【ブリュッセル=小滝麻理子】英国とフランスを結ぶ英仏海峡トンネルが23日、海峡フェリーの雇用削減に反発する船員らのストライキにより一時不通になった。英国と欧州大陸を結ぶ国際高速鉄道「ユーロスター」は全面的に運行をキャンセル。仏側のトンネル付近に滞留する数百人の移民が混乱に乗じて英国行きのトラックに殺到し、大混乱となった。
ストは激化し、一部従業員らがタイヤを積んで火をつけた。安全上の懸念からユーロスターはその後、運休を決めた。
一方、仏警察は英国に向かうトラックのコンテナに飛び乗ろうとする移民に催涙ガスを噴射するなど周囲は騒然となった。トンネルの仏側の入り口付近の北部カレー市には近年、経済が好調な英国への不法入国の機会をうかがい、アフリカや中東から移民が集結。治安悪化や市の財政圧迫が懸念されていた。
ブリュッセル発ロンドン行きのユーロスターはブリュッセルに引き返した。ロンドンでの商談に向かっていた米国人の男性経営者は「明日早朝の便を予約し直したが、本当に復旧できるのか」と疲れた顔で語っていた。
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