太陽光発電パネル:2040年度廃棄は330倍80万トン

毎日新聞 2015年06月23日 19時39分

 環境省は23日、寿命を終えて廃棄される太陽光発電パネルの量が、2040年度には現行(年間約2400トン)の330倍の約80万トンに達するとの試算を初めて公表した。12年度に埋め立てられた産業廃棄物(約1300万トン)の6%に相当する量だが、リサイクルによる低減が可能だとして、同省は年度内に処理に関するガイドラインを策定して事業者に対応を求める。

 太陽光発電パネルは再生可能エネルギーの全量固定価格買い取り制度が導入された12年度以降、設置が急増した。試算は設備の寿命を25年とし、リサイクルが進まなかった場合を想定。廃棄量は30年度に約3万トン、40年度には約80万トンに上り、特に関東や九州で多く発生するとしている。

 ただし、パネルには銀や銅、ガラスなどリサイクル可能な素材が含まれている。今はコストの問題から分解せずに破砕して埋め立てているが、環境省は今後、業界団体などと連携して、ガラスや金属配線の分離技術などを事業者に紹介。17年をめどに、リサイクルを推進するシステムの構築を求める。

 同省リサイクル推進室は「欧州では事業者の引き取りが義務化されている。国内でもリサイクルが進まなければ制度化を視野に検討する」と話す。【渡辺諒】

最新写真特集