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2013/12/05

富士山世界文化遺産 構成遺産「須山浅間神社」を訪れて!

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慶長3年(1598年)の社伝記によると、この浅間神社を創起したのは、景行天皇(110年)の時代、皇子 日本武尊が蝦夷征伐のとき、この地を訪れ創起したと伝えられています。
更に欽明天皇13年(544年)に蘇我稲目が再興したとあります。
このように古い歴史を持ち、山岳信仰として「富士山」を、ご神体として仰ぎ、富士山の度重なる噴火を鎮めるために、山麓に浅間神社を祀り岳神の霊を慰め奉ったのが始まりだそうです。
その後、天元4年(961年)平兼盛が神社を修理している。
その後にも何回かの修理改築を行っているが、最古の棟札(改築を記した木札)は、大永4年(1524年)のものであり、文政6年(1824年)には本社の再建を行っている。
江戸時代には、「富士講」が盛んとなり、登山の参詣者が多くなりましたが、宝永4年(1707年)の大噴火の際、登山道が崩壊し登山不能となりました。
その後、登山道の復興・神社の復興も行われ、寛政12年(1800年)には、5,398人の登山者があったと記録されています。

              

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赤い鳥居をくぐり、鬱蒼と茂る杉並木を進み石段を上がっていくと右手には、約500年という長い年月 社殿を見守ってきた杉のご神木(静岡県神社庁審査委員会指定)が、そびえたち参拝客を迎えてくれています。

                 

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社殿は、100年に一度の大規模改修工事を少し早めに、2011年10月から1年2か月の年月をかけて拝殿・幣殿・本殿を改修し、本殿の覆殿(本殿を覆い保護する建物)の屋根を葺き替えています。
2012年9月 ICOMOS(国際記念物遺跡会議)の調査員が現地を視察し、文化遺産登録への勧告に繋がったものと考えられます。

写真左→右側斜めより観た拝殿(拝殿後部に見える覆殿の中に
    本殿がある)
写真右→覆殿の裏側よこから撮影。(左下方は、改築された拝殿)

                   

                     

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覆殿の中には、改築したばかりの色鮮やかな本殿を観ることが出来る。
本殿は、江戸時代後期の文政6年(1823年)に建立されたと伝えられている(写真は、拝殿から座して観た本殿正面扉)

              

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拝殿の扉の装飾金具は、昔の物をそのまま綺麗に修復し使っており、金色にひときわ輝いております。(拝殿より観た写真)


              

                 

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写真左→幣殿(神職・氏子総代が立ち入り神事を執り行う場所)
写真右→拝殿(招待者が立ち入り神事を執り行う場所)

                   

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拝殿内部から境内を望むとご神木の杉並木の景観を眺めることが出来る。(写真左)
拝殿 賽銭箱の上には、樹齢500年の神木の枝が奉られており
その年輪の密集した素晴らしい年輪紋は必見に値します。(写真右)

              

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拝殿手前右側に位置した覆屋の中には、慶長16年(1611年)に建立されたものと考えられる「古宮」と呼ばれる小社が建てられています。(写真左→覆屋)
この「古宮」は、歴史的価値が高く、400年前に現本殿の場所から移築されたと言われています。
(写真右→古宮を説明下さる、大沢好一神職さん)

             

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境内の富士山須山登山歩道図の前で説明して下さる大沢好一神職。
須山口登山道が開かれた年代は明らかではありませんが、大宮(富士宮)、吉田(山梨県)の両登山道と共に、古くからあったと伝えられています。
文明18年(1486年)廻国雑記に道興法親王の和歌に(「すはま口」須山口のこと)の言葉が詠じられています。
宝永4年(1707年)の噴火は須山口の五合目あたりが中心となって噴火し、登山道は一時途絶えました。
その後、須山村の人々の登山道復活の努力により、年々登山者も多くなり、寛政12年(1800年)には、5,398人の登山者があったと小田原藩へ報告されています。
明治22年には、東海道線(現JR御殿場線)が開通し、登山者は登山距離の短い御殿場駅で降りて御殿場口登山道を利用するようになっていきました。

《須山浅間神社までの交通》
 ◇定期バス  三島駅〜須山まで  30分
           裾野駅〜須山まで  20分
 ◇自家用車  裾野インターから  15分
           御殿場インタから  20分


取材: 沼津・北駿地区担当  生きがい特派員 渡邊英機
 

 


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