで下さってる小泉監督は、私よりも何歩も深く踏み込んで、空気ごと再構築して下さっています。今は小泉監督の作品としての仕上がりが楽しみでなりません!」とコメントを発表。7月1日発売のBE・LOVE14号(講談社)には、末次が描き下ろした映画キャストの似顔絵が掲載される予定だ。

実写映画「ちはやふる」は2部作で制作。「ちはやふる・上の句」は2016年3月、「ちはやふる・下の句」は2016年4月に順次公開される。公式サイトも本日オープンしたほか、映画と原作のスタッフが関連情報をつぶやく公式Twitterも開設された。

広瀬すずコメント

家に百人一首があるくらい、家族全員で原作の大ファンです。原作の千早は、身長が高くロングヘアーで、自分とは違うイメージかなと不安もありましたが、色々な作品を演じていく中で自分にも千早のような熱い部分があると感じました。千早の熱をしっかり表現し、少しでも彼女のまっすぐさ、芯の強さに近づいていきたいと思います。
また「映画初主演」ということはあまり意識せずに、キャストのみんなと同じ場所で、小泉監督がつくる『ちはやふる』の世界でイキイキと一番輝いている千早として生きられるように頑張りたいと思います。

末次由紀コメント

映画化の企画を聞いてからもずっと半信半疑でいました。ちはやふるの実写化の難しさを1番感じていたのは自分でした。でもこの題材に真正面から取り組んで下さってる小泉監督は、私よりも何歩も深く踏み込んで、空気ごと再構築して下さっています。今は小泉監督の作品としての仕上がりが楽しみでなりません!

小泉徳宏監督コメント

千早を演じる広瀬すずについて

素直で、無邪気で、情熱的で、周りの人間を魅了しながら前へ前へと突き進む。綾瀬千早という人物像を違和感なく演じきれる役者は、広瀬さんをおいて他に考えられません。広瀬さん自身は、実は千早とは逆にとてもシャイで慎ましい方なのですが、そこはさすが役者。ひとたびカメラが回ると、途端に役に入り込んで千早の弾けるようなキャラクターへと豹変するのです。皆さんにその変貌ぶりを早くご覧になって頂きたいです。

昨今の映画作品に無い、高校生の等身大に近いキャスト陣について

10代の役者たちにも素晴らしい才能がたくさんいることを以前から感じていましたので、その役に相応しい人たちを選んでいった結果、実際に高校生、或いはほんの少し前まで高校生だったという、等身大に近いキャストになりました。
でも若いからと言って侮るなかれ。彼らはみんな、その若さにもかかわらず、とんでもなくプロ意識の高い人たちばかりです。もちろん、完成された才能よりは至らないところもあるでしょう。でも裏を返せば、それこそが彼らにしか持ち得ない長所です。彼らの未完成なところが、より身近で、よりリアルな瑞々しさを作品に与えてくれます。

原作「ちはやふる」への想い

原作は一般的に言って少女マンガに分類されているのでしょうが、この作品の前では、そんなジャンル分けはほとんど意味が無いな、と思ったのが第一印象です。少女マンガであり、それ以上に少年マンガであり、スポ根、恋愛、青春、そして人間ドラマでもある。しかもこのマンガでは、百人一首を取り扱っていると言う点で、ある種音楽的でもあります。「和歌」とはよく言ったもので、実は百人一首には、まるでJ-POPの歌詞のような内容が多いんです。人が誰かを想う気持ちは、1000年以上も前から変わっていないという事なのでしょう。
そして、登場人物がいちいち魅力的ですね。千早、太一、新はもちろん、彼らを取り囲むキャラクターの一人一人がしっかり作り込まれていて、それぞれにドラマがあるから、愛さずにはいられません。心に残るセリフもいっぱいあります。好きなセリフはたくさんありますが、なかでも深作先生の「最終的に勝負で自分の命運をにぎるのは自分じゃない」は特に好きです。

映画「ちはやふる」への想い

映画1本分では語りきれないストーリーがある。『ちはやふる』は、そういう物語の一つだと思います。
ただダラっと話を引き延ばして2つに割ったようなものではなく、上の句と下の句、2本やる意味がちゃんとある、必然性のある2部作にしたいと思っています。上の句は、それ単体でも面白い映画になります。でも、僕のお勧めは下の句です。下の句を存分に楽しんで頂くために、上の句をご覧頂きたいぐらいです。
日本人ならば、何かの機会に一度は触れたことのある百人一首ですが、ほとんどの人はそれにじっくり向き合った事がありませんよね。僕も学生の頃はピンと来ませんでしたが、大人になってから詳しく知ってみるとどれもしみじみと胸に迫ってくる歌ばかりで、読んでいると涙が出そうになります。僕はこれまでも何度か歌をテーマにした映画を作ってきましたが、今回もまた違った形で「歌」を物語に取り込んでいく事になりそうです。
映画『ちはやふる』は、青春、恋愛、スポ根、音楽と、原作と同じく色々な顔を持った映画になります。僕の好きな歌に、『あひみての のちの心に くらぶれば 昔は物を 思はざりけり』という歌があります。恋心を知る前の自分と、知ったあとの自分との違いを比べた歌です。この歌のように、映画『ちはやふる』を見終わって映画館を出る時に、映画館に入る前の自分とは何かが違っている、少しだけ世界が明るくなった気がする。そんな風に思ってもらえる映画にしたいです。

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