来月上旬から助成申請 甲状腺検査県負担は約1000人 県議会一般質問
東京電力福島第一原発事故当時、18歳以下だった子どもの甲状腺検査で、治療や経過観察が必要となり県から医療費の全額負担を受ける対象は約1000人となる。7月上旬から助成の申請を始める。23日開かれた6月定例県議会本会議の一般質問で、西山尚利議員(自民、福島市)の質問に鈴木淳一保健福祉部長が示した。
県は3月31日現在、甲状腺検査の二次検査で「B」や「C」の判定を受けた1694人のうち、経過観察措置となった約900人、手術を受けた約70人が公費負担の対象になると見込んでいる。
甲状腺がんの手術費は被保険者の所得によって異なるが3万~30万円、経過措置の医療費は1万円前後と県はみている。
対象者には7月10日ごろに案内文書を送付する。医療機関で「診療情報個人票」に診断内容などを記入してもらい、これまでに支払った医療費を証明できる書類などと合わせて県に提出する。
甲状腺検査は超音波を使った一次検査、血液や細胞などを調べる二次検査とも受検者に医療費の負担はない。ただ、二次検査で甲状腺に一定以上の大きさのしこりなどが見つかり、経過観察や手術のための通常診療に移行した場合、医療費や手術費は原則、自己負担となる。
県は原発事故後、18歳以下の医療費を無料化しているが、19歳以上になった受診者は経済的な負担を余儀なくされてきた。このため、甲状腺検査を受け始めた時点にさかのぼって県が費用を支払う。避難などで県外に住民票を移した人も対象とする。
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