記事詳細
神奈川県知事「朝鮮学校に返還求める」 保護者への補助金で
神奈川県が朝鮮学校に通う児童生徒へ直接支給する学費補助金が保護者から学校側へ納付させられていた問題で、黒岩祐治知事は22日の県議会本会議で、「学校は保護者に正確な説明を行い、(納付に)納得できない保護者に対しては返還を含めた責任ある対応を取るよう求める」と述べ、朝鮮学校側に保護者への返還を要請する考えを示した。今回の問題を受け、黒岩知事は、実態把握のため朝鮮学校への立ち入り検査を今秋までに実施することも明らかにした。
県内5つの朝鮮学校を運営する学校法人「神奈川朝鮮学園」(横浜市神奈川区)に対する県の聞き取りや、学園からの回答文書によると、補助金の納付は「寄付」の形が取られた。各学校が全ての保護者に呼びかけ、学校に納められた▽保護者に対して寄付は強制しておらず、約6割の保護者の協力を得た▽寄付金はトイレや水道の修繕など全て学校のために使用した-という。
今秋までに県が実施する立ち入り検査は、通常は4年に1度、私立学校に対して実施されるもの。各朝鮮学校への直近の検査は今年4月にあったが、今回の問題発覚を受けて財務状況などを確認するため、急遽(きゅうきょ)立ち入り検査を行うことを決めた。