2015-06-24

アンパンマン!新しい顔よ!」

目を開けるより先に全身の痛みに気がつく。

やれやれ

まず目をゆっくりとあけ、辺りを確認する。

地質と植物の種類から幸いバイキン城の近くのようだとわかる。

「本当にあの馬鹿は手加減というものを知らない」

少し離れた場所スクラップにされたバイキンUFOが見える。

自分の体は驚異的な回復からあと20分も寝ていれば動けるようになるはずだ。

しかしバイキンUFO自分でまた修理せねばならない。

「まったく・・・

もう一度眠ろうと目を閉じかけて思いなおす。

まだ痛む体を持ち上げて、もぐりんを呼び出した。

もぐりんは派手な地響きを立てながらやってきた

「俺が信頼できるのはメカだけだ」

ドキンちゃん食パン野郎を追いかけて1週間は帰ってきていない。

もぐりんに乗り込み、先ほどの戦闘場所へと引き返す。

辺りにアンパンマンらがいないことを確認し、地上に出てある物を探しだした。

「確かこの辺りのはずだが・・・クソっ記憶が飛んでる。バタコめ。あいつのせいだ。」

しかしそれはあっさりと見つかった。

アンパンマンの交換された古い顔の方だ

幸いにも今回は獣害にもあっておらずかなりいい状態だ。

バイキン城に引き返し城の最深部へとおりる。

そこには高さ20m直径10mの円柱型の水槽があり、青白く光る液体で満たされている。

水槽の底のほうを見ると無数のアンパンマンの古い顔が今日もあの憎い笑顔をこちらに向けている。

「ケッ、利用されているとも知らずに」

特殊手袋をつけて、先ほど回収した顔をそっと水槽の中に沈める。

しばらくすると今入れた古い顔もぼんやりとした光を放ち始めた。

すると水槽の最下部につけられた大げさなライトが赤から緑になり、何度か点滅した後、緑のままとなった。

「やはり、今日だったか

アンパンマンの古い顔からエネルギーを取り出せることに気がついたのは偶然だった。

いつもどおりの結末を迎えた戦闘のあと、修理中の「だだんだん」のコックピットに古い顔があり、計器類が異常な反応を示しているのを見つけたのだ。

調べてみると微弱ながら「勇気」とやらが残っていることがわかった。

勇気なんてもの反吐が出るほど嫌いだったが、さら調査すると比較シンプル方法勇気から巨大なエネルギーを取り出せることが判明したのだ。

あのおじゃま虫を消し去るためにこれまでかなりの手段をとってきたが結局どれもうまくいかなかった。

あいつを消せないならとパン工場を狙ったがだめだった、バタコやジャムも狙ったがだめだった。

直接的な方法はうまくいかない因果律になっているのだ。何より自分自身にも甘さがでてきている。

なぜそんなことになっているのかはわからないが、わかる必要もない。別の方法を探すだけだ。

おそらくできるだけ離れた因果のところでやるしかないのだろう。

今日集めた顔で、計算必要エネルギーの1.2倍が取り出せるようになった。

アイデアはとても単純だった。

自分が菌のスペシャリストであること、そしてアンパンマンはパンが作れなくなれば勝手に自滅するということ。

このボタンを押せば自分自身にも止められなくなる

作戦開始前にこのセリフを言うのは初めてだっけな

「ばいばいき〜ん」

作戦イースト」が開始された

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