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【ゴルフ】

21歳スピースが劇的逃げ切りV

2015年6月23日 紙面から

◇全米オープン<最終日>

 ▽21日、米ワシントン州ユニバーシティープレース、チェンバーズベイ(7384ヤード、パー70)▽曇り後晴れ、気温26度、強風▽賞金総額1000万ドル、優勝180万ドル▽75選手

 【ユニバーシティープレース(米ワシントン州)テッド・ムース】21歳のジョーダン・スピース(米国)が69で回り、通算5アンダーで初優勝した。最終組のダスティン・ジョンソン(同)が18番でイーグルチャンスを迎えながら3パットのパーにし、先に上がっていたスピースが逃げ切る劇的な幕切れだった。4月のマスターズ・トーナメントに続くメジャー2連勝は13年ぶり6人目(7番目)の快挙。前人未到の同一年でのグランドスラム(4大メジャー制覇)を目指し、第3戦の全英オープン(7月16〜19日、セントアンドリュース)に臨む。松山英樹(23)=レクサス=は70と伸ばせず、通算3オーバーの18位に終わった。

 タイガー・ウッズの後を継ぐ存在といわれるスピースが、マスターズに続いてメジャーを連覇した。かつて誰も成し遂げたことのない年間グランドスラムへ、大きく前進した。

 幕切れは突然だった。スピースは最終組の1組前を回り、通算5アンダーで終えた。最終組のD・ジョンソンが1打差の4アンダーで18番パー5に入り、豪打を生かしてピン左4メートルに2オンした。イーグルならスピースの逆転負け、2パットのバーディーなら翌日の18ホールのプレーオフに持ち越される。スピースはプレーオフを覚悟していた。ところが、ジョンソンは返しの1メートルも外し、痛恨の3パットでパー。スピースは「信じられない。ここで勝ったことが夢のようだ」と震えながら語り、家族と抱き合った。

 飛距離では目立たないが、パッティングのうまさとコースマネジメント力、そして決して折れない精神力が武器。17番パー3で第1打をシャンク気味に右に押し出し、3パットもあってダブルボギーにした。だが、18番パー5の2打目、残り282ヤードをグリーン右奥からピン下5メートルに戻す執念のスーパーショットで2オン。ここでのバーディーが勝利を呼んだ。

 昨年11月に日本のダンロップ・フェニックスでは38度の熱を出しながら松山とデッドヒートを繰り広げた(1打差の3位)。その翌週からオーストラリアと米国で2週連続V。年が明け、3月の米ツアー、バルスパー選手権も勝った。今季はポイント、賞金とも1位を独走中だ。「グランドスラムはできるとは思わないが、できない理由もない」。歴史を作る男の視線は、すでに聖地に向いていた。

 

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