世界遺産登録:韓国、妥協案を提示

毎日新聞 2015年06月09日 21時14分

 【ソウル大貫智子】「明治日本の産業革命遺産」(計23施設)の世界文化遺産登録に韓国政府が反対している問題で、日韓両政府は9日、韓国外務省で2回目の協議を行った。韓国側は解決に向けた妥協案を提示した。遺産登録の際に、朝鮮人労働者の強制徴用の歴史を反映するよう求めたとみられる。

 ◇「強制徴用」反映要望か

 これに対し日本側は、「第二次世界大戦中の出来事を無視したり、美化したりする意図は全くない」としたうえで、登録を目指す施設は1910年までの歴史を対象としており、強制徴用が行われた40年代とは異なると改めて主張した。

 協議には、日本側から外務省の新美潤国際文化交流審議官、韓国側からは崔鍾文(チェ・ジョンムン)長官特別補佐官がそれぞれ出席。約2時間協議した。

 韓国側提案の内容は明らかにされていない。次回以降、具体的な調整に入りたいとしている。

 韓国政府はこれまで、23施設のうち7施設で強制徴用があったと主張。これら7施設の登録を外すよう求めてきたが、日本側交渉関係者によると今回は言及しなかった。

 韓国側は軟着陸を模索しており、強制徴用の歴史を反映した形で登録するよう各国への働きかけを強めている。

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