野良犬の生活

部活もバイトもやっていない堕医学生の暮らしを記憶するレポート

ホテル暮らし(クリクラ日記10)



 先に突入した、クリニカルクラァクシップ(以下「クリクラ」)の第三シリーズ―それはつまり最終シリーズということになるけれど―のことを記憶するに当たって、まずは、現在の私の生活環境について、大まかに書き記していくのがよさそうである。
 気取って、「クリクラ日記」などと自称している以上、臨床実習の実際や病院での出来事などを中心に綴っていくべきである。だが一方で、滞在地での暮らしぶりというものも、決して無視できない実習の一部分であるし、何事における基盤にもなりうるものである。このレポート(赤面)に書いていることは、現シリーズすべての日々の“前提”になるという点で意味を持つ。



 クリクラ第三シリーズ、私は新潟県を飛び出し、山形県は鶴岡市の、とある市中病院の外科系に配属された。この病院は我が学校の系列にあるので、たとえ県外であろうとも、実習先として選択することができるのである。
 鶴岡市は、新潟無機終焉都市から車で二時間半、特急に乗っても二時間という立地にある。当地で実習をするのに、毎日無機終焉都市から通うというのは、狂気の沙汰である。というかもはや物理的にも御無理があるので、今回私は、当然のように現地の宿舎を与えられることになった。
 クリクラの第一シリーズ、上越高田に赴いた際は借り上げのアパートを提供してもらったが、このシリーズでは、病院近くのビジネスホテルが用意された。実習期間の四週間をずっと、ホテルを拠点に生活をすることになったのだ。およそ一か月にわたるホテル暮らしである。
 中高の部活動は大会や合宿で移動することが多かったため、私には、同年代の中では様々なホテル・旅館に泊まった経験があるという自負があるのだが、それでも一つのホテルに一か月という長期の滞在をするのは流石に初めてのことである。

 だが、実を言うと、この生活に関して不安というものはあまり感じていない。だってホテルには最初から家具やベッドもあるし、アメニティ類も揃っている(しかも毎日補充される)のだから。持参するものといったら、衣類や仕事道具くらいなもの。ランドリーコーナーもあるので、洗濯の問題もない。
 第一シリーズの高田では、アパートこそあれ、日用品洗面用具食器類調味料その他諸々の備品はすべて自分で用意しなくちゃいけなかったので、そのタフさと比べると、このホテル暮らしは遥かに気安くて快適である。中高の経験が生きたのであろう、幸い私は、「ホテルは落ち着かなくてイヤだ」というような不便も有たない。
 ホテルは全室インターネット完備。私は普段、愛用のタブレットをモバイルルーターとして利用することでネットワークへ侵入しているのだが、「パケット制限」という何とも煩わしい足枷が伴っており、いつも月末はハラハラなのである。それが、ここへきてネット使い放題になって、いつもよりも気ままな暮らしができている気がしてならない。難があるとすれば、通信速度がかなり遅いことであろうか。
 ホテルから借りたLANケーブルを愛用のパソコンに接続すればそれでいいということだったが、果たして本当にそれだけでネットに繋がるのだろうか。そしてあくまでも公的なネットワークである、何かアクセス制限のようなものがないだろうか。それを同時に確認するべく、ちょっとだけ、いいですか、ちょっとだけえっちぃサイトを覗いてみることにしたが、どうやらそういうことはないようであった。いや、よかったです。本当によかった。
 ここまでですでに至れり尽くせりだというのに、なんとホテルでは朝食も出るときている。ラインナップはおにぎりやパン、コーヒーといった、実に簡便なものであるが、私は普段からあまり変わり映えのない朝ご飯―例外はあるけど、同じ種類のパン、牛乳、ヨーグルトという同じメニュウを数年―を摂っているので、今のところ大きな問題はないように思える。

 さて、ここまでホテルのスペックについて大まかに記録してきたが、何よりも嬉しいのは、一か月の宿泊費をすべて病院の方で出してくれるということだ。生活面について少しも心配することなく、優雅なホテル暮らしを堪能できr・・・・じゃなくて、これによって実習にのみ集中を向けることができるという運びなのである。


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↑私のホテル暮らしはまだ始まったばかり










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筆者紹介

シバケン-いかれたNeet-

Author:シバケン-いかれたNeet-
Sex:\(`・ω・´)
Work:堕医学生
Base:新潟無機終焉都市

趣味はお散歩、特技は悪だくみ

筆者近言

 ひょんなことから、このブログ(赤面)の熱心な読者がいてくれることを知りました。どうやら、私はひとりよがりでやっているというわけではないみたいです。嬉しいやら恥ずかしいやら、なんだか少し浮き足立ってしまいますが、これに勝る励みはないわけです。ですが、どうやら顔バレをされてしまっているみたいなので、その人にはいずれ消えてもらいます(Not-Odayaka)。

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