中学校で習った英語の基本の挨拶や表現。決まり文句のように使っていたけれど、実は堅苦しい雰囲気を醸し出したり、古めかしい印象を与えたりすることもあります。自然で、フレンドリーな関係が築ける話し方を、カリスマ英語教師のデイビッド・セイン先生に教えてもらいました。
【1】自己紹介をする
■My name is…はスピーチ用の言い方
「“My name is…”は、スピーチなどかしこまった場では使うこともありますが、挨拶のときには硬いイメージを与えてしまいます。フレンドリーに“I'm…”を使って名前を伝えましょう」
■仕事を聞く決まり文句はWhat do you do?
「相手の職業を尋ねるときの決まり文句が“What do you do?”です。“What is your job?” でも間違いではありませんが、ストレート過ぎる聞き方。避けたほうがいいでしょう」
■仕事の内容はできるだけ具体的に
「仕事を聞かれたら、それは相手との共通点を見つけ、距離を縮めるための質問と捉えてくださいね。何をしているのかを、できるだけ具体的に答えるようにしましょう」
【2】挨拶する
■How are you?は古くて社交辞令的
「“How are you?”は、古めかしいだけでなく、とりあえず言った社交辞令的な挨拶に聞こえがちな言葉。“How are you doing?”か“How's it going?” に」
■明るく親しみやすい返事を
「“I'm fine.”は、『何かしましょうか?』と聞かれたときに『大丈夫、邪魔しないで』といった意味の返事で使うことがあります。冷たい印象を与えるので、笑顔で“Good! ”と答えて」
【3】依頼する
■欲しいものを伝えるときはI’d likeで丁寧に
「“I want something to…”は『…が欲しいから持ってこい』と偉そうな言い方に聞こえてしまいます。お願いする場合は“I'd like something to…”と謙虚な言い回しを」
【4】誘う
■will、could、can…使い方で伝わる気持ちに違いが
「同じ誘うにも、プレッシャーを与えたり、断りにくい聞き方をしたりと言葉の使い方によって印象が変わります。誘うのに便利な言葉を1つ覚えるなら、Couldがいいでしょう。誰に対してもどんなときにも失礼のない言葉です」
【5】予定を伝える
■I willとI'llを使い分ける
「ネイティブは“I will”と“I'll”とを使い分けます。willを発音する場合、『絶対に』という強い意志を伝えます。これから行うことを軽く伝える場合は“I'll”で」
【6】お礼を言う
■very muchには「言わされている感」あり
「“Thank you very much.”は、子どもがお母さんに言われて渋々口にしたようなニュアンス。気持ちを伝えるなら、“Oh! ”を使って感謝を表して」
■You're welcomeは素っ気ない返事
「お礼を言われて“You're welcome.”と言うと、『当然でしょ』といった素っ気ない返事に聞こえます。“My pleasure.”や“No problem.”と返答して」
【7】おすすめする
■Please がついても命令口調
「“Please sit down.”は、“頼むから座ってて”と聞こえます。相手に何かをおすすめするときはpleaseの代わりに、“Go ahead and~”を使いましょう」
和製英語に注意
何気なく使っている言葉が、和製英語である場合も少なくありません。
どんなに発音が良くても海外では意味が通じないので、気を付けましょう。
この人に聞きました
デイビッド・セインさん
エートゥーゼット代表。25年以上英語教育に携わり、数万人以上の生徒を教える。関連書籍は累計300万部以上のベストセラーに。近著に『「お世話になっております」を英語で言えますか ネイティブに伝わるビジネス英会話』(ナツメ社)。
(日経WOMAN 福島哉香、写真 竹井俊晴)
[日経WOMAN 2015年6月号記事を再構成]
英語表現、決まり文句、あいさつ
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