若松真平
2015年6月24日08時59分
■就活する君へ
国民的な菓子「たけのこの里」「きのこの山」のパロディー商品を手作りして話題になっている男性がいます。作ったのは高知県に住む美術教師・橋村政海さん(54)。これらの作品には、かつて漫画家を志した彼から、生徒や就活生への熱いエールも込められています。
――あまりの完成度の高さから「怪しい会社がパクリ商品を発売か」と、ネット上で毎回話題になっています。
「始まりは2013年2月にブログで発表した『えのきの山』です。タマゴボーロに穴をあけ、プリッツをつっこんでチョコをコーティングし、えのきに見立てました。中身は手作りし、パッケージはパソコンを使って制作しています。大学時代はデザインを専攻していたものですから。本家の明治に対抗して会社名は『昭和』としてみました」
――えのき以外の作品も教えてください。
「パロディーだと、長さが通常品の5倍ほどある『たけのこの里ロング』や、本物のタケノコをチョコでコーティングした『たけのこの里ジャンボ』、きのことたけのこを合体させた『たきのこの山里』、毒キノコの『べにてんぐたけの山』などをつくりました」
――パロディー以外にはどういった作品が?
「ソーセージで『進撃の巨人』の巨人を再現した『進撃の超ドライソーセー人』や、パンの耳がついたままの商品がまれに存在すると話題になった『ランチパック』に、パンでつくった人の耳をくっつけた『耳つきランチパック』、書きためた漫画やパラパラアニメ、童話や粘土細工などを公開しています」
――漫画も描かれているんですね。
「中学時代から漫画を描き続けて『漫画家になる』という夢があったんです。描いた漫画の持ち込みなどもしましたが、大学を卒業するにあたって漫画家として生きていく自信が半分ぐらいしかなく、教職にも興味があったので、教師になる道を選びました。でも、漫画は描き続けてきました。仲間とグループ展を開催したり、子ども向けの漫画教室を開いたり。そうして描きためた作品をホームページやブログで公開してきたんです。漫画も、お菓子のパロディーも、『人を楽しませる』という意味では同じなので、自分の中では特に区別はありません」
――これらの作品、若者にメッセージを込めてつくっているそうですね。
「僕は漫画家をあきらめたわけじゃありません。仕事もしながら漫画も描く。大好きな夢は、仕事にしなくても続けていくことができるんです。仮に夢を諦めた僕が生徒に『夢を実現させろよ』と言っても説得力はありません。僕はこれからも漫画を描き続けます。だから一緒に夢を目指していこうよ、って伝えたいんです」(若松真平)
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