今やSteamは日本人にも根強く浸透し、誰もがその名を知るところとなっているが、そこに大きく貢献したのは「Free to Play」、つまり無料で遊べるゲームたちだ。
ここでは、そんなF2Pタイトルを10本紹介する。対人戦に飢えたコアゲーマーから、まだ特にゲームにこだわりのない初心者まで、是非一度触れて欲しい作品ばかりである。
Blacklight: Retribution
どことなくサイバーパンクの香りが漂うマップで、がむしゃらにデスマッチを続けられるFPS。
一般的に親しまれている『Call of Duty』に近いカジュアルなゲーム性で、銃はサイトを覗いて打てばフルオートでも当たるし、移動速度も遅いので特別テクニックが必要になることもない。シューター初心者でも楽しめるだろう。
ただし『CoD』と決定的に違う点は、ミニマップが存在しないことだ。これにより、敵の位置を予測してキャンプしたりすることが出来ない。代わりに、ウォールハックよろしく壁を透視することの出来るバイザーを標準装備しているので、積極的に自分から戦闘していくスタンスが求められる。ここが本作最大の魅力だ。
動作環境は中々にヘビーだが、その分グラフィックの水準は高く、闇に溶けるような雰囲気とシャープなラインが美しい。オススメの一本。
Clicker Heores
クリックして、資本を買って、またクリックしてを延々と繰り返す、「Clicker」と呼ばれるゲームの一本。
一時期『Cookie Clicker』なるゲームが流行ったのを覚えているだろうか。クリックを繰り返して老婆を雇い、最終的には次元開放ポータルまで購入してクッキーを作り続けるアレである。
本作も概ね同じ内容と思ってもらって構わない。ただし、こちらは主人公に好きなヒーローを据えることが出来るし、色々な種類の敵が用意されている(結局やることは同じだけど)。
え?「クリックしまくって資本を買うだけのゲームの何が面白いんだ、お前は暇人か」だって? いやいや、そういう人にこそ是非遊んで欲しいゲームがこれだ。
労せずして「目標を達成する」というカタルシスだけを無限に繰り返すことが(いくらかの自尊心を犠牲にしても)、いかに魅力的がご理解いただけるだろうから。
Path of Exile
ダンジョンに潜り、敵から奪ったレアアイテムで自分のキャラを強化し、またダンジョンに潜る…。いわゆる「ハック&スラッシュ」と呼ばれる古典的な海外ゲームだ。
この『Path of Exile』は、よくも悪くも既存のハック&スラッシュに忠実だ。程よい駆け引きと自動操作を織り交ぜ、アイテムのドロップ率がやたらとマゾいということもない。『Diablo』のように爽快感ある戦闘の演出も作りこまれている。
だが驚くべきは、その良心的な課金システム。この手合のゲームには珍しい程、レアなアイテムや便利なシステムは全て無料プレイの範疇で入手可能で、ユーザーが金銭を支払うのは倉庫(Stash)ぐらいだ。(それも安い)
それにしても、この出来栄えでほぼ無料というのは恐ろしい。フルプライスで並べられても十分売れたであろうクオリティだ。ハック&スラッシュというジャンルを敬遠して遊ばないのは勿体無い作品である。
PlanetSide2
様々な兵科やビークルを選び、巨大な戦場でチーム対抗の戦争ごっこが楽しめるFPS。いわば『Battlefield』の系譜である。
本作の魅力といえば、何においてもまず最大2000人が参加可能という空前絶後のスケールの大きさ。いや、これが本当にすごい。確かに戦場は常に分散してるので、常に1000人vs1000人の戦いがあるわけではないが、無数のチームメイトと共に突撃するのは壮観だ。
ただ課金形態は結構シビアで、武器からビークルまで初期武器はかなり貧弱(一応マネーを払わずとも入手可能であるが)。また、撃ち合いやビークル同士の戦闘という点では、さすがに『Battlefield』のそれに敵わない。
それでも、やはり大人数の戦争はテンションが上がる。2時間だけでもいいから、なるべく色んな人に楽しんで欲しい作品。
Robocraft
車輪から大砲まで、全てのパーツを自分で組み替えてロボットを作り、それで対人戦を楽しめるTPS。
なんともフリーゲームらしい牧歌的な雰囲気の漂うゲームで、最適解を容赦なく選んで最強ロボットを作る人もいれば、前衛芸術かと思うようなネタ臭漂うロボットで殴りこんでくる猛者もいる。
ゲームの駆け引きを求めるならベストと呼べずとも、オンラインゲームならではのコミュニケーション性をとことん突き詰めたゲーム。『Besiege』や『Space Engineer』など、自分で何か作るのが好きだという人にはオススメしたいゲーム。
Unturned
敵も味方もいない広大なオープンワールドで、ただ生存のためだけにアイテムを探し求めるサバイバルFPS。『DayZ』などで一気に火が付いたジャンルだ。
ビジュアルはまんま『Minecraft』+『DayZ』といった具合だが、ゲーム性に関しても全く同じようなものを想像してもらえばいい。つまり、程よくシュールな笑いがあり、程よくサバイバルに熱中できるのだ。
グラフィックは『Minecraft』にすら劣るが、その分自由度が高い。アップデートにより大量のアイテムが追加され、探索してるだけで面白く、ブロックを破壊したり生成して建築できるのもメリット。フレンドと一緒にやればより楽しめるだろう。
Team Fortress 2
個性的な9つのクラスから好きなクラスを選び、様々なオブジェクトルールを楽しめる、対人戦FPS(オマケでCOOPも出来る)。
SteamのF2Pタイトルの中でも最古参の部類だけあって、面白さも人口も安定してる。ただ、さすがに最近のFPSに比べるとロケジャン等のスキルが求められるのもあって、初心者は辛いかもしれない。
それでも、多くのSteamerが1000時間単位で時間を費やした名作FPS。もはや多く語ることもないだろうが、とりあえず対戦できるFPSを探していて、まだ本作をプレイしていないなら、今すぐインストールすべきだ。
Warthnder
第二次世界大戦中のヨーロッパを舞台に、史実に登場した戦闘機や戦車を操作できる対戦ゲーム。日本でもブームになっている『WoT』と二分する人気を誇る作品だ。
戦闘機や戦車というと複雑な操作が要求されそうなものだが、慣れてしまうとかなり快適にプレイできる程度にカジュアル化されており、ゲーマーからミリタリーマニアまで楽しめる。
何より、兵器の再現度がすごい。とても精細な描き込み具合で、当時の兵器が再現されており、ビジュアルという点では個人的に『WOT』より評価している。歴史好きでゲームも好きというなら、ぜひ一度触れておこう。
Warframe
今ある文明が滅んだ後の遠い未来。テンノと呼ばれるニンジャとなって宇宙人と戦う、オンライン協力に対応したTPS。キャッチフレーズは「ニンジャなら無料」。
要するに、よくあるクエスト進行形のオンラインゲームをTPSで楽しめる作品なわけだが、目を引くのはクールなトータルデザイン。和風とも洋風とも言えぬ独特の世界観は、SFによくある間の抜けた感じがなく、冒険しているだけで中々楽しい。
オンラインゲームにありがちなマゾさもなく、程よくTPS要素が残っているおかげでアクションの楽しさもある。スタイリッシュな移動や武器も魅力で、雰囲気・ビジュアル重視でゲームを遊びたい人におすすめ。
Dota 2
「ヒーロー」と呼ばれるキャラクターを操作し、RTSのようなトップダウン視点を活用して戦う、5vs5の対人ゲーム。
現代のe-Sportsにおいて何より注目される「MOBA」に分類される作品で、アジアからヨーロッパまで日常的に賞金付きの大会が開催される、最高峰の規模を誇るe-Sports。
今最も人材が求められていて可能性のある戦場に飛び込むのに、もはや言葉は要らないだろう。Valve自ら、本作の世界大会の様子とプロゲーマーの日常に迫る「Free to Play」なるドキュメンタリー映画も制作しているので、そちらも必見。