勝負の極意:浅田次郎
カフェに行くのに、本を持っていくのを忘れた、と気付き、
家に戻るのも面倒なのでブックオフに寄って古本を購入。
浅田二郎の講演とエッセイをおさめた文庫。
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浅田次郎が変わった経歴を持った人だというのは聞いていたけれど、
確かに変わっている。
自衛隊、ヤクザの手先、アパレル社長、競馬評論家、という変遷。
結構前の本なので、今どうしているのかは知らないけれど、
未だにアパレル社長としても働いているのだろうか?
小説家としてデビューしてからも、アパレルの仕事、競馬(これは
趣味の延長なのかもしれないけれど)で稼ぎながら仕事として
小説を書いていた経験から、こんなことが書いてある。
”ひとつ言えるのは、二足のわらじを履いたからといって、
人間の力は決して半分にはなりません。
真剣にやれば、むしろ二倍になります。
そのくらい人間は普段はぼやっとしたり、つまらないことを
している無駄な時間が多く、しかも頭を使っていません。
体も使っていません。自分のキャパシティがこれでいっぱいと思うのは
思い込みに過ぎません。人間には無限の可能性があるのです。”
確かに、無駄なことに時間を使っているくらいなら、稼ぐための「商売」
とやりたい「仕事」の二足のわらじを履くというのは、良い戦略かも。
二足のわらじを履くにあたって、無駄なエネルギーを消費しないために、
3つの自戒を定めているそう。
うそをつかない
:嘘をつくということは時間も体力もものすごく消費する。
見栄をはらない
:これもものすごくエネルギーを消費する。
愚痴をいわない
:エネルギーを失ってしまう
確かにそうですね。そういうことに依る消耗は、全く無駄でしか無い。
ギャンブルで儲けてきた経験から、賭け事にも、人生にも波があるという。
波が来ていない時には場を外から見ることが必要、だけれど、
完全に目を背けてしまってはダメだと言う。
”人生の成功者は「冬の時代」には決してジタバタしない。
この時期に観察の努力を怠らない者だけが、最後に笑う。”
上手くいかない時にジタバタするんじゃなくて、少し離れつつも
冷静に観察しながら流れを来るのを待つ、か。完全に離れてしまってはダメ。
なるほど。
勝負師として一言。
「勝つ」という信念が無ければ、必ず負ける。
勝負とはそういうものである。
舐めとったらアカンわ。
本の中にも書いてあったけど、競馬のやり方を語っている人と、
あの小説を書いている人が同一人物だというのが、面白いというか、
驚くと言うか、信じがたいと言うか。
かなりヤクザな感じの、江戸っ子、というキャラクターが伝わってきます。
競馬の話なんか読んでいると、そもそも小説家っぽくないですが、
まあ、それはそれで憎めないし、含蓄があるなと思える本でした。
競馬で食べていく気は無いのでどうでもいいのだけれど、
売上の25%は胴元が持って行っていて、交通費だの、資料代だの、に費やす
経費が年間40万とあった。
となると、ホントに儲けを出すのは至難の業ですね。
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