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神戸事件の遺族、加害男性の手紙や手記「絶歌」受け取らず 彩花ちゃんの母コメント全文
平成9年に神戸市で起きた連続児童殺傷事件で、亡くなった山下彩花さん=当時(10)=の母、京子さん(59)は23日、加害男性(32)が出版した手記「絶歌(ぜっか)」(太田出版)と謝罪の手紙が、弁護士を通じて男性から届けられたことを明らかにし、産経新聞社にコメントを寄せた。手記、手紙のいずれも受け取らなかった。
京子さんによると、手紙は、遺族の了承を得ないまま出版したことを謝罪する内容。パソコンで10行ほど書かれており、名前の部分だけ手書きだった。
土師淳君=当時(11)=の父、守さん(59)の代理人弁護士も23日、男性の手紙が関係者を通じて届いたことを明らかにした。約1週間前に届いたが、弁護士は遺族の意向を踏まえ受け取らなかった。手記は、関係者が遺族に届けるのを拒否したという。
山下京子さんが23日、産経新聞社に寄せたコメント全文は次の通り。
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昨夜、元少年Aからの手紙を弁護士の事務所で読みました。B5用紙にほんの10行ほどが印字されており、まるで本の送付書のようでした。これまで来ていた手紙とは内容も性質も大きく異なるため、受け取る気持ちになどとてもなれませんでした。もちろん手記も受け取っていませんし手紙も持ち帰っていません。