かつて駐韓米国大使を務め、現在アジア・ソサエティー理事長であるトーマス・ハバード氏(72)は韓日両国が関係改善の動きを示していることについて「日本がかつての侵略の歴史や日本軍慰安婦の強制動員を認め、河野談話と村山談話の継承を明言したことを忘れてはならない」「結果は期待できないかもしれないが、両国の首脳がとにかく会い、対話を行わねばならない」などと指摘した。ハバード氏は「感情を前面に出せば、東アジアでの安定を害するのはもちろん、世界の安全保障の枠組みにも悪影響を及ぼしかねない」とも警告した。
-韓日関係の現状をどう見るか。
「常に良くなったり悪くなったりを繰り返しているが、私が駐韓米国大使として赴任していた2001年は最高だったようだ。2002年のサッカー・ワールドカップが共同開催となり、両国首脳は相手国を互いに訪問していた。今も両国は利害関係がほぼ一致するため、歴史問題があってもしっかりと関係を維持しなければならない。
-対立の原因はどこにあるのか。
「双方にある。安倍首相の靖国神社参拝、歴史問題での後退の動きなどが日本側の問題であるとするなら、韓国は李明博(イ・ミョンバク)大統領が独島(日本名:竹島)を何の意味もないのに訪問したことも関係悪化の原因だ。互いに問題解決に向けた努力をすべきにもかかわらず、首脳会談さえ行われていない。東アジアの安全保障にとって最も危険な北朝鮮に対する共同歩調にも問題が生じかねない」
-それでも最近は前向きな動きが出ているが。
「先日日本を訪問したが、前向きな声が水面下で出始めているようだ。良い結果が出ることを期待する」
-今後、韓日両国はどうすべきか。
「朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は成果のあるなしにかかわらず安倍首相と会って緊張を解消すべきだ。また安倍首相は韓日国交正常化の記念日と8月15日に何らかのメッセージを出すべきだろう」