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伊集院光、『路線バスの旅』に見るテレビ番組における憎まれ役の必要性を語る「最後に溜飲を下げさせて欲しい」

2015.06.23 (Tue)

2015年6月22日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『伊集院光 深夜の馬鹿力』(毎週月 25:00-27:00)にて、お笑い芸人・伊集院光が、テレビ東京の番組『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』を観て、テレビ番組における憎まれ役の必要性について語っていた。

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伊集院光:『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』の20回記念があったわけですよ。それがかなり評判も高くて。前回、ちょっと前に20回記念名場面集みたいなのがあったんですけど。それが先週あって。

今週、第20回で。ちょっとルールが変わってたんだよね。スタートが北海道の洞爺湖で、チェックポイントみたいなルールが出来たんだよね。岬をめぐる、と。地球岬、襟裳岬、それから納沙布岬。これ全部回った上で、羅臼に3泊4日で行けるかどうか、みたいなヤツで。

憎まれ役の必要性

まあまあ、今回、これは賛否両論あると思うんですけど、森尾由美さんが良い人過ぎるっていう。あと、やっぱり20回目になってくると、このコンテンツに出ることが、どれだけ得かっていうことを分かって本人も事務所も来てる上に、元々良い人っていう。

前回、賛否両論ありますが、マルシアがとても良いんですよ(笑)何も知らないまま、ただ仕事をもらったなっていうことで来ちゃったなっていう感じ(笑)おそらくマルシアは、同じ土スペで、高速バスの方で、大鶴義丹が出てることも知らんでしょう(笑)

マルシアがフラッと現れて、長く歩くのを聞いてねぇから、かかとの付いてる靴で来ちゃう。それで、「絶対に歩きたくない」発言で、一旦、「おい、マルシアなんだよ」みたいな感じになりながらも、ついにその3日目の終わりくらいかな。自分の子供からのメールで、「頑張る」ってなるんですよ。

ここ、テレビ論なんですけどね。僕の思う好きなテレビ論なんですけど。前も話かけて上手くまとまらなかった気がするんですけど。テレビに、憎まれ役みたいな人は必要なんですよ。僕は必要だと思ってるんです。

「なんだよ、コイツ」って思うことこそが、テレビに熱中する要素の1つではあると思うんですよ。だから、テレビとかに「神田うの出てる」とか、「何、コイツ」みたいな人が出てくること事態は、排除したらテレビがつまらなくなると思うんですけど。

炎上することも計算して演出する番組

俺の中で、今のテレビは「そのまま炎上しろ」みたいなことが流行りだと思うんです。「そのまま炎上しちゃえば良いじゃん」って。それでいて、「みんな、こっちはそういう役で出してるの分かってますよね?」くらいの感じで、俺よりもっと大人な人が、そういうスパイスとして出てることを納得して。

それでも、「なんだよアイツ」って炎上する人もいて。でも、それも数字の内、みたいな作り方だと思うんですけど。だけど、出た上で最後にガーンってやられて欲しいんです。最後、ガーンってやられないまでも、なんか分からないけど、改心する、みたいなことがあった方が良いんです。凹まされる、でも良いんですけど。

視聴者の溜飲を下げさせることの重要性

こっち側の溜飲が下がるところとか、こっち側が納得いく地点まで、テレビの中まで入ってて欲しいんです。

たとえば、大事な亡くなったお兄さんからもらったグローブを持ってる女の主人公がいたとして。その大事なグローブのヒモが切れてて、「誰かね、そういうヒドイことをするのは…手入れが悪いんじゃないの?お兄さんの下手がうつらなくて」みたいなことを言うイヤなヤツが出てくるんだけど、最後にそいつが泣きながら「あたいには、野球しかないんだよ!」って言った時の…これ、ヤンマガで今、しげの秀一先生が女の野球のマンガ描いてるんで、良かったら入れていただいて構わないんですけども(笑)

そういう、途中に「ちょっとアイツ、イラつくよね」っていうのがあって、最後に納得のいく収まりまであるっていうのがあると良いなって。まあ、そんな我が儘言ってもしょうがないんだけど、俺が自分で何かやるようなものの時には、みんなに納得がいって欲しいっていうか。

だから、俺の中でマルシアの回が良いなって思ったのは、あれだけ『路線バス』が凄い盛り上がって、周りの人も凄いいっぱいサポートしてくれるようになった中で、どんどん予定調和感が出てくる中で、マルシアって爆弾は良かったですよ。最後の最後で、マルシアが自分の子供からメールが来て、最初にギブアップしそうなマルシアが「頑張る」って言い出す時ね。

その兆しみたいなものを、より立てて…これが凄い難しいところね。そういう台本にするんじゃないんです。でも、そうなる可能性のあるところがあった方がね。そういう兆しを編集で分かりやすく立てる(目立たせる)ってことはできると思うんですね。それがヤラセではなくて、立てて行こうということは出来るし。そうすると、最後まで観ると、「ドラマチックだったな」ってことになると思うんです。

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