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復興事業枠組み 地元負担220億円程度
6月18日 18時28分

復興事業枠組み 地元負担220億円程度
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政府は、東日本大震災の復興事業費を、来年度から5年間で6兆5000億円程度とする新たな枠組みを与党に示し、了承されました。
復興庁によりますと、新たな枠組みの下での被災3県の自治体の負担額は、5年間で220億円程度になるということです。
政府は、東日本大震災からの復興事業費を国が全額負担する「集中復興期間」が今年度で終わることから、来年度から5年間の新たな復興支援の枠組みをまとめ、自民・公明両党がそれぞれ開いた復興加速化本部の会合で示しました。
それによりますと、5年間の復興事業費の総額は6兆5000億円程度で、その内訳は、住宅再建や復興まちづくりに3兆4000億円、被災した自治体を支援するために国が交付する「震災復興特別交付税」などに1兆7000億円、原子力災害からの復興・再生に5000億円などとしています。
また、一部の事業では、地元自治体に最大3.3%の財政負担を求めるものの、地元の要望を踏まえ、主に岩手県や宮城県を走る「三陸沿岸道路」や、福島県の沿岸部と内陸部を結ぶ「相馬福島道路」の整備事業、それに、東京電力福島第一原子力発電所周辺の12市町村で行う復興事業などは、負担を求めないとしています。
そして、新たな枠組みの下での地元自治体の負担額は、復興庁によりますと、岩手県で90億円程度、宮城県で80億円程度、福島県で50億円程度で、合わせて220億円程度になるということです。
一方、財源は、臨時で増税している「復興特別所得税」などの税収や、JT=日本たばこ産業の株式の、売却益の上振れ分などで、合わせて3兆3000億円を確保し、残りの3兆2000億円は一般会計から繰り入れるなどとしています。
新たな枠組みはそれぞれの会合で了承されたことから、政府は、来週開く復興推進会議で正式に決定することにしています。

復興相「『遅らせてはいけない』という思いで決定」

竹下復興大臣は記者会見で、「パーフェクトではないかもしれないが、被災自治体からは、かなりの理解は得られたという手応えは感じている。事業に遅れが出ない範囲での地元負担であり、『事業に遅れが出ることはない』というより、『遅らせてはいけない』という強い思いで決定した」と述べました。

岩手県では

<復興支援道路認められず>
「復興支援道路」は、復興事業を早期に進めるための輸送態勢を支える自動車専用道路で、岩手県では内陸部と沿岸部を東西に結ぶ2つの道路で、国が全額負担して建設が進められています。
宮古市と盛岡市を結ぶ「宮古盛岡横断道路」は、総延長およそ100キロで、来年度以降、51キロおよそ1200億円分の工事が残されています。
また、「東北横断自動車道」の釜石市と花巻市を結ぶ区間は総延長80キロで、17キロ、230億円分の工事が来年度以降に行われる予定です。
このため、岩手県は、早期の復興を促すためにも国に全額負担を繰り返し求めていましたが、18日の政府の方針では認められませんでした。
新たに生じる負担は事業費の1.7%で、金額にすると、およそ17億円に上るということです。岩手県は、財源をどう確保していくか検討することにしています。

<路線バスは補助継続>
今年度で補助が終了する予定だった仮設住宅などを回る路線バスの運行には、引き続き国が補助することになり、地元の自治体からは被災者の足が確保できると安どの声が聞かれました。
このうち、岩手県山田町では東日本大震災のあと被災者の足を確保しようと、民間のバス会社が6つの路線で経路を変更し、46か所の仮設住宅を回る路線バスを運行しています。
利用料金は被災者向けのクーポンで、1日300円です。
これらの路線バスの運行には年間およそ4500万円かかっていますが、運賃収入が追いつかず、国が4000万円余りを補助しています。
市の中心部からおよそ8キロ離れた仮設住宅で1人暮らしをしている佐々木冨貴子さん(80)は買い物や通院のために路線バスを利用しています。
車を持っていない佐々木さんにとって、バスは生活に欠かせない移動手段です。
佐々木さんは「週に数回はバスを利用しているので、なくなると困ります」と話していました。
こうした路線バスやコミュニティバスへの補助は当初、今年度で終わる予定でしたが、政府は18日、仮設住宅が地域に残っていれば、5年間延長するという方針を示しました。
山田町は、地元負担になった場合は路線を減らすなどの見直しを検討していましたが、18日の方針によって今も仮設住宅で暮らす1700世帯の人たちの足が確保できると評価しています。
山田町復興推進課の沼崎弘明課長は「仮設住宅の数が減っているわけではないので、バスはまだ必要です。国の決断には敬意を表したいと思います」。

岩手県知事「県として事業進める」

岩手県の達増知事は「全額国費による整備を強く要望してきた2つの道路などが地方負担になったことは大変残念な結果と受け止めている。しかし、国としての判断が示された以上、苦渋の決断として受け入れざるをえない。県としては復興を遅らせることなく、事業をしっかり進めていく」というコメントを発表しました。

宮城県では

宮城県などは、政府が地元負担を求めるとしていた事業の一部について、引き続き国が費用の全額を負担するよう要望していました。

<防潮堤>
このうち、市や町が沿岸部に新たに整備する防潮堤は、今月3日に政府が示した方針では、総額の2.5%の負担を地元に求めるとしていました。これに対し、県などが財政負担が重すぎるとして国が全額を負担するよう求めた結果、政府は方針を転換し、国費で全額負担することを明らかにしました。

<みやぎ県北道路>
一方、宮城県が事業を進めている、栗原市と登米市とを結ぶ「みやぎ県北高速幹線道路」は、三陸沿岸道路に続く「復興支援道路」と位置づけられていて、県は国に対して全額、費用を負担するよう求めていましたが、政府は方針を変えず、費用のおよそ2.3%は県に負担を求めるとしています。

<土地のかさ上げ>
土地のかさ上げ事業などを含む「効果促進事業」についても、政府は方針を変えず、費用の1%の地元負担を求めるとしました。
ただ、自治体と個別に相談を進めるなどして、できるだけ負担が生じないよう対応に当たるということです。

宮城県知事「最低限の要求は満たしてくれたと思う」

宮城県の村井知事は、「宮城県北部の道路、いわゆる復興支援道路が認められない形になり、残念な面もあるが、負担が重かった市町村が新設する防潮堤はすべて国で負担してくれることになったので、われわれの最低限の要求は満たしてくれたものと思っている」と述べました。
そのうえで、村井知事は、「国の厳しい財政状況を考えると感謝している。今後出てくる、個別の細かい事業については調整していきたいが、大枠ではこれ以上申し上げることはないと思う」と述べ、地元負担を巡る交渉については、ほぼ終止符を打ちたいとという考えを示しました。

福島県では

「相馬福島道路」は、震災と原発事故に伴う国の復興支援道路で、福島県相馬市と桑折町を結ぶ全長およそ45キロの自動車専用道路です。
復興事業のための資機材の輸送や、除染で出た土などの廃棄物を中間貯蔵施設に搬入するための道路としても使われる見込みで、総事業費は1500億円余りです。
「相馬福島道路」と並行し、福島県北部から浜通り地方を結んでいる国道115号線は、道幅が狭い場所や災害時に通行止めになる場所が多いため、これに代わる道路として期待されています。
来年度からの5年間で、福島県の整備費の負担は当初、10億円程度と試算されていましたが、全額を国が負担する方向で調整されています。

福島県知事「高く評価したい」

福島県の内堀知事は「原子力災害の影響が広範囲、長期に及ぶ特殊性を踏まえていて県や市町村の訴えを真摯(しんし)に受け止めたと高く評価したい。一方で、来年度予算の概算要求以降の調整に委ねられた事業も多く、復興に必要な予算が確保されるよう引き続き国と調整を進める」というコメントを出しました。

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