維新の党:橋下氏後継…大阪から候補擁立動き活発化

毎日新聞 2015年06月23日 19時59分(最終更新 06月23日 23時07分)

 維新の党で9月に予定される初の代表選を巡り、橋下徹最高顧問(大阪市長)に近い大阪系議員から、独自候補の擁立論が浮上している。労働者派遣法改正案などでの与党との協力で、非大阪系との対立に拍車がかかったためだ。代表の選出方法を決める党規約の策定でも、大阪系と非大阪系の綱引きが活発化している。

 「大阪都構想」の住民投票の否決と橋下氏の政界引退表明を受け、大阪系は影響力をどう維持していくかが課題だ。一部議員の間では、代表選に向けて松井一郎顧問(大阪府知事)への出馬待望論が出ている。

 同党は代表選の規約を検討中で、いったんは「国会議員1票、地方議員0・2票」の仕組みを内定した。これに大阪側が「地方の軽視だ」と反発。橋下氏が21日、松野頼久代表ら党幹部に地方議員も1人1票とするよう求めるメールを送り、見直しを余儀なくされた。橋下、松井両氏は23日に沖縄県内で松野氏と会い、改めて国会議員と地方議員の平等な扱いを求めた。

 維新の国会議員51人中、大阪系は10人強だが、地方議員は約320人のうち約200人が大阪を中心とした近畿地方の議員だ。橋下氏の要求通り1人1票を認めれば大阪系に有利なことは明白で、民主党や旧結いの党出身の議員の間では、橋下氏や大阪系への反発が強まっている。

 党規約は今週中にも決定する予定だったが、23日の執行役員会で「大阪など各支部の声を聞くべきだ」との意見が相次ぎ、決定は先送りとなった。党内では「大幅な会期延長で代表選を急がなくてもいい」との声も出ており、代表選が10月にずれ込む可能性もある。【福岡静哉、熊谷豪】

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