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世界自然遺産の小笠原 固有生物が絶滅の危機
6月24日 4時03分

世界自然遺産の小笠原 固有生物が絶滅の危機
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小笠原諸島が世界自然遺産に登録されてから24日で4年になりますが、遺産登録の決め手の1つとなった小笠原固有のカタツムリが、外来生物の急増によって絶滅の危機に陥っていることが国の調査で分かりました。国が設置した専門家による委員会は「遺産の価値にかかわる危機である」と指摘していて環境省は対策を急ぐことにしています。
小笠原諸島は多くの固有の動植物が生息し、その中でも植物やカタツムリが環境に適応しながらさまざまな進化を遂げた生態系が高い評価を受け4年前に世界自然遺産に登録されました。
このカタツムリの代表例が「カタマイマイ属」という小笠原だけに生息する種類で、遺産登録の決め手の1つになりました。
しかし、昨年以降、多くの「カタマイマイ属」が生息する兄島で、船に紛れて入り込んだとみられるクマネズミが急激に繁殖し食い荒らしているため、兄島で確認されている6種類のうち4種類が来年には絶滅する恐れがあるということです。
国が世界自然遺産の保全のために設置した専門家による地域科学委員会によりますと、兄島を100平方メートルごとのエリアに区切って毎年行っている調査では、多いときは10匹以上いましたが先月の調査では1匹も確認できなかった場所もありました。
科学委員会では「カタマイマイの絶滅の危機は世界自然遺産の価値に関わる危機である」として緊急の対策を国に要請していていて、環境省では対策を急ぐことにしています。
科学委員会のメンバーの東北大学の千葉聡教授は「予想以上の速度で食害が進んでいる。行政や住民、企業など多くの人たちに協力してもらい危機を脱するための努力が必要だ」と話しています。

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