増える一人暮らし、10人に1人以上が独居世帯の今
日本人の独居率(一人暮らしをしている人の割合)は、近年上昇中。今では3世帯に1つは単独世帯です(総務省統計局「統計からみた世帯のすがた」より)。
独居率を世代別に見ていくと、現在は特に20代や30代の若者世代で高め。たしかにこれくらいの年齢はちょうど就職などで親元を離れる方も多い頃です。結婚するまで続くこの時期を、存分に楽しんでいる方もいるでしょう。自立のための通過儀礼ともいえる若者の一人暮らしは、社会的にもそう問題視されていません。
ですが、一人暮らしが多いのは若者だけではありません。65歳以上の高齢者でも独居率は上がっており、特に65歳以上の女性では5人に1人が一人暮らしです。そして現在の未婚・晩婚化傾向を踏まえて考えると、2030年頃に独居が増えると予想されるのは50代(みずほ情報総研より)。つまり今の若者の何割かは独身のまま50代を迎え、そのまま独居生活を続けているだろうということなのです。
まだまだ先の話かもしれませんが、楽しい一人暮らしには少々のリスクがあるということも知っておきたいものです。
若者の独居世帯は経済的リスクを抱えやすい・・・
配偶者などの同居人がいない単身世帯では、経済的に支えあう相手がいません。そして「単身世帯の若者は非正規雇用率がやや高い」というデータもあります。正規雇用者と比べて経済的に不安が多いから未婚、そして独居ということですね。ですから単身世帯では2人以上世帯よりも経済的不安を抱えているケースが少なくありません。
もしそれに加えて、突然のけがや病気で働けなくなってしまったら…。そのまま貧困に陥ってしまうリスクは高まります。国や自治体から支援を受けたとしても、今まで通りの生活水準をキープするのはちょっと難しいですよね。
高齢になってからの独居世帯は病気、要介護になった時が不安・・・
もし要介護状態になった時、頼れるのはやっぱり家族。在宅介護の場合、7割が「主な介護者は家族」と回答しています。配偶者がいなければ子どももいない、そんな独居の方は老後を家族に頼ることもできません。また、家族のサポートがないと安全が確保しにくいという理由で、在宅医療を行う医師を探すのが難しいケースもあるようです。
若いうちに一人暮らしをしっかり満喫しておくのはアリ
若くても突然の発作や病に倒れることもありますし、高齢で持病を抱えている方ならそんな不安は日常茶飯事。ですが単身世帯の場合はいざ発作を起こしてもすぐには気付いてもらえません。応急処置や緊急通報が間に合わず、死後数日たってから発見されるという残念なケースも存在します。これも社会から孤立しがちな独居ならではのリスクといえそうですね。
とはいえ、自分好みのインテリアに囲まれて自分のペースで過ごせる一人暮らしはやっぱり魅力的。これも若いうちだけの特権!と考えて、今のうちに存分に満喫しておきましょう。